更新日:2017年4月3日.全記事数:3,129件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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大建中湯と小建中湯の併用?


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大と小

大小を付けて兄弟関係が示される処方は多いです。

大柴胡湯・小柴胡湯のほか、大青竜湯・小青竜湯、大建中湯・小建中湯、大承気湯・小承気湯、大半夏湯・小半夏湯、大陥胸湯・小陥胸湯などがよく知られています。

一般に大の付く処方は小の付く処方より攻撃的で、より実証に近い病態に適応します。

逆に小の付く処方は温補的で、より虚証に近い病態に適応します。

しかし、これは両者を比較した相対論で、必ずしも大の付く処方が実証、小の付く処方が虚証に用いられるという訳ではありません。

大建中湯と小建中湯の併用?

ツムラ大柴胡湯エキス顆粒とツムラ小柴胡湯エキス顆粒の構成生薬を比較してみると、
大柴胡湯:柴胡・黄ごん・半夏・生姜・大棗・枳実・大黄・芍薬
小柴胡湯:柴胡・黄ごん・半夏・生姜・大棗・人参・甘草

似てますね。
やっぱり大と小は兄弟みたいなものなのですね。

しかし、ツムラ大建中湯エキス顆粒とツムラ小建中湯エキス顆粒の構成生薬を比較してみると、
大建中湯:人参・山椒・乾姜
小建中湯:桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草

まったく違います。
名前は似ているが全く違う薬。
アルマールとアマリールみたいなもんか。違うか。

大柴胡湯と小柴胡湯の併用は「ん?」となるかも知れませんが、大建中湯と小建中湯の併用はアリなのかも知れませんね。

六味と八味の違いは?

六味地黄丸(六味丸)と八味地黄丸という似た名前の薬があります。

6と8は構成生薬の数を示していますが、6より8のほうが多いので、八味地黄丸のほうが効きそうというイメージ。

構成生薬をみると、
六味地黄丸
日局ジオウ   5.0g
日局サンシュユ 3.0g
日局サンヤク  3.0g
日局タクシャ  3.0g
日局ブクリョウ 3.0g
日局ボタンピ  3.0g

八味地黄丸
日局ジオウ   6.0g
日局サンシュユ 3.0g
日局サンヤク  3.0g
日局タクシャ  3.0g
日局ブクリョウ 3.0g
日局ボタンピ  2.5g
日局ケイヒ   1.0g
日局ブシ末   0.5g

六味地黄丸にケイヒとブシを追加したものが八味地黄丸。

「八味地黄丸」、「六味丸」と「牛車腎気丸」の違いは何ですか。

「八味地黄丸」は8つの生薬からできています。「八味地黄丸」の8つの生薬から体を温めて新陳代謝を促す附子と桂枝を除いたものが「六味丸」です。したがって、「六味丸」は体がほてる、のぼせるなどの症状のある方に使用します。
「牛車腎気丸」は「八味地黄丸」に牛膝と車前子という生薬を加えることで、痛みや利尿促進に働くため、この症状の強い方に適応されます。
「八味地黄丸」、「六味丸」と「牛車腎気丸」の違いは何ですか | お客様相談室 | クラシエ

冷えのある方には八味地黄丸、のぼせのある方には六味地黄丸というところか。

漢方薬は西洋薬と違って、構成生薬の数が少ないほうが切れ味が良いというイメージなので、6種類より8種類のほうが効くというわけではない。

麻杏よく甘湯と麻杏甘石湯

麻杏よく甘湯麻杏甘石湯という似たような名前の漢方薬があります。

構成成分はその名前のとおり。
麻杏よく甘湯は、麻黄、杏仁、ヨクイニン、甘草。
麻杏甘石湯は、麻黄、杏仁、甘草、石膏。

違いはヨクイニンか石膏か、という部分だけ。

なので、似たような病気に使われるのかなあ、と思ったら。
麻杏よく甘湯の適応症は、関節痛、神経痛、筋肉痛。整形外科領域の薬。
麻杏甘石湯の適応症は、小児ぜんそく、気管支ぜんそく。呼吸器領域の薬。
全く違います。

石膏は消炎、解熱作用的な働き。
咳とか鼻炎とか皮膚炎に使われるような漢方薬にも入っている。

ヨクイニンというと皮膚病を思い浮かべる。イボとかに使われる。
ハトムギ。
漢方薬でヨクイニン湯というのもありますが、こちらは麻黄、当帰、白朮、ヨクイニン、桂皮、芍薬、甘草という構成生薬で、関節痛などに使われる。
水分代謝をよくするらしい。

水分代謝を良くすると、利尿作用で熱をとって、炎症性の疾患には効きそうなイメージ。
麻黄が入っていると、エフェドリンの働きをイメージするので、呼吸器系の疾患に使われる気がしますが。
麻杏よく甘湯の処方目的には注意。

一文字違いで大違い。
調剤ミスに気を付けましょう。

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