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インターフェロンでうつ病になる?
公開. 投稿者:肝炎/膵炎/胆道疾患.この記事は約2分9秒で読めます.
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多彩な作用を持つインターフェロンが外部から人体内に大量に入ることにより、神経-免疫-内分泌系のバランスを崩し、直接・間接的に精神症状を惹起します。
インターフェロンは、分子量が2万前後なので、正常脳では血液脳関門(Bloodbrain-barrier: BBB)を通過しませんが、第三脳室前壁近傍などからわずかに中枢神経内へ移行しうることが確認されています。
また、インターフェロンの視床下部-下垂体-副腎皮質系や視床下部-下垂体-甲状腺系を介する作用、インターフェロンのオピオイド作用、ドパミンアンタゴニストやアゴニスト作用、ノルアドレナリン、トリプトファン、セロトニンを介した作用、IL-1、IL-2、IL-6、TNF の分泌を誘導したり、TNF-receptor、IL-1α、IL-5、IL-6-receptor、IL-8 を抑制する作用などが関連すると考えられています。
他に、インターフェロン自体が、海馬の神経新生を抑制するとの報告もあります。
インターフェロンでうつ病
インターフェロンはもともと生体内にある物質のため、それが増えたときにどのような生物学的作用が出るかは、個人差があります。
言い換えると、もともと持っている体質によって副作用症状およびその発現頻度が異なるということです。
そのため自分自身の体質を知らずにインターフェロンが導入されると、予期していなかった副作用が発現するケースもあることから、インターフェロンの副作用は投与してみないとわからないと言われているのです。
例えば、インターフェロンαの副作用であるうつは、もともとうつ気質がある方に出ることが多く、うつ気質がない方に重篤な症状が発現することはありません。
ですから、抗うつ薬の服用歴や家族歴を確認していれば、事前に対応することが可能です。
また、時間が長く経過してから発症するうつ症状は、減量や辛い時期を過ぎれば自然に改善することもあります。
インターフェロンで発熱?
インターフェロンの副作用の多くは対症療法で対応できますが、さまざまな症状が現れます。
大別して、初期、中期、後期に分けられます。
投与開始から1週間程度までの初期では、インフルエンザ様症状(発熱、筋肉痛、関節痛、頭痛など)が現れます。
対症療法として、解熱鎮痛薬(NSAIDs)が汎用されます。
インターフェロンは投与後6~8時間後に発熱のピークを迎えるため、患者さんが治療に慣れてくると患者さん個々でタイミングをはかることができます。
投与30~60分程度前に服用しておくと症状が軽減されることが多いようです。
インフルエンザ様症状は、いわゆる「慣れ」の現象が起きるため、NSAIDsを使用しなくてもよくなる患者さんが多いですが、1週間持続するペグ化された製剤では、インフルエンザ様症状が持続することがあるので、NSAIDsを常用の処方とすることで持続的に副作用の症状を緩和させます。
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