更新日:2016年4月9日.全記事数:3,095件

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妊娠中毒症と妊娠高血圧症候群の違いは?


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妊娠中毒症と妊娠高血圧症候群の違いは?

以前は「妊娠中毒症」と呼ばれてましたが、2005年に日本産科婦人科学会により「妊娠高血圧症候群」と名称変更がなされました。

改名の大きな理由としては、病態が明らかにされてきたことがあり、「中毒症」という「原因毒」が存在するわけではないということが大きいとされています。

妊娠高血圧症の定義は?

妊娠中毒症の定義
「高血圧、蛋白尿、浮腫の1つまたは2つ以上の症状がみられ、これらの症状が偶発合併症でないもので、妊娠20週以降から産褥6週以内に正常化したもの」

妊娠高血圧症候群の定義
「妊娠20週以降、分娩12週までに高血圧がみられる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないもの」

浮腫は無くなりましたね。

以前は、高血圧・蛋白尿・浮腫のいずれの症状も同列に扱っていました。

現在は、妊娠中毒症の主徴は高血圧であると考えられています。

妊娠高血圧で減塩しちゃダメ?

妊娠中の血圧は、正常妊娠であっても妊娠週数によって変動する。
通常、血圧は妊娠初期に低下し始め、その後妊娠20~32週にかけて妊娠前の血圧に戻り、32週以降は上昇する。
一方、妊娠前は高血圧ではなかったのに妊娠20週頃から血圧が上昇し、収縮期で140mmHg以上となった場合に、妊娠高血圧症候群と診断される。

妊娠高血圧症候群の重症度は、血圧値と尿蛋白量により診断する。
収縮期血圧が140~159mmHgもしくは拡張期血圧が90~109mmHgで、尿蛋白量が1日300mg以上2g未満の場合は「軽症」と診断し、薬物療法は行わなくてもよい。
だが、収縮期160mmHg以上もしくは拡張期110mmHg以上の場合は、尿蛋白量によらず「重症」となり、母体臓器障害を防ぐために降圧治療が開始される。
ちなみに、通常の高血圧に対しては生活指導として減塩が指示されるが、妊婦が過度の減塩を行うと胎盤血流量の低下を引き起こしうるので、妊娠高血圧症候群では基本的に減塩は勧めない。

妊娠高血圧症候群に使える薬としては、妊娠週数によらず使用可能な薬としては、中枢性交感神経抑制薬のメチルドパ(アルドメット)、血管拡張薬のヒドララジン塩酸塩(アプレゾリン)、αβ遮断薬のラベタロール塩酸塩(トランデート)がある。妊娠20週以降ではニフェジピンも使用可能であr。
病態上、推奨薬以外の降圧薬を用いなければならないケースもあり得るが、利尿薬は胎盤血流量を低下させるため肺気腫や心不全などがない限り使用しない。
また、ACE阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)などのレニン・アンジオテンシン系阻害薬は、妊娠中の服用で胎児腎の形成不全や羊水過少症などを生じるとの報告があり、禁忌であることに留意したい。

妊娠中毒症の原因は塩分の摂りすぎ?

妊娠中毒症、今は妊娠高血圧症候群と呼ばれています。
妊娠中に何らかの毒ができ、その毒によって病気が発生すると考えられたため中毒症と名付けられていました。

妊娠中毒症の原因はわかっていません。

「太りすぎ」「塩分の摂りすぎ」が原因のように言われることもありますが、これは結果として起きた高血圧に対する対症療法でしかありません。

妊娠中毒症でも無い妊婦が、過剰に太りすぎを意識しても、赤ちゃんに必要な栄養を摂取できなくなります。

塩分制限はある程度必要ですが、カリウムの摂取や、たんぱく質の摂取も必要なので、食事はバランスが重要です。

参考:日経DI2015.1

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