更新日:2016年10月6日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

多汗症にはプロ・バンサインが効く?


スポンサードリンク

アルミニウムと多汗症

ワキの臭い対策に、ミョウバンが使われることがある。ミョウバンは硫酸アルミニウムカリウム。アルミニウムが効くようだ。
8×4などの制汗デオドラントには必ずアルミニウムが入っている。

日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版」では、多汗症を発汗量が全身で増える全身性多汗症と、体の一部で増加する局所性多汗症に分類している。
また、特に原因のない原発性(特発性)と、他の疾患に合併して起きる続発性がある。
温熱や精神的負担の有無にかかわらず、頭部・顔面、手掌、足底、腋窩に日常生活に支障を来すほどの大量の発汗を生じる状態を、原発性局所多汗症と定義している。

ガイドラインでは、発症部位によらず塩化アルミニウム外用療法を第一選択の治療法として推奨している。
手掌多汗症には、軽症であれば単純外用、中等症や重症であれば密封療法(occlusive dressing technique: ODT) が望ましいとされる。
保険適応のある外用薬はな< 、塩化アルミニウム六水和物を無水アルコールに溶解し20 ~30 % に希釈したものがよく用いられる。 通常は1日1回発汗部分に外用して就寝し、ODTの場合は翌朝、水で洗い流す。 効果発現まで2~3週間掛かるとされる。 効果発現のメカニズムとして報告されているのは、皮膚に存在するムコ多糖類と金属イオンが合成した沈殿物 が、汗腺に障害を与え閉塞させることで発汗量が減るというもの。 また、汗の分泌細胞自体は障害を受けないが、汗を出す管がダメージを受け続けることにより分泌機能を失うとされているため、継続した外用が望ましい。 主な副作用として、刺激性皮膚炎があるが、外用の休止や保湿剤・ステロイドの外用で対応可能である。

多汗症と抗コリン薬

多汗症には、内服薬を用いた治療法も存在する。
多汗症に適応のある内服薬としては、漢方薬以外では抗コリン薬のプロ・バンサインのみである。

発汗の原因となる交感神経を抑制するために、抗コリン薬が使用されやすく、実際、局所多汗症に対する内服療法の中で報告数が圧倒的に多い。
汗腺は他の部位と異なり、交感神経のみで支配されている。
一般に、交感神経の伝達物質はノルアドレナリンだが、汗腺を支配する交感神経は例外的にアセチルコリンである。
我が国で唯一、多汗症に保険適応を持つ抗コリン薬はプロパンテリン臭化物(プロ・バンサイン) で、1回1錠を1日3 、4回服用する。そのほかにも、ロートエキスやアトロピン硫酸塩水和物などが使われる。

ロートエキスは、主成分であるl-ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンが体内の各部位に分布するムスカリン様受容体において、アセチルコリンと競合的に拮抗する。
効果は服用後30分から1時間ほどで表れるとされることから、緊張や不安で汗を多くかきそうな状況の前に服用することで、過剰な発汗を抑えることが期待できる。
副作用としては、抗コリン作用による口渇、便秘、排尿障害などが挙げられるが、頓服では問題になるケースは
多くない。
ただ抗コリン薬のため、緑内障、前立腺肥大による排尿障害、重篤な心疾患、麻痺性イレウスのある患者には禁忌となっている。

参考書籍:日経DI2016.6

スポンサードリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:「三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう」
follow us in feedly

人気の記事

最新の記事

ランダム記事

資料

検索

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサードリンク