更新日:2017年3月12日.全記事数:3,091件

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ギャバでストレス解消?


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GABAの特徴

ギャバ(GABA)は、正式名称をγ(ガンマ)-アミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acid)といいます。
ギャバは、米や野菜などの植物に広く含まれているアミノ酸の一種です。

動物では脳に多く存在します。
人の体内にも存在して、脳の神経が高ぶったときに鎮める働きをしています。

脳の血流を改善する作用も認められています。
このため、ギャバを積極的にとれば、抗ストレス=精神安定作用があるとされています。

GABAを経口摂取しても無意味?

しかし、ギャバは、血液脳関門を通過しない物質であることがわかっており、体外からギャバを摂取しても、それが神経伝達物質としてそのまま用いられることはないという。
しかし、材料としては摂取しているわけで、全く意味が無いとは言えないという理屈らしい。

睡眠薬の作用機序

脳神経細胞は、「興奮」と「抑制」という2つの電気的な刺激をアクセルとブレーキのように使い分けることで、さまざまな生物としての活動をつくり出しています。
不眠はこの興奮と抑制のバランスがくずれ、抑制が優位になるべきときに何らかの理由で興奮が優位となってしまうことで引き起こされると考えられています。
脳神経細胞上では、興奮している状態というのは細胞がプラスの電荷を帯びている状態です。
これを打ち消すようなマイナスの電荷を与えること(抑制)によって興奮が冷めるのです。
では抑制系神経とはどのようなものでしょうか。

抑制系神経における神経伝達物質の代表にGABAがあります。
GABAはγ-Amino Butyric Acid(ガンマアミノ酪酸)の略語でギャバと読みます。
ストレスを緩和する物質ともいわれ、GABAをたくさん含んだ食品も売り出されています。
ストレスがある状態では大脳辺縁系といわれる部分の興奮が高まり、これを抑制するための生体の防御反応として、GABAニューロンから抑制系神経伝達物質であるGABA が放出されて、興奮を抑制するしくみになっています。

GABAが結合するGABA受容体が神経細胞膜の表面にあり、それは塩素(Cl-)イオンが細胞の外から中に入るトンネルのようなチャンネルをつくっています。
このトンネルは普段は狭く閉じていますが、GABAが結合するとその構造が変化し、塩素イオンチャンネルが開き、そこから塩素イオンが細胞内に流入します。
先に述べたように、興奮している状態は細胞がプラスの電荷を帯びている状態なので マイナスイオンである塩素イオンが細胞内に流入すると、電気的に打ち消しあって興奮が冷め、抑制されるというわけです。
また、興奮していないときにGABAが作用しすぎると神経伝達が抑制され、反応が遅い(寝ぼけているような)状態になります。

ということは、睡眠薬であるベンゾジアゼピン系の薬剤はGABA受容体に作用するということでしょうか?
いいえ、ベンゾジアゼピン系の薬剤はこの神経伝達物質GABAと化学構造が似ているわけでもなく、直接作用には関係していないのです。

実は塩素イオンチャンネルを詳しく見てみると、ベンゾジアゼピンとGABAの関係は、各々の受容体がイオンチャンネルを構成している、いわばなかま(複合体)の関係です。
細胞膜に存在する化学物質の受容体のほとんどは、特定の物質が結合すると、その化学構造が変化することで何らかの反応を起こします。
ベンゾジアゼピン受容体も同様に、ペンゾジアゼピン系薬剤が結合すると受容体の構造が変化するのですが、その反応としては、複合体を形成しているGABA受容体へGABAが結合しやすくなるような変化を起こします。
最終的にはこのようにGABAの作用が増強され、塩素イオンが細胞内に流入しやすくなり、興奮が伝わりにくくなるという二段作用で催眠効果を発現しているというわけなのです。

GABA受容体とベンゾジアゼピン受容体の違い

ベンゾジアゼピン受容体はGABAA受容体のサブユニット部分に相当する。

GABAA受容体は、5個のサブユニットにより構成される5量体で、中心にクロルイオンチャネルがあり、その周りを取り囲むサブユニットにベンゾジアゼピン結合部位、GABA結合部位を持つ。
GABAA受容体のサブユニットには、α、β、γの3種があり、さらにσ、ε、π等のサブタイプの遺伝子も確認されている。
ベンゾジアゼピン結合部位はα、γサブユニット部分にあり、GABA結合部位はβサブユニット部分に存在する。

α、β、γサブユニットにはさらに、α6種、β4種、γ4種のサブタイプが現在確認されている。
中枢神経に存在するGABAA受容体の多くは、α2個、β2個、γ1個、あるいは、α2個、β1個、γ2個の5量体となっているが、ベンゾジアゼピンが結合するのはαサブユニットのうちのサブタイプα1、2、3、5とγサブユニットがある場合に限られている。

ところで、ベンゾジアゼピン受容体には、ω1、ω2、ω3受容体の3つのサブタイプがあり、ω1、ω2は中枢型、ω3は末梢型といわれる。
中枢型であるω1受容体は、主として小脳、黒質、淡蒼球、嗅球等に、ω2受容体は海馬、脊髄等に存在し、抹消型のω3受容体は腎臓に確認されている。
中枢型のω1、ω2受容体では、αサブユニットのサブタイプが異なり、ω1受容体にはα1、ω2受容体にはα2、3、5が対応する。

αサブユニットのサブタイプは、ベンゾジアゼピン系薬剤結合により発現する作用がそれぞれ異なり、α1では鎮静、抗けいれん作用、α2では抗不安、筋弛緩作用、α3は筋弛緩、抗けいれん作用が主として発現するとされている。
α5については、直接的なデータは少ないようであるが、主として筋弛緩作用に関与する可能性が指摘されている。
したがって、α1サブユニットが対応するω1受容体は、主としてベンゾジアゼピンの催眠・鎮静作用に、α2、3、5サブユニットが対応するω2受容体は抗不安、筋弛緩作用に関与することが推測され、各種の実験でもこのような受容体の特性が確認されている。

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