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結核に罹ったら入院しないといけない?
公開. 投稿者:結核/肺炎.この記事は約2分10秒で読めます.
1,739 ビュー. カテゴリ:結核患者の隔離
結核患者が薬局に来局すると、無知な私はうつされないか心配になり、患者がいた周辺をアルコール消毒したりしますが、どうなのか?
結核の治療というと、サナトリウムみたいな施設に長期入院して隔離されるようなイメージです。
結核に感染をしているだけの状態では、症状もなく、他の人に感染を広げることはありま せん。結核菌に感染をしても、発病する方は10~20%程度と言われています。
また発病しても、すべての患者が入院するわけではありません。結核登録患者のうち、約半数の方は、排菌(痰のなかに結核菌が存在する状態)しているため、入院が必要になりますが、残りの半数は、排菌していない状態なので、通院による治療が可能です。
入院が必要になるのは、喀痰の塗抹検査で結核菌が検出された場合(塗抹陽性)や、胸部X線写真で肺に空洞を認めた場です。これらの場合は、周囲に感染させる可能性があるため、感染症法に基づいて、結核病床を有する病院への入院勧告がなされ、患者は約2か月間の隔離入院を余儀なくされる。
2008年~2018年では、年間2万人弱の新規登録結核患者のうち、塗抹陽性の割合は4割前後を推移している。つまり、少なくとも患者の4割が入院している計算です。
一方、喀痰の塗抹検査が陰性で、その後の培養で結核菌が検出された場合は、外来で治療が行われる。また、肺外結核を発病した場合も外来で治療することがある。
入院期間は、排菌が停止して他の人にうつさなくなったことが確認されるまでです。おおよそ2~3か月くらいが入院期間のようです。しかし米国での平均入院日数は10日程度で、日本の入院期間は欧米に比べて極めて長いとのこと。
結核菌は、ゆっくり発育する菌であるため、治療には、抗結核薬を3~4種類、少なくとも6か月以上の期間が必要になります。
つまり、結核菌の保菌者の段階としては、感染→発病→排菌という段階があり、排菌という段階になるまでは、それほど恐れる必要は無い。
高齢者は、かつて結核が流行していた時代に、感染をうけた方が多いと報告されています(既感染率は80歳代 で50%以上)。感染後、何年もの間、体内で封じ込められていた結核菌が、免疫力の低下などに伴い、発病することが問題になっています。
結核は飛沫・空気感染であるため部屋の換気を十分にし、部屋の清掃は通常行っている方法で実施すればよい。
病原菌をばらまく人?
インフルエンザやノロウイルスにかかっても元気な人がいます。
感染しても元気な人、これを無症候性キャリアと言います。
症状が無いので、自覚もない。
手洗いうがいもおろそかに、ウイルスをばらまく。迷惑な話です。
腸チフスのメアリー
昔、腸チフスのメアリーと呼ばれた住み込み料理人がいました。
腸チフスの無症候性キャリアで、47名の感染者と3名の死者を出して有名になりました。
腸チフスのような毒性の強い病原菌でも無症候性キャリアは存在するのですね。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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