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大動脈瘤はいつ破裂する?
公開. 投稿者:狭心症/心筋梗塞.この記事は約3分48秒で読めます.
1,314 ビュー. カテゴリ:1時間に1%ずつ死亡する
大動脈瘤は心臓から出た血管がコブ状に膨らんだ病気。
解離性大動脈瘤もコブ状に膨らんでいますが、普通の大動脈瘤は血管全体が膨らんでいて、解離性大動脈瘤は血管の内側の膜と外側の膜がはがれた状態で膨らんでいます。
内側の膜がはがれているのは、内側の膜はすでに破裂した状態なので、早急な処置が必要とされます。
普通の大動脈瘤は無症状で進行し、破裂して初めて激痛を感じます。
解離性大動脈瘤は、内膜が破れると同時に激痛を感じます。
大動脈のまわりにある神経を圧迫するからです。
大動脈から出ている血管も圧迫して、重要な臓器に血液が供給されなくなります。
解離性大動脈瘤は、適切な治療が行われなければ、「1時間に1%ずつ死亡する」とも言われており、48時間以内に約半数の患者さんが亡くなる極めて重篤で危険性の高い病気です。
普通の大動脈瘤は大きさによってリスクは違いますが、通常3センチの大動脈が倍の6センチ以上になったら、いつ破裂してもおかしくありません。
大動脈瘤はサイレントキラー
解離性大動脈瘤は動脈硬化が原因で起こり、高齢化が進むにつれ患者数は増えている。
解離性大動脈瘤は大動脈瘤の一種。
大動脈瘤は、心臓から全身に血液を運ぶ一番太い直径約三センチほどの大動脈が、こぶ状に膨らむ疾患。
こぶが破裂すれば、大量出血などで命を失う。
大動脈瘤はサイレントキラーともいわれ、大半は破裂するまで無症状で経過する。
解離性大動脈瘤は破裂しなくても、胸部や背中に激痛が走り、中には意識を失う場合もある。
血管は内側から内膜、中膜、外膜の三層構造で、通常は内膜の内側を血液が流れている。
この内膜と中膜に裂け目ができて、スポンジ状の中膜に血液が流れ込み、内膜と外膜が離れてしまう状態を「解離」という。
解離が起こると大動脈が拡張し、流れ込んだ部分が膨らみ、本来の血液の通り道を圧迫するなどして引き起こされる大動脈瘤が解離性大動脈瘤。
意識を失うほどの激痛は、内膜や中膜が裂けるときに起こる。
原因は主に動脈硬化。
大動脈が老化、劣化してもろくなったところに、何らかの理由で血圧が急激に上がって起こる。
脱衣場から熱い風呂に入ったり、重い物を持ち上げたり、怒鳴り声を上げたりした際に起こりやすい。就寝中に起こる人もいる。
中高年に多く、高齢化とともに目立つようになってきた。
解離性大動脈瘤の患者数は不明だが、同疾患も含めた大動脈瘤患者は約三万四千人いる。
治療法は、解離の起こる部位によって、手術か薬物治療などかに分かれる。
大動脈は、心臓からいったん上に出て、湾曲して下方に伸びていく。
上に向かう部分(上行大動脈)に解離が起きた場合は、心臓を包む心膜と心臓の間に血流が入り心臓を圧迫したり、心筋梗塞など死に至る合併症が起こりやすい。二日間で約50%が死亡するので、すぐに外科手術を行う。
外科手術は、解離の起きた血管を人工血管に置き換える。胸部を三十~四十センチ開き、人工心肺を使用するなど大がかりになる。
手術法は確立されているが、脳梗塞など合併症が起こる危険もあり、約5%の死亡率がある。
下方に伸びている部分(下行大動脈)に解離が起きた場合は、原則薬物治療を行い、血圧をコントロールして様子をみる。
痛みがあったり血圧コントロールがうまくいかなかったり、腎臓や腸、脚などに血液が行き渡らなくなる虚血が起こっている場合は、上行大動脈と同様の手術を行う。
薬でコントロールしていても五、六年してこぶが大きくなり破裂の心配が出てくれば手術を行う。
最近は、体の負担が少ないステントグラフト内挿術という新しい治療が、解離性も含む下行大動脈瘤で行われるようになった。
脚の付け根からステントグラフトというバネ付き人工血管を挿入し、大動脈瘤の前後の血管部分に固定。
こぶに血液が流れ込まないようにして破裂を防ぐ。
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