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狭心症治療薬の分類
公開. 投稿者:狭心症/心筋梗塞. タグ:薬の分類. この記事は約2分54秒で読めます.
3,025 ビュー. カテゴリ:狭心症治療薬の一覧
分類 | 商品名 | 一般名 |
---|---|---|
硝酸薬(速効性) | 亜硝酸アミル「AFP」 | 亜硝酸アミル |
ニトロールスプレー | 硝酸イソソルビド | |
ニトロール錠(舌下) | 硝酸イソソルビド | |
ニトロペン舌下錠 | ニトログリセリン | |
ミオコールスプレー | ニトログリセリン | |
硝酸薬(持続性) | アイトロール錠 | 一硝酸イソソルビド |
ニトロールR | 硝酸イソソルビド | |
ニトロール錠 | 硝酸イソソルビド | |
ニトロダームTTS | ニトログリセリン | |
フランドル錠 | 硝酸イソソルビド | |
フランドルテープ | 硝酸イソソルビド | |
ミニトロテープ | ニトログリセリン | |
ミリステープ | ニトログリセリン | |
硝酸薬(Kチャネル開口薬) | シグマート | ニコランジル |
その他の冠血管拡張薬 | ペルサンチン | ジピリダモール |
コメリアン | ジラゼプ塩酸塩水和物 | |
ロコルナール | トラピジル | |
バスタレルF | トリメタジジン塩酸塩 |
狭心症治療薬の分類
狭心症の薬には、発作時に使う薬と、発作予防に使う薬がある。
狭心症治療薬として主に使われるのは、お馴染みの硝酸薬である。
ニコランジル(シグマート)も、ニトロ基(-NO₂ )を持つので硝酸薬に分類されることもあるが、「カリウムチャネル開口薬」と呼ばれることもある。
ニコランジルは、NOによる血管拡張と、カリウムチャネル開口による血管拡張を併せ持つので「NKハイブリッド薬」と呼ばれることもある。ハイブリッドと聞くと、ガソリンと電気のハイブリッド車を思い浮かべるが、2つ以上の作用機序を持つ薬のことである。
カリウムチャネルが開くと血管平滑筋が弛緩して、カルシウムチャネルが開くと血管平滑筋は収縮する。そのためK開口薬もCa拮抗薬も血管を広げる働きがある。
硝酸薬は耐性ができるという欠点があるが、ハイブリッド薬であるニコランジルには耐性ができにくい。
狭心症治療薬の分類として、硝酸薬と冠血管拡張薬としたが、硝酸薬も冠血管を拡張するので、狭心症治療薬は全て冠血管拡張薬になる。そのため「その他の冠血管拡張薬」とするのが正しいのだろうけど、わかりやすく冠血管拡張薬としてまとめた。
これら、硝酸薬以外の冠血管拡張薬、ジピリダモール、ジラゼプ、トラピジル、トリメタジジンについては、適応症の面からも作用機序の面からも、ただの「狭心症治療薬」という分類には収まらない薬たちである。狭心症発作予防目的で使われることのほうが少ないかもしれない。
これらの薬は血小板凝集阻害作用=抗血小板作用を持ち、糸球体の毛細血管での血液凝固を阻害することで尿蛋白を減少させるので、糸球体腎炎などにも適応を持つ。
ペルサンチンはネフローゼ症候群(25㎎、100㎎)、ジラゼプはIgA腎症に適応を持つ。
「狭心症治療薬ってどういう薬ですか?」と聞かれたら何と答えるだろうか。
私は、狭心症治療薬の薬の説明では「血管を広げる薬です」と言うことが多い。発作時のニトログリセリンであれば、「胸の痛みを取り除く薬です」でも良いかもしれない。しかし、患者によってはこの説明で「痛み止め」と勘違いする場合もある。また、患者の中には胸の痛みというより胃の痛みとして自覚している患者もいる。
狭心症と心筋梗塞
狭心症とは簡単に言えば、「心筋の酸素不足」である。
心臓の筋肉(心筋)に供給される酸素が不足するために胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。一時的であるため、安静にしていればそのうち回復する。
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