更新日:2016年12月10日.全記事数:3,117件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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服薬情報等提供料はいつ算定するか?


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服薬情報等提供料

「残薬確認で服薬情報等提供料を算定する場合、いつ算定すればいいですか?」と聞かれて困る私です。

服薬情報等提供料」という、おおざっぱに言うと薬剤師が医師に患者の情報を伝えた場合に算定できる点数があります。
以前は「服薬情報提供料」という名称でしたが、2012年4月から「服薬情報(等)提供料」と変更になりました。

具体的にどういうことをすれば点数が算定できるのか、「調剤報酬点数表」から見てみると、

患者、その家族等若しくは保険医療機関の求めがあった場合又は薬剤師がその必要性を認めた場合において、患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、患者、その家族等又は保険医療機関へ必要な情報提供、指導等を行った場合に、所定点数を算定する。なお、保険医療機関への情報提供については、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

これだけではさっぱりわかりません。

「調剤報酬点数表に関する事項」を読むと、

1.服薬情報等提供料は、保険薬局において調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、患者若しくはその家族等又は保険医療機関に当該情報を提供することにより、医師の処方設計及び患者の服薬の継続又は中断の判断の参考とする等、保険医療機関と保険薬局の連携の下で医薬品の適正使用を推進することを目的とするものである。

2.服薬情報等提供料は、以下の場合に算定できる。
◦ア 処方せん発行保険医療機関から次の(イ)若しくは(ロ)に掲げる情報提供の求めがあった場合、又は保険薬局の薬剤師が薬剤服用歴に基づき患者の服薬に関する次の(イ)、(ロ)若しくは(ハ)、に掲げる情報提供の必要性を認めた場合にその理由とともに、患者の同意を得て、現に患者が受診している保険医療機関に対して、当該患者の服薬状況等について書面又は電子的な方法(以下「文書等」という。)により提供したときに算定できる。
◾(イ)当該患者の服用薬及び服薬状況
◾(ロ)当該患者に対する服薬指導の要点、患者の状態等
◾(ハ)当該患者が容易に又は継続的に服用できるための技術工夫等の調剤情報

◦イ 患者又はその家族等の求めがあった場合、患者の同意を得て、次に掲げる情報等について、患者又はその家族等に対して速やかに提供等し、当該患者の次回の処方せん受付時に提供した情報に関する患者の状態等の確認及び必要な指導を行った場合に算定できる。
◾(イ)緊急安全性情報、安全性速報や医薬品・医療機器等安全性情報など、処方せん受付時に提供した薬剤情報以外の情報で患者の服薬期間中に新たに知り得た情報
◾(ロ)患者の服薬期間中に服薬状況の確認及び必要な指導

3.ここでいう「服薬状況」とは、患者が薬剤の用法及び用量に従って服薬しているか否かに関する状況のほか服薬期間中の体調の変化等の患者の訴えに関する情報を含む。患者に自覚症状がある場合には、当該自覚症状が薬剤の副作用によるものか否かに関する分析結果も含めて情報提供することとし、また、患者に対する服薬指導は、当該分析結果を踏まえたものとする。なお、患者の自覚症状の分析に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とすることが望ましい。

4.2のアについては、以下の場合も含まれる。
◦ア 保険薬局において患者の服用薬の残薬を確認し、処方せんを発行した保険医療機関に対して情報提供を行った場合
◦イ 「区分番号00」の調剤基本料の「注8」に掲げる分割調剤において、2回目以降の調剤時に患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医に対して情報提供を行った場合
◦ウ 保険医療機関からの求めに応じ、入院前の患者の服用薬について確認し、依頼元の医療機関に情報提供した場合

5.2のアの(ハ)については、処方せんの記入上の疑義照会等では算定できない。

6.患者1人につき同一月に2回以上服薬情報等の提供を行った場合においても、月1回のみの算定とする。ただし、2以上の保険医療機関又は診療科に対して服薬情報等の提供を行った場合は、当該保険医療機関又は診療科ごとに月1回に限り算定できる。

7.保険医療機関への情報提供に当たっては、別紙様式1又はこれに準ずる様式の文書等に必要事項を記載し、患者が現に診療を受けている保険医療機関に交付し、当該文書等の写しを薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により保存しておく。

8.2のイについて、患者の服薬期間中に新たに情報提供した事項、服薬期間中及び処方せん受付時に確認した患者の服薬状況等及び指導等については、情報提供の都度、薬剤服用歴の記録に記載する。

9.服薬情報等提供料は、「区分番号13の2」のかかりつけ薬剤師指導料、「区分番号13の3」かかりつけ薬剤師包括管理料又は「区分番号15」の在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については算定できない。

10.電子的方法によって、個々の患者の服薬に関する情報等を保険医療機関に提供する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(平成25年10月)を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI:Healthcare Public Key Infrastructure)による電子署名を施すこと。

盛りだくさんで読む気になれない。
服薬情報等提供料の歴史をみると、少しはわかるかも。

服薬情報等提供料は以前あった、「服薬情報提供料」「調剤情報提供料」「長期投薬情報提供料1」「長期投薬情報提供料2」が全てまとめられた点数です。
服薬情報提供料は、服薬情報等、薬剤の適正使用に必要な情報を医療機関に情報提供した際に算定できる点数。
調剤情報提供料は、処方された薬剤の調剤上の問題について医療機関に情報提供した際に算定できる点数。
長期投薬情報提供料1は、服薬期間中、薬剤の重要な情報が発生した場合に患者に情報提供した際に算定できる点数。
長期投薬情報提供料2は、服薬期間中、患者からの質問に対して回答した際に算定できる点数。

2のアに書かれているような医療機関への情報提供だけでなく、2のイに書かれているような患者に対する情報提供でも算定は可能である。

患者への情報提供で服薬情報等提供料を算定できるか?

今までの「長期投薬情報提供料」に当たる部分での服薬情報等提供料の算定は難しいと思われる。
今までも「長期投薬情報提供料」の算定率は低く、だからこそマルメられてしまっている事情がある。
「緊急安全性情報などが出た際に、連絡してもいいか?」と聞けば、患者からは「お金を払わないと教えてくれないものなのか?」と、一悶着あるだろう。

服薬情報等提供料算定の具体例

広く解釈すれば、もっと算定できる可能性を秘めていそうな点数ではありますが、出る杭は打たれる、あまり目立ったことをして指導の対象にはなりたくないという、ことなかれ薬剤師的な発想の私には以下のようなケースでしか算定する気にはなれない。

1.処方せんの「保険医療機関へ情報提供」にチェックが入っていた場合の残薬調整に関する医療機関への情報提供時
2.分割調剤の2回目以降での医療機関への情報提供時

服薬情報等提供料算定はいつ算定するか?

患者への情報提供については、処方せん受付日以外の日になると思われるが、H28保険調剤Q&Aには、

服薬情報等提供料のうち、患者やその家族などの求めに応じて実施する情報提供について、服薬期間中にの指導の際に患者から一部負担金を徴収するのではなく、一部負担金の徴収は次回の処方箋受付時に行う。

と書かれており、次回の処方箋受付時に算定することとなる。

では、残薬調整などの医療機関への情報提供についてはどうか?

おそらく、医療機関への情報提供は、投薬、会計後にFAXで送る、という流れになるかと思われる。
そのため、残薬調整をしたときに算定するのではなく、次回に算定するという流れが適当であろう。
しかし、次回算定するという情報を薬歴に残しておいても、次回の投薬者がそれを見逃し、算定忘れという事態も考えられる。
ならば、簡易的な書式を作って、その場で記載し、医療機関にFAXで送り、投薬時の会計で服薬情報等提供料を算定してしまうという方法もアリかと思う。

情報提供には様式1を使わなきゃダメ?

保険医療機関への情報提供に当たっては、別紙様式1又はこれに準ずる様式の文書等に必要事項を記載し、患者が現に診療を受けている保険医療機関に交付し、当該文書等の写しを薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により保存しておく。

この様式を使って情報提供をしている薬局はどのくらいいるのだろうか。

どこまでが、「準ずる様式」になるのかわかりませんが、医療機関との合意の上で作られた様式であれば、良いのではないかという個人的見解。

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