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魚を食べると長生きする?
公開. 投稿者:血液/貧血/白血病.この記事は約2分58秒で読めます.
1,473 ビュー. カテゴリ:魚を食べると長生きする?
「肉よりも魚のほうが体にいいですか?」と聞かれて困る私です。
肉より魚のほうが体にいいとよく言われます。
その理由として、DHAやEPAが多く含まれるから、というのをよく聞きます。
DHAやEPAは不飽和脂肪酸といって、不飽和の炭素結合をもつ脂肪酸のことです。不飽和の炭素結合とは二重結合や三重結合のことです。
リノール酸やリノレン酸もよく聞きますが、不飽和脂肪酸です。
魚に多く含まれる不飽和脂肪酸が、肉に多く含まれる飽和脂肪酸よりもなぜいいのか?というと、まず融点が低いということです。
寒い水の中で暮らしている魚の油は、低い温度でも固まらないように融点が低い。それに比べて陸上で暮らす動物の油は融点が高い。
不飽和脂肪酸は固まりにくい油といえます。
イヌイットとEPA
イヌイットとは、カナダとかグリーンランドの北の北極圏に住んでいる、犬ぞりに乗って氷の上を移動して、アザラシの猟をしたり、魚を取ったりしている少数民族のことです。
そのイヌイットの人たちには、心臓病や動脈硬化が少ないという。
その理由が食事。
イヌイットは魚が主食で、それ以外では鯨やアザラシの肉をよく食べます。
しかもイヌイットは生野菜を食べません。北極圏では寒すぎて野菜も育たないので。
なんでそんな食生活で健康を維持できるのか。
その理由がEPA。
イヌイットの人たちの血中には不飽和脂肪酸であるEPAが高濃度に存在します。
これが、EPA(エパデール)が体に良いと言われる理由です。
EPAやDHAには、血液をサラサラにする効果があります。
それは、出血をしやすくなるという副作用にもつながります。その点は注意が必要です。
DHAで頭が良くなる?
DHAはドコサヘキサエン酸の略称で、不飽和脂肪酸のひとつです。
魚油に多く含まれ、摂取することで「健康になる」または「頭がよくなる」としてサプリメントや菓子などに添加されています。
平成7年9月の日本脂質栄養学会で、高校生等を対象にした調査により確認された結果、「一般の高校生にDHAを補給しても学力の向上は見られなかった」と発表されています。
不飽和脂肪酸が統合失調症に効く?
最近、脳のリン脂質の異常が統合失調症の原因の一つであるとの仮説が注目されている。
不飽和脂肪酸の摂取量が少ない患者ほど陽性症状が重症であることや、治療抵抗性の患者にEPAを投与すると、プラセボに比べて症状スコアが改善するなどの報告がある。
ω3系多価不飽和脂肪酸であるEPAは、ドコサヘキサエン酸(DHA)とともに細胞のリン脂質細胞膜形成に不可欠な成分である。
EPA(エパデール)が統合失調症患者に処方されてたら、思い出そう。
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