更新日:2016年11月23日.全記事数:3,190件.

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妊婦はビタミンAを飲んじゃダメ?


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ビタミンAの催奇形性

妊娠中のビタミンAの多量服用が奇形の発現率を高めることが分かっています。

大量投与による動物実験で催奇形性が報告されており、ヒトにおいても妊娠初期の過剰摂取により頭蓋などの先天奇形の報告がありますので、妊婦がビタミンAを接種するときは、過剰摂取にならないよう注意しなければなりません。

どの程度の量からかは必ずしもはっきりしませんが、1995年に1日10,000単位以上とする報告がされ論議をよびました。高めの報告としては、1日40,000単位以上とする研究もあります。食べ物のなかにもビタミンAがたくさん含まれるものがあります。とくに、レバーは一食分でも10000単位を超えてしまうものです。妊婦初期の3ヶ月間くらい、レバーだけは控えめにしたほうがよいでしょう。

WHOは、妊娠可能な女性のサプリメントによるビタミンA摂取量は1日10000IU、1週間25000IUを超えないこととしています。
日本では、妊婦のビタミンAの所要量は1日2000IU、許容上限摂取量は1日5000IUとなっています。

逆にビタミンAの不足も赤ちゃんによくないと考えられています。ビタミンA(またはカロチン)をたくさん含む食品には、レバー、うなぎ、卵、牛乳、バター、マーガリン、黄緑野菜(人参、かぼちゃ、パセリ)、果物などがあります。

なお、黄色野菜や果物に含まれるカロチンは、必要な量だけビタミンAに変換されますので、とりすぎの心配はありません。栄養は、いろいろな食べ物からバランスよくとることが大切です。

ビタミンA過剰症

ビタミンAは過剰摂取により健康被害を引き起こす恐れがあります。
過剰摂取による症状は,急性では頭痛,めまい,脳脊髄液圧の上昇,また,慢性では頭蓋内圧亢進,皮膚の落屑,脱毛,筋肉痛などです。

妊婦が妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると,胎児に奇形(頭蓋および顔面異常や中枢神経系の異常)を起こす可能性が高くなります。
これらの過剰症の多くは,レチノイン酸によるものと考えられています。

ビタミンAの過剰摂取による健康障害が起こる可能性がある最少量は, 成人では13,500μgRE/日,幼児では6,000μgRE/日とされています。
また,妊婦の健康障害や胎児奇形を起こすことのない最大限の量は4,500μgRE/ 日と報告されています。

ビタミンAの過剰症リスクは,特定の1日の摂取量より,むしろ蓄積量に関連します。
つまり摂取したビタミンAは肝臓で貯蔵されるため, 習慣的に過剰量を摂取しない限り過剰症を心配する必要はありません。

過剰症が起こりやすい状況は,通常の食事に加えてサプリメントを継続摂取した条件と言えます。
妊婦がレバーを1回摂取すると耐容上限量を超えてしまうことがあり,胎児への影響を心配される人がいます。
しかし,毎日レバーを継続して食べない限りそのような心配はありません。

ビタミンAの特徴

胎児奇形あり、妊娠初期は5000IU/日未満に制限。
ビタミンA欠乏による夜盲症、角化性皮膚疾患に適応。
抗酸化作用の有用性は未証明。
1IU=0.3μgRE
肝、卵、乳、緑黄色野菜。

妊婦はチョコラを飲んじゃダメ?

チョコラA錠は1錠に1万IUのビタミンAを含有している。
同剤は、「妊娠3ヶ月以内または妊娠を希望する婦人へのビタミンA5000IU/日以上の投与(ビタミンA欠乏症の婦人は除く)」が禁忌となっている。
これは、妊娠前3ヶ月から妊娠後3ヶ月までにビタミンAを1日1万IU以上摂取した女性から出産した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現が増加したという海外の疫学調査報告が根拠になっている。
チョコラAで「1日5000IU」が基準になっているのは、食品などからの摂取量を考慮したためである。
なお、ビタミンA欠乏による催奇形も指摘されているので、服薬指導時には、過剰摂取の注意を強調し過ぎることがないように配慮しなければならない。
また、妊娠中かどうかにかかわらず、ビタミン類のうちAやDといった脂溶性ビタミンは、過剰摂取することで体内に蓄積され中毒等を起こすことがあるため、摂取量に注意が必要である。

医療用のチョコラはビタミンA単独の製剤ですが、OTC薬ではチョコラBB、チョコラCCホワイトなど、ほかの種類のビタミン製剤も販売されています。
ご注意を。

妊婦の貧血予防にレバーはダメ?

貧血予防に鉄分の多く含まれた食物を摂ります。
鉄分の多く含まれた食品でイメージするのが、ほうれん草とレバー。

しかし、妊婦がレバーを摂るのは注意したほうがいい。

レバーとビタミンA

ビタミンAはレバーややつめうなぎなどに多く含まれるビタミンで、妊娠初期の過剰摂取による先天奇形の報告があります。
したがって、「貧血予防のため」といって毎日レバーを食べるようなことは避けたほうがよいでしょう。

またサプリメントなどを摂取する場合も、食品中のビタミンAとの総摂取量に注意する必要があります。
日本では、妊婦のビタミンAの所要量は1日2000IU、許容上限摂取量は1日5000IUとなっています。

βカロテンは有害?

β-カロテンはビタミンAの供給源になるとともに抗酸化作用を有し、ビタミンAのような過剰症を起こさないことから、がんや循環器疾患の疾病予防効果で注目されています。
そして、β-カロテンをサプリメントとして摂取させた複数の大規模なヒト試験が実施されました。

しかし、その結果は当初の予想に反し、サプリメントとしてのβ-カロテンを摂取(30mg 程度) すると、がん(特に肺がん)の予防に無効であるか、あるいは有害になる場合があるという内容でした。
この結果は、通常の食材として摂取しているβ-カロテンなどの有益性を否定するものではありません。
ちなみにβ-カロテンを通常の食材から摂取しても、その血液中濃度は0.3μM程度ですが、サプリメントから摂取した条件では数μMになります。

これらのことから,過剰症がないと言われている成分であっても,サプリメントから摂取すると,通常の食材では考えられないような望まない影響が発現する可能性があると言えるでしょう。

βカロテンとビタミンAの違いは?

自然界に500種類以上が知られている橙色や黄色の色素をカロテノイドと呼び、その代表がニンジンなどに含まれるβ-カロテンです。
ニンジン、かぼちゃ、ほうれん草など色の濃い野菜、緑黄色野菜に多く含まれます。
食物から摂取しているカロテノイドの90%はβ-カロテンなので、プロビタミンA(生体内でビタミンAに変換するもの)といえば実際上はβ-カロテンをさします。

生体内に入ると、β-カロテンは必要に応じてビタミンAに変換されます。
β-カロテンは中央部が開裂して2分子のレチノール(ビタミンA1)を生成しますが、この反応は効率が低く50%程度です。
さらにその他の要因を考慮して、β-カロテンのプロビタミンA活性は、レチノールの約1/12程度ということになります。
従ってβカロテンは皮膚が黄色くなること以外の過剰症を起こさないといわれています。

参考書籍:調剤と情報2014.4

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