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インフルエンザは空気感染する?
公開. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約3分25秒で読めます.
1,748 ビュー. カテゴリ:空気感染する病気
空気感染(飛沫核感染)と飛沫感染を混同する人は多い。
麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、結核などは空気感染。
インフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、マイコプラズマ感染症、百日咳などは飛沫感染。
ちなみに、感染性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス、病原性大腸菌O-157など)、流行性角結膜炎、MRSA感染症、緑膿菌感染症、疥癬などは接触感染。
空気感染とは、飛沫(直径5μm以下)が空気中に浮遊することで伝播する。
飛沫として空気中に飛散した病原体が、空気中で水分が蒸発して5マイクロメートル以下の軽い微粒子(飛沫核)となってもなお病原性を保つものは、単体で長時間浮遊し、3フィート(約1m)以上の長距離を移動する。呼吸により粒子を吸い込むことにより感染を生じる。埃と一緒にウイルスを吸い込む場合でもなる。
飛沫感染とは、咳やくしゃみにより体液の飛沫(直径5μm以上)が1~2mの短い距離を飛散して伝播する。
結核や麻疹の患者で空気感染するような状態の患者さんは薬局に来ないかと思いますが、水疱瘡のお子さんが来ることはよくあります。
可能であれば車の中や外で待っていてもらいたい。
インフルエンザやノロウイルスも空気感染するとも言われている。
インフルエンザの主な感染経路は飛まつ感染だし、ノロウイルスの空気感染も、患者からというより嘔吐物からの空気感染だから、隔離するほど空気感染に注意を要するものでは無い。
ウイルスが体外で生きていられる時間は?
ウイルスの種類によって違うようですが、基本的に体外でウイルスが生存することは難しく、紫外線、乾燥、熱などで容易に死滅します。
体外でウイルスが生存できる時間は、長くても8時間程度と言われています。
隔離
インフルエンザや水疱瘡などの感染症患者は隔離したほうがよいとされます。
他の人にうつすから。
小児科などの医療機関でも、待合室を別にされたり、隔離されることが多いです。
薬局では、スペース的な問題もあり、患者を隔離するというのは難しい。
飛沫感染
飛沫が飛ぶのは、1~1.5m程度。
つまり罹患者の1.5m以内に近寄らなければ、飛沫によって感染する可能性は低い。
狭い薬局だと隣に座った人からうつされる可能性はあるかな。
感染症患者とその他の患者の座るスペースさえ別にしておけば、隔離室まで作る必要はなさそう。
インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザと風邪は似ている。
アバウトに言えば、インフルエンザのほうが重くて、風邪は軽い症状。
インフルエンザは急な発熱(38~40度の高熱)から始まることが多く、関節痛などが出ます。
普通の風邪は、のどの痛み、鼻水、くしゃみや咳などが中心で全身症状はほとんど見られません。
また、発熱もそれほど高熱とはならず重症化することはほとんどありません。
しかし「風邪」という診断名はありません。
急性上気道炎、咽頭炎、気管支炎などが診断名として用いられます。
インフルエンザも上気道炎を引き起こします。
インフルエンザでも風邪と同じような症状を呈することがあります。
「風邪」という表現はあいまいです。インフルエンザも含む場合がありますし、「お腹の風邪」と言ってウイルス性胃腸炎まで含む場合もあります。
インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症がインフルエンザで、ライノウイルスやコロナウイルスなどインフルエンザウイルス以外によって引き起こされる感染症が風邪です。
検査でインフルエンザ陽性ならインフルエンザ、陰性なら普通の風邪となります。
インフルエンザウイルスに感染しても、インフルエンザを発症しない人もいます。
その人にも治療は必要なのでしょうか?
咳やくしゃみが無ければ、感染源となるリスクも少ないでしょう。
風邪っぽいので検査したらインフルエンザだった、という人にタミフルをやたらと処方した結果、タミフル脳症やらタミフル耐性ウイルスやら出てしまいました。
かぜ | インフルエンザ | |
---|---|---|
発熱 | まれ | 多くは高熱(37.8~38.9℃、ときにさらに高熱に、特に小児で);3~4日続く |
頭痛 | まれ | よくある |
全身の痛み | 軽い | しばしば重度 |
倦怠感、脱力 | ときどき | 通常ある;2~3週間続くこともある |
過度な疲労 | ほぼない | 通常ある;病初期に |
鼻づまり | よくある | ときどき |
くしゃみ | 通常ある | ときどき |
咽頭痛 | よくある | ときどき |
胸部不快感、咳 | 軽度から中等度:短い空咳(ゴホンゴホンと咳をする) | よくある;重度になりうる |
治療 | 抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、解熱鎮痛薬(イブプロフェンなど)、ナイキサン、アセトアミノフェン | 抗ウイルス薬(医師の診察を)、解熱鎮痛薬(イブプロフェンなど)、ナイキサン、アセトアミノフェン |
予防 | 頻回の手洗い、かぜの人との接触を避ける | ワクチン、抗ウイルス薬(医師の診察を)、頻回の手洗い、かぜの人との接触をさける |
合併症 | 鼻閉、軽度の耳感染、喘息、気管支炎 | 気管支炎、肺炎、ときに重篤に |
インフルエンザウイルスの特徴
・大きさは0.1μm(ノロウイルスより大きい)
・A型、B型、C型の3種類
・A型は16の亜型が存在し、突然変異を起こしやすいため世界的な大流行が起きる(例:1918年スペインかぜ、1957年アジアかぜ、1968年香港かぜ)
・B型、C型はヒトのみで感染し、遺伝子変異が起こりにくく、免疫が長期間続く
・積極的なワクチン接種による予防が推奨されている(2015年度からA型2種類+B型2種類の4価ワクチンへ変更となった)。接種してから効果が出るまで2週間くらい必要といわれている
A型インフルエンザはとりわけ感染力が強く、症状も重篤になる傾向がある。
まれにA型、B型の両方を併発する場合もある。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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