更新日:2017年1月10日.全記事数:3,094件

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

抗躁薬まとめ


スポンサードリンク

抗躁薬

抗躁薬のカテゴリーに分類される薬剤は炭酸リチウムただ1つです。

リチウム塩が躁状態に効果があるとわかり、治療に用いられるようになったのは古く、1950年代です。

リチウム塩はリチウムイオンとして生体内ではたらくことが当時から明らかでしたが、現在もなお脳内におけるその薬理動態や作用はわかっていません(最新の研究から予想される作用機序は提言されていますが)。

また、この薬は抗うつ薬理の効果を増幅するための薬として用いられることもあります(うつ病のなかでも、激越性や難治性のうつ病相を治療する場合です)。

治療域が狭いため副作用が起こりやすい

炭酸リチウムという薬は、治療に適した血中濃度の治療域が非常に狭い薬剤です。

そのため薬剤の添付文書にも、ひと月に1回程度、定期的な血中濃度を測定することが推奨されています。

投薬中の1日量は、維持期で最大が800mgです。

血中濃度の範囲は0.4〜1.0mEq/Lで、1.0mEq/Lを超えると飛躍的に副作用が出現する可能性が高くなります。

炭酸リチウムは患者さんによっては少量の投与量変更で大きく血中濃度が変化することもあるため、治療維持期には、血中濃度が0.8mEq/Lを超えないことを意識して処方量を調整するようにします。

リチウム中毒

炭酸リチウム最大(最悪)の副作用は、リチウム中毒です。

その初期は食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢といった消化器症状にはじまり、次いで運動障害、特に小脳性の運動失調と振戦が出現。

傾眠、混迷や不穏などの精神症状へと発展します。

最悪の場合、命を落としたり後遺症を残すこともあります。

このような状況に至る多くの場合は、炭酸リチウム濃度が高濃度になったときで、その2大原因は、「投与量自体が多いとき」と、「脱水を起こしたとき」です。

未然の予防としては、炭酸リチウムの血中濃度を定期的にモニタリングすることや、脱水を起こさせないよう普段から水分補給を意識するように指導することです。

炭酸リチウムの副作用

服用してから1週間から10日程は食欲不振や嘔気などの消化器症状がある。

リチウムが効くのはなぜか?

リーマスは炭酸リチウム、躁病の薬、抗躁薬、気分安定薬。
リチウム電池のリチウムです。
リチウムは、小魚、アサリ、小麦胚芽などにも多く含まれています。
なんで効くのか。不思議。

リチウムの作用機序

添付文書には、

まだ完全に解明されていない。リチウムは中枢神経系における、NA作動系、DA作動系、5HT作動系において、きわだった作用機序になるものはなく、多くの作用が複合的に関連して作用するものと推測されている。

と書かれている。

ジョン・ケイドさんが発見。

ケイドは、躁うつ病患者の尿には体内から躁うつ病の原因物質が含まれているのではないかと考え、使われていなかった厨房を実験室として、モルモットに患者の尿を打つ実験を始めた。ところが、途中で(誰の尿にも含まれているはずの)尿酸に効果があるのではないかと考えたケイドは、尿酸単体では水溶性に乏しいので、たまたま水に対する溶解性に優れたリチウム塩として、モルモットに与えてみる実験を行った。尿酸のリチウム塩に鎮静効果があることはすぐにわかったが、確認実験として別のリチウム塩を与えたところ、これも鎮静効果を示し、結局尿酸ではなく、リチウムイオンに鎮静効果があることが判明した。早速炭酸リチウムを少数の躁うつ病患者に投与してみたところ強力な効果を示し、その効果からケイドは躁うつ病はリチウムイオンの欠乏によって起こるのではないかと推測した。
リチウムの効果は劇的ではあったが、致死量と治療効果のある投薬量が近いために、初期は患者を死亡させることもあった。また、リチウム塩はごく一般的な化合物であるために特許化できず、製薬会社が商業化に積極的でないという問題もあった。これらの制約のためにリチウムの使用は広まらず、アメリカ合衆国においては1970年まで、使用が許可されていなかった。
致死量の問題に関しては、後にリチウムの血中濃度を計って、適合性試験を行なうことで改善された。 最終的にケイドの発見したリチウムは、広く認められることとなった。ジョン・ケイド – Wikipedia

尿酸が効くと思ったら、尿酸のリチウム塩が効いた。

ペニシリンにしても、画期的な薬ってのはそういうものです。

気分安定薬

リチウムや抗てんかん薬のバルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンには抗うつ作用や再発予防効果もあることが確認され、双極性障害の治療と寛解維持療法に利用されている。
バルプロ酸やカルバマゼピンはGABAに作用する一方、リチウムはイノシトールリン脂質の代謝回転を通じて細胞内情報伝達系を変化させることで効果を示すとされている。
その他、非定型抗精神病薬オランザピンやアリピプラゾール、クロナゼパムなどにも抗躁効果がある。

スポンサードリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
座右の銘:継続は力なり、失敗は成功の母
follow us in feedly

リンク

薬剤師に役立つリンク集
医薬品医療機器総合機構(新薬・公知申請)
添付文書(PMDA)(添付文書)
社会保険診療報酬支払基金(診療報酬関係通知)
Minds医療情報サービス(ガイドライン)
ミクスOnline(ニュース)

人気の記事

最新の記事

検索

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサードリンク