更新日:2016年12月23日.全記事数:3,135件.

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ワーファリンと抗菌薬を併用しちゃダメ?


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ワーファリンと抗菌薬は併用しちゃダメ?

抗菌薬がビタミンK欠乏を引き起こす機序として、

1.広域抗菌薬投与による腸内細菌叢の抑制とビタミンK産生低下

2.ビタミンKの摂取・吸収不足

3.一部の第2、第3世代のセフェム系抗菌薬がもつN-メチルテトラゾルチオル基(NMTT基)による、ビタミンKサイクルの阻害

などがあげられている。

ワルファリンとの併用は禁忌、または併用を避けることが望ましいと記載されている抗菌薬はない。

しかしその一方で、ワルファリンとの併用には慎重を要すると記載されている抗菌薬は少なくないし、ワルファリンの抗凝固作用に影響しないといいきれる抗菌薬もない。

ワーファリンと抗菌薬の併用

ワルファリンの添付文書には多くの併用禁忌・併用注意薬が記載されている。
中でも、処方頻度の高い抗菌薬との併用には注意を要する。
抗菌薬がワルファリンの効果を増強させる機序は複数あり、いずれも薬物相互作用の基本として頭に入れておきたいものばかりである。

1つ目は、腸内細菌叢への影響である。
抗菌薬により腸内細菌が減少し、腸内細菌によるビタミンKの量が減少する。
そのため、ビタミンK依存性血液凝固因子の産生が低下してしまい、結果としてワルファリンの作用が強まる(主にペニシリン系、セフェム系、テトラサイクリン系など)。
腸内細菌叢の変化は、ビタミンB12や葉酸などの産生にも影響するほか、腸肝循環する薬物の作用にも影響を与えることがある。

2つ目は、アルブミン結合の解離促進である。
血中では、90%以上のワルファリンがアルブミンと結合している。
抗菌薬の投与によりワルファリンとアルブミンの結合率が低下し、遊離型のワルファリン濃度が増加するため、作用が増強する(主にキノロン系のナリジクス酸)。
この機序は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)との併用でも生じやすいので注意を要する。

3つ目は、チトクロームP450(CYP)系薬物代謝酵素の阻害である。
抗菌薬の中にはCYPを阻害するものがあり、ワルファリンの代謝が阻害され、作用が増強する(マクロライド系、メトロニダゾール、ST合剤、アゾール系抗真菌薬など)。

一方、ワルファリンの作用を減弱する抗菌薬としては、リファンピシンなどが知られる。
これは薬物代謝酵素を誘導するために生じる。

ワルファリンを服用している患者でプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)を調べたところ、PT-INRが5以上に上昇した患者の割合が、
メトロニダゾール(フラジール) 10.5%
モキシフロキサシン塩酸塩(アベロックス) 9.2%
ST合剤 7.1%
レボフロキサシン水和物(クラビット) 5.3%
塩酸シプロフロキサシン(シプロキサン)で 4.3%
アジスロマイシン水和物(ジスロマック) 3.8%
となり、非投与群と比べてそれぞれ有意に増加していた。

参考書籍:日経DI2015.8

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