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ティーエスワンで認知症?
公開. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約2分32秒で読めます.
1,810 ビュー. カテゴリ:白質脳症
抗がん剤の副作用に「白質脳症」というものがある。
「重篤副作用疾患別対応マニュアル」にも記載されている、重篤な副作用である。
大脳半球の白質は、大脳皮質の神経細胞から出る神経線維から構成されています。
この大脳白質が主に障害されるのが、白質脳症であり、初発症状としては、「歩行時のふらつき」が最も多く、次いで「口のもつれ」、「物忘れ」が起こります。
認知症のような症状が出た場合は要注意です。
副作用として白質脳症を起こす医薬品は、主に抗がん剤ですが、代表的な医薬品としては、カルモフール、テガフール、フルオロウラシル、メトトレキサート、シクロスポリンなどがあります。
添付文書に「白質脳症」が重大な副作用として記載されている医薬品には 様々なものがある。
このうち、抗悪性腫瘍剤、 特に5-フルオロウラシル(5-FU) とその誘導体であるカルモフール、テガフールによって起こることが多い。
カルモフール(ミフロール)による白質脳症は、「カルモフール白質脳症」と呼ばれ、報告が多かったが、カルモフールはすでに販売中止となっている。
ネオーラルの副作用には、「可逆性後白質脳症症候群」と「進行性多巣性白質脳症」という記載がみられる。
進行性多巣性白質脳症(PML)とは、免疫不全患者等においてJCウイルスによって発症する脱髄性疾患である。つまり免疫抑制剤によってウイルスが活性化され、白質脳症を引き起こす。
可逆性後白質脳症症候群は、急激な血圧上昇による血管透過性亢進や血管内皮細胞障害によっておこると考えられている。
ネオーラルの重要な基本的注意には、「血圧上昇があらわれることがあり、可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症に至ることがあるので、定期的に血圧測定を行い、血圧上昇があらわれた場合には、降圧剤治療を行うなど適切な処置を行うこと。」と記載されており、血圧チェックが副作用発見のポイントとなる。
これらの抗がん剤や免疫抑制剤を飲んでいる患者が、MRIを撮ってきたら、もしかしたら医師は白質脳症を疑っているのかも知れない。
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