2019年2月16日更新.3,369記事.5,903,092文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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高山病にダイアモックス?

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高山病

山登り、アウトドアが嫌いな私にとっては縁のない病気ですが、山登りをして、頭痛や吐き気を起こす山酔い、高山病という病気があります。
高所では、低酸素刺激により過換気が生じ、CO2の排出量が増加し、血漿H+濃度が低下する(呼吸性アルカローシス)。
その結果、呼吸困難感などを覚えたり、脳や肺の血管が拡張して脳浮腫や肺水腫が発生する。

高山病は、高地に一気に到達した際、酸素の欠乏によって引き起こされる障害で、高地に到達後6~12時間で頭痛や睡眠障害、食欲不振、吐き気、呼吸困難などの症状が生じる。
「山酔い」とも呼ばれる。
1~2日で軽快する軽症の急性高山病から、「高所性肺水腫」「高所性脳浮腫」のように早急に治療する必要がある重症の病態まで含まれる。
高地は、気圧、酸素分圧、気温、湿度が低く、紫外線の曝露が多いといった環境にある。
登山中の肉体疲労などの身体状況が重なって、こうした環境に速やかに順応できない場合、高山病にかかりやすい。
高山病が発生する高度は通常、海抜2500m程度以上とされているが、高齢者や心肺機能に障害のある人では、より低い高度でも発症すると考えられている。

高地に到達すると、
①相対的な換気不足により低酸素血症が発生し、動脈血酸素分圧(PaO2)が低下する
②その代償として過換気状態となり、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)も低下する
③PaO2およびPaCO2の低下により肺高血圧が生じる
④肺血流量の増加が加わると肺水腫が発生
⑤PaO2の低下が脳血管を拡張させ脳浮腫を発生させる
といった順序で症状が進行する。

高山病の治療

高山病の救急措置としては、アスピリンなどによる対症療法、安静、保湿、酸素吸入、アセタゾラミド(ダイアモックス)500~750mgの内服、そして迅速な下山が基本となる。
アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素の抑制により、腎尿細管におけるNa⁺、HCO3⁻の再吸収を抑制し利尿反応を引き起こし浮腫を改善する。
一方、増加したH⁺により代謝性アシドーシスが起き、呼吸中枢が刺激され、換気量が増大し低酸素・炭酸ガス換気応答が改善される。
また、中枢神経組織内の炭酸脱水酵素の抑制が脳内CO2濃度を増加させて、その反射反応により血中O2濃度を高め、換気を促進する。
アセタゾラミドは、高山病の予防薬としての効果も確立されており、海外の登山遠征の常備薬の一つとされている。

アセタゾラミド以外にも、ニフェジピン(アダラート)10mgの投与が低酸素性肺血管収縮を抑制し、肺浮腫を改善させるとする報告や、デキサメタゾン(レナデックス)8~16mgが脳血液関門の防御・修復により脳血管透過性亢進を抑制し、脳浮腫を改善させるとする報告もあるが、現在、一定の見解は得られていない。

アセタゾラミドと高山病

アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素作用により肺胞中のHCO3-の尿中排泄を増加させるとともに、代謝性アシドーシスを起こしてH+を増加させる。
増加したH+により呼吸中枢が刺激され換気量が増大し、低酸素・炭酸ガス換気応答が改善する。

また、この換気量の増大により血中O2が増えCO2は減少し、呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素血症が改善する。
さらに、換気応答の改善により睡眠中の呼吸感受性が維持され無呼吸の回数が減少する。
H+は脳血管拡張を起こす最も強力なイオンであるので、脳血流を増加させ、脳の酸素不足を改善すると考えられている。

服用方法は、アセタゾラミド250㎎を、高地に行く12~24時間前から服用し始め、登山中も8~12時間ごとに服用を継続するのが一般的である。
ただし、その利尿作用から脱水傾向のある人や、スルホンアミド系薬剤にアレルギーのある人は禁忌である。
副作用として、知覚異常や頻尿・多尿などが報告されているが、いずれも服用を中止すれば回復する。

アセタゾラミドの副作用

アセタゾラミドの副作用として、電解質バランスの崩れにより、口唇や手足がしびれることがあるので注意する。
症状は次第に改善することが多い。

食べる酸素?

富士山が世界遺産に登録されたため、富士登山をする人が増え、それに伴い高山病に陥る人も増えているという特集をテレビで見た。
そのときに、食べる酸素なるものを高山病患者に与えていたのだが、これは何なのだろう。

ダイアモックス?
とか、思いましたが、違うようで、ミネラル主体のサプリメントのようだ。

•食べる酸素、飲む酸素、酸素水の製品一個あたり、最大でも1回の呼吸分程度の酸素しか含まれていない
•バナジウムやゲルマニウムを含む製品は、健康リスクを伴う場合があるので、要注意
•胃腸で酸素を100%吸収することは出来ない
•消化器官から酸素を取り込んでも、全身に行き渡らない食べる酸素、酸素水は高山病対策に効果あるか?【富士さんぽ】

やっぱり胡散臭いですね。
これを飲めば大丈夫、みたいに思って、高山病になりかけてるのに無理に昇ろうとするのは止めたほうがいい。

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