更新日:2016年2月24日.全記事数:3,096件.今日の勉強

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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静脈瘤にアンチスタックスを使っちゃダメ?


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アンチスタックスの作用機序

アンチスタックスは効果と安全性が確認されている国内初の西洋ハーブ医薬品です。
血小板凝集抑制作用を持ち毛細血管の血流改善効果、また抗炎症作用を介した血管内皮の細胞間隙のシーリング作用を持つ、医療用医薬品にはない治療薬です。
下肢静脈瘤の予防としては、これまで、弾性ストッキングの使用、利尿薬の処方ぐらいしか有効かつ簡便な治療法がありませんでしたが、アンチスタックスがこれに加わりました。

アンチスタックスは、血管を強化し、血流を促進し、足のむくみの原因に直接働きかけることで、むくみをはじめとする軽度の静脈還流障害による初期症状を改善し、足を健康な状態に近づけていきます。

1.シーリング作用
健康な静脈の毛細血管の内皮細胞は、細胞間がきちんと閉じ、結合された状態ですが、血流が滞り炎症が起きると、細胞間の接合部が広く開き、血液中の血漿成分(水分)が流出してしまいます。アンチスタックスは、シーリング作用により細胞間の接合部を密着させ、健康な状態に近づけていきます。

2.血流の改善
血小板凝集抑制作用を有することから、滞りがちだった血流のめぐりに働きかけると考えられます。

3.むくみの抑制
炎症によるむくみの軽減作用を有することから、下肢(足)のむくみが抑制されると考えられます。

足のむくみに赤ブドウ?

アンチスタックスというダイレクトOTC。
赤ブドウ葉乾燥エキス混合物という成分。

効能・効果は、軽度の静脈還流障害による、足(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ、重さ、疲れ、つっぱり感、痛みの改善。

赤ブドウ葉エキスは赤ワインの100~300倍のポリフェノールを含むという。

医薬品?なんか健康食品でも良さそうな。

足のむくみと下肢静脈瘤

夕方になると足がパンパンになって靴が入らなくなる、靴下の跡がくっきり残るなど足のむくみ症状は多くの女性が経験していると思います。
下肢のむくみは、長時間の立ち仕事やデスクワーク、運動不足などによる筋力低下、加齢による活動性の低下、肥満、妊娠・出産などの複合的な要因によって起こります。

また、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症などの下肢静脈疾患が原因となる場合や、心臓、腎臓、肝臓などの器質的疾患、血管・リンパ系の循環器障害などによって二次的にむくみが生じることもあります。

むくみ(浮腫)は、皮下組織に余分な間質液が滞った状態をいいます。
間質液とは、毛細血管から組織の中に漏出した水分(血漿成分)のことで、組織細胞に酸素や栄養を供給し、二酸化炭素や老廃物を受け取る役割を果たしています。
間質液は毛細血管に再吸収されるのですが、病的な要因により過剰な水分量が漏出したり、再吸収しきれないと皮下組織に鬱滞し、むくみが起こります。

むくみというと、「リンパの流れが悪い」といったイメージを持つ人が多いようですが、リンパ管に再吸収されるのは、間質液全体の10~20%にすぎません。
そのほとんどは、毛細血管を介して漏出、再吸収されています。

皮下組織で間質液が滞る主な原因に静脈還流障害があります。
静脈還流障害とは、下肢静脈に血液が滞っている状態をいいます。
下肢では、ふくらはぎの筋肉の収縮と弛緩による筋ポンプ作用によって静脈を圧迫し、重力に逆らって血液を心臓に戻しています。
加齢や運動不足などによって筋ポンプ作用の機能低下が生じると血液が下肢に停滞しやすくなります。

下肢静脈の還流が慢性的に滞ると静脈高血圧を来し、血管内皮の炎症を惹起します。
炎症により内皮細胞の接合面が広く開いてしまい多くの水分が漏出する。
これが下肢のむくみを引き起こすメカニズムです。

また下肢の静脈には、逆流を防ぐ静脈弁があります。
静脈高血圧により血管が拡張することで静脈弁は機能不全を来し、血液が逆流して停滞するとむくみ症状は悪化します。
静脈血の増加によりさらに血管が拡張するために、血管内皮、静脈弁の慢性的な炎症が進行するといった悪循環に陥ることになります。
このような状態が続くと、下肢の血管が皮下に浮き出てくる下肢静脈瘤の発症につながります。

さらに病態が進むと色素沈着などがみられる静脈鬱滞性皮膚炎に、その後、重篤な静脈鬱滞潰瘍へと進展していきます。
下肢のむくみは、これらの疾患の初期症状なのです。

下肢静脈瘤にアンチスタックスはNGだ、みたいな話を聞いたのですが、どうなんだろう。
下肢静脈瘤こそアンチスタックスの適応のような気がしますが。

アンチスタックスの服用してはいけない患者に、

(5) 足に激しい痛み、出血、色素沈着、びらんのある人。また足の皮膚が褐色調に変化したり、硬くなった人。
 (血栓ができている場合や、症状が重症化している場合がありますので、医療機関を受診してください。)

とあるので、変色しているような人には売れないかな。

参考書籍:日経DI2013.7

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