更新日:2016年5月30日.全記事数:3,136件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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かかりつけ薬局にならなければ調剤基本料半減?


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かかりつけ薬局

ついに出ました2016年度診療報酬改定案。
ため息が満月を貫きます。

注目すべき事項は、「調剤基本料」「かかりつけ薬剤師指導料」「薬剤服用歴管理指導料」「重複投薬・相互作用防止加算」「処方せん様式の変更」「一包化加算」「後発医薬品調剤体制加算」などなど色々ありそうですが、まず大きく影響しそうな調剤基本料から確認していく。

「かかりつけ薬剤師」の有無で点数に大差|医療維新 – m3.comの医療コラム

チラ見したときに「!」となったのが、
「「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」「重複投薬・相互作用防止等加算」「在宅患者訪問薬剤管理指導」等を、1年間一定数算定していない薬局については、2017年4月1日から、調剤基本料を100分の50とする(処方せん受付枚数が月600回以下の薬局を除く)。」
という文章。

めんどくさそーな「かかりつけ薬剤師」や「在宅」をやらなければ調剤基本料が半減されてしまうのか?と思いきや「重複投薬・相互作用防止等加算」も含まれていました。
それなら簡単・・・って算定したこと無かった。。。ココ注意です。

処方せん様式の変更による残薬のチェック項目追加など、厚生労働省は薬剤師による残薬確認を徹底指導するよう求めています。
残薬整理でも重複投薬・相互作用防止等加算は算定できるので、積極的に行うよう心がけたい。
それこそが「かかりつけ薬局」の第一歩になるのだろう。

1年間に10回

「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(平成28年3月4日保医発0304第2号)」で、「かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務」に関する細かい点がわかりました。

2 「かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務」を実施していない保険薬局は、前年3月1日から当年2月末日までに1に掲げる業務の算定が合計10回未満の保険薬局が該当し、当該保険薬局は、当年4月1日より翌年3月末日まで区分番号00の調剤基本料の注3で定める点数で算定する。
なお、前年3月2日以降に新規に保険薬局に指定された薬局は、翌々年3月31日まで「かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を実施していない保険薬局」とはみなさない。

3 本規定の取扱いは、経過措置期間を1年間としており、平成29年4月1日より、平成28年3月1日から平成29年2月末日までの算定回数に基づき判定する。なお、平成28年3月1日から3月末日までにおいては、改定前の区分番号に相当する内容の算定回数で計算する。

4 かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を実施していない薬局に該当した保険薬局は、2で定める当年4月1日から翌年3月末日までの期間中であっても、1に掲げる業務を10回算定した場合には、算定回数を満たした翌月よりかかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を実施していない保険薬局とはみなさない。

一定数というのが不明でしたが、1年間に10回とのこと。
1年間というのは、「前年3月1日から当年2月末日まで」という点も注意です。
1月ごろになってから気にしはじめても、残りは3か月ではなく2か月。2月末に9回ではアウトです。

しかし、3月になってから猛スピードで巻き返し、1か月で10回のかかりつけ薬局業務を行えば、「算定回数を満たした翌月よりかかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を実施していない保険薬局とはみなさない」とのことなので、4月から半減のペナルティは回避できる。

かかりつけ薬剤師

「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」というのが新設されました。

「私はかかりつけ薬剤師です」と胸を張るだけでは算定できないので要注意。
患者さんから「あなたが私のかかりつけ薬剤師です」と認められるだけでも算定できません。

「かかりつけ薬剤師指導料」は施設基準なので、届け出が必要です。
施設基準は、(1)保険薬剤師として3年以上の薬局経験勤務当該薬局に週32時間以上勤務、施設基準の届出時点で当該薬局に6カ月以上在籍、(2)薬剤師認定制度認証機構の研修認定等を取得(適用は2017年4月1日から)、(3)医療に係る地域活動に参画――の全てを満たす保険薬剤師を配置していること。

⑴は鼻くそほじって過ごしても、そのうち満たします。
⑵は「適用は2017年4月1日から」ということなので、今後、研修ブームが来ます。認定薬剤師制度には様々なものがありますが、日本薬剤師研修センターのものが一番有名でしょう。
私は最近サボっていたので、また新規から取り直す必要があります。目指せ、1年で40単位。こりゃネット研修受講しなきゃ無理。
⑶はどういうことをすれば良いのか不明。届出様式に何を書かされるのか、待つ必要あり。

今後薬局の求人で「薬剤師認定制度認証機構の研修認定等を取得していること」という条件が出てくるかも知れず、そうでなくても、単なる自己満足であった認定薬剤師制度に付加価値が加わったということで、取得を目指す人が増えてくるだろう。

現段階で、なんとなく、施設基準の届け出だけは出来そうな予感。

かかりつけ薬剤師指導料

で、実際「かかりつけ薬剤師指導料」70点を算定するにはどうすればよいのかというと、

「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件
1.患者が選択した保険薬剤師が患者の合意を得た上で、同意を得た後の次の来局時以降に算定。
2.同意については、当該患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し、その旨を薬剤服用歴に記載。
3.患者1人に対して、1人の保健薬剤師のみがかかりつけ薬剤師指導料を算定できる。かかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が指導等を行った場合は当該指導料を算定できない。
4.手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称を記載。
5.担当患者に対し、次の業務を実施。(1)薬剤服用歴管理指導料に係る業務、(2)患者が受診している全ての保険医療機関、服用薬等の情報を把握、(3)当該患者から24時間相談に応じる体制を取る、(4)調剤後も患者の服薬状況、指導等の内容を処方医に情報提供し、必要に応じて処方提案する、(5)必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を実施。

まず「患者の同意」を得ることが課題ではある。
その負担金増に納得してもらえるような、付加価値を与えなければならないだろう。
また患者宅を訪問しなければならない。「必要に応じて」とはなっているが、「かかりつけ薬剤師指導料」を算定しているが一度も患者宅に行ったことは無い、というのは個別指導ではひっかかる可能性が高い。しかし、そんなに頻繁に行く必要は無いかな。

どういう患者に対して、どういう風に話を持ちかけていけばいいだろうか。
例えば、現在、「在宅」のハードルは高いので算定せずに「配達」という形で対応している患者に対しては、「配達料」という形で納得してもらえる可能性は高い。
あとは、負担金の無いような患者に対しては、「24時間相談サービス」「残薬確認サービス」的な謳い文句で、サインをしてもらうという形は出来そう。
新患であれば、「私をかかりつけの薬剤師としてご指名頂けないでしょうか?」という形で持ちかけてサインしてもらうことは可能だろう。

しかし、私のような意欲的ではないチェーン店の薬剤師にとっては、「24時間対応」「勤務時間内の患者宅への訪問」「投薬時の縛り」などメンドクセー個人的な業務が増えるだけなので、積極的に同意文書にサインを求めることなどしない。できない。
担当薬剤師が対応したことにして、薬局内で協力する、という形になるのだろうか。

薬局によって薬の値段が違う?

今は基準調剤加算とか、後発医薬品調剤体制加算とかが、薬局によって算定している、していない、で患者さんの負担金が違います。
同じ薬をもらっても安い薬局もあれば、高い薬局もある。

しかし、基準調剤加算や後発医薬品調剤体制加算なんかは、サービスが違うということで納得できる部分もあります。
納得いかないのが、調剤基本料の違い。

調剤基本料は、処方せん受け付け回数や、特定の医療機関からの集中率によって変化します。
処方せん枚数の多い病院の門前薬局は安い、ということです。

薬局儲け過ぎ論

厚生労働省は次期調剤報酬改定で、消費税増税分を除いた調剤チェーンの基本料を実質引き下げ、すべての薬局に係る一部の加算要件を厳格化する方向に舵を切った。伸び続ける調剤医療費と調剤薬局チェーンの「荒稼ぎ」状態を是正するための措置として、水面下で検討が進められている。チェーン「基本料減」、全薬局「加算厳格化」 – 薬剤師と薬学生の情報交換コミュニティ ココヤク

調剤チェーンがやり玉に挙がっていますが、店舗数が多ければそりゃ利益率は良いわけで。
効率化を目指すのも、どこでも同じレベルの安全性、情報提供の質を求めるのも良いことだと思う。
調剤チェーンを悪者扱いしても医療費の抑制にはつながらないような。

でも、調剤薬局チェーンとかどうやって定義するんだろうか。
店舗数とかで指定されるのかな。

調剤薬局チェーンは基本料安く、個人経営の薬局は基本料高く設定。

これで調剤薬局チェーンに患者が流れるとしたら、個人経営の薬局にとっては、痛し痒しといったところか。

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コメント

  1. コメントありがとうございます。

    m3.comの記事からの引用でした。

    yakuzaic:2016/2/13

  2. ・・・等を、1年間一定数算定していない薬局については、2017年4月1日から、調剤基本料を100分の50とする。

    施設基準は、・・・認証機構の研修認定等を取得(適用は2017年4月1日から)

    この、
    「一定数」
    「適用は2017年4月1日から」
    の部分は、どの文書からの引用ですか?
    厚生省の発表文書からは探せませんでした。

    ぜひ教えてください。
    よろしくお願いします。

    eskisaray:2016/2/12

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名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
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