更新日:2017年1月22日.全記事数:3,087件

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腎障害患者にH2ブロッカーは禁忌?


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腎機能とH2ブロッカー

H2ブロッカーの多くはほぼ未変化体として腎臓から排泄されるため、腎機能の低下した患者への投与には適していない。
肝代謝型のPPIに変更されることが多い。

H2ブロッカー(ガスター、アシノン、タガメット、ザンタック、アルタット、プロテカジン)の添付文書では、「腎障害のある患者」に慎重投与となっている。

肝代謝型のプロテカジン(ラフチジン)では比較的腎障害患者に使いやすいという認識ですが、添付文書上は、他のH2ブロッカー同様「腎障害のある患者」に慎重投与となっており、「透析患者では非透析時の最高血中濃度が健康人の約2倍に上昇することが報告されているので、低用量から慎重に投与すること」という記載もみられるので、透析レベルの患者に適したものではない。

プロテカジンの薬物動態をみると、

高齢者では腎機能正常者(Ccr平均88.0±9.4mL/min)と腎機能低下傾向者(Ccr20~60mL/min、平均45.2±7.8mL/min)で血中動態に差を認めなかった。
透析患者では非透析時の血漿中未変化体濃度は健康成人と比べてCmaxが約2倍に上昇し、T1/2が約2倍に延長し、AUCが約3倍に増加した。
なお、ラフチジンは血液透析により7~18%が除去された。

とあり、中等度の腎障害レベルまでの使用は問題ないと思われる。

プロテカジンと腎障害患者

他のH2ブロッカーが腎排泄性であるのに対し、ラフチジン(プロテカジン、ストガー)は主に肝臓で代謝されます。

腎障害患者に腎排泄性のH2ブロッカーを投与する場合は、クレアチニンクリアランス(Ccr)値に応じた減量が必要となります。
一方、ラフチジンは腎障害患者に常用量を投与した場合も、健常者と副作用の発現率に差が無いことが確認されており、Ccrに応じた減量は不要となっています。

この特性のため、ラフチジンは腎障害患者に使いやすいとの認識が広まっています。
しかし、他剤より少ないとはいえ、ラフチジンの約20%は尿中に排泄されます。
透析患者に投与すると非透析時の血中濃度が約2倍になることや、ラフチジン投与により精神神経症状が発現した事例も報告されており、添付文書には透析患者への投与時は低用量から慎重に開始すべきであると記載されています。

慢性腎不全患者では、食欲不振、嘔気・嘔吐、上腹部不快感など上部消化管の不定愁訴を訴えることが多いとされており、胃炎の頻度が高くなっています。

その際にH2ブロッカーが投与されますが、H2ブロッカーの中で唯一ラフチジンは肝代謝型の薬剤であり、慢性腎不全患者に常用量を投与した場合でも、健常者と副作用の発現率に差はなく、クレアチニンクリアランスによる減量の必要はないとされており、比較的安心して使用することができます。

ただし、このラフチジンでも透析患者では血中濃度が約2倍になることが報告されており、腎不全患者への投与は低用量から慎重に開始するべきです。腎障害がある患者さんに適したH2ブロッカーは? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?

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