更新日:2016年10月24日.全記事数:3,096件.今日の勉強

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ミカルディスが糖尿病に効く?


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ミカルディスと糖尿病

ミカルディス(テルミサルタン)は、2型糖尿病治療薬のうちインスリン抵抗性改善薬のアクトス(ピオグリタゾン塩酸塩)と同様に、チアゾリジン環を構造式の中に含んでいる。
チアゾリジン環を持つ物質は、核内受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)に特異的に結合してこれを活性化し、遺伝子発現を調節することでインスリン抵抗性を改善すると考えられている。

PPAR

PPARαPPARγ
よく出てきますが、どっちがどっちだか混乱する。

アクトス、ミカルディスやイルベタンはPPARγを活性化する。
ベザトールやリピディルはPPARαを活性化する。

そもそもPPARとは何か?

核内レセプタースーパーファミリーのメンバーの一つ.現在までにα,γ,δ(β)の三つのサブタイプが報告されている.最初に発見されたαサブタイプ(PPARα)がペルオキシソーム増殖剤であるフィブラート系薬剤により活性化されたことからその名が付いた.炭化水素,脂質,タンパク質等の細胞内代謝と細胞の分化に密接に関与している転写因子群であるとされている。いずれのサブタイプもレチノイン酸Xレセプター(RXR)とヘテロ2量体を形成してAGGTCA配列が二つ繰り返したペルオキシソーム増殖剤応答配列(PPRE)に結合する.

PPARαは肝臓や褐色脂肪組織、心臓、腎臓で強く発現しており,遊離脂肪酸やロイコトリエンB4などを生理的なリガンドとして活性化され,ペルオキシゾームの増生を通じて血中トリグリセリド濃度の低下を導く。外因性リガンドとしてはベザフィブラート,クロフィブラートなどのいわゆるフィブラート系の薬物、プラスチック可逆剤がある.標的遺伝子のほとんどは脂質代謝関連の遺伝子であり、高脂血症改善薬の主要な標的となっている。

PPAR-γには3つのフォームが知られている PPAR-γ1は心臓,筋肉,結腸,腎臓,膵臓,脾臓を含む多くの組織、PPAR-γ2PPAR-γ1よりも30アミノ残基だけ長く,主に脂肪組織、PPAR-γ3はマクロファージ,大腸,白色脂肪組織で発現している.15-デオキシプロスタグランジンJ2を生理的リガンドとして活性化され,脂肪細胞分化に必須の転写因子であり、筋肉でのグルコース取り込みを活性化する。PPAR-γは組織のインスリン感受性を亢進させる糖尿病治療のターゲットの一つとなっているほか,免疫過程への関与も指摘されている。外因性リガンドとしてはロシグリタゾンやピオグリタゾンのようなチアゾリジン系の薬剤があり、これらの薬物によるインスリン抵抗性の改善に関与すると考えられている. PPARδは調べられたすべての臓器で発現している.長鎖脂肪酸がリガンドとして作用することが報告されているが,その機能についてはよくわかっていない.PPAR – 薬学用語解説 – 日本薬学会

核内レセプタースーパーファミリーという出だしから意味不明。
核内受容体とは何か?

核内受容体とは細胞内タンパク質の一種であり、ホルモンなどが結合することで細胞核内でのDNA転写を調節する受容体である。発生、恒常性、代謝など、生命維持の根幹に係わる遺伝子転写に関与している。核内受容体 – Wikipedia

つまり細胞内の核内受容体が活性化されると、色々体に良い事がありそうというわけですね。

そして、PPARはペルオキシソーム増殖剤応答性受容体で、炭化水素、脂質、タンパク質等の細胞内代謝と細胞の分化に密接に関与している転写因子群であるとされている。

アクトスの作用機序は?

グリダゾン系薬の標的はPPARγと呼ばれる核内受容体ファミリーの一つです。
PPARγは他の核内受容体RXRと2量体を形成して転写因子として作用します。

グリタゾンはPPARγに結合してこれを活性化し、その結果、PPARγは特定遺伝子の転写調節領域に結合して遺伝子発現を誘導します。
PPARγにより調節を受ける遺伝子群としては解糖、脂肪酸β酸化などの糖・脂質代謝に関与するものが報告されています。

また、PPARγにはγ1,2,3の三種類が存在し、その中でもγ2は脂肪細胞に選択的に発現している特徴を有しています。
PPARγが前駆細胞から脂肪細胞への分化を促進する作用を有すること、γ2が脂肪細胞に選択的に発現していることなどに注目して、現在定説とされているグリタゾンの作用機序は、脂肪細胞に対する作用に焦点が絞られています。

グリタゾンは脂肪細胞のPPARγに作用してアジポネクチンの産生を増強し、その一方でTNFαと遊離脂肪酸の産生を低減することにより、肝臓や筋肉などの標的組織におけるインスリン抵抗性を改善するという説です。
TNFαと遊離脂肪酸はインスリン抵抗性を引き起こす因子ですので、その低減は標的組織のインスリン抵抗性を改善します。

一方、アジポネクチンもAMPキナーゼの活性化を介して糖輸送担体GLUT4の細胞膜への移行促進、脂肪酸のβ酸化促進などによりインスリン抵抗性を改善します。
この説はインスリン抵抗性の改善をよく説明するものですが、PPARγ1,3は脂肪細胞以外の組織でも発現しており、標的組織のPPARγに対する直接的なグリタゾンの作用も考慮することが必要であると考えられます。

ベザトールと糖尿病

フィブラート系薬は、核内状態の一つであるペルオキシゾーム増殖活性化受容体(PPARα)に作用し、主に脂質代謝に関わる遺伝子の発現をコントロールすることで、脂質代謝を改善する。

また、ベザフィブラートは他のフィブラート系薬と異なり、インスリン抵抗性に関与するとされているPPARγにも働く。
このことから、PPARγの活性化を介してインスリン抵抗性を直接改善すると考えられている。

インスリンには、脂肪組織の血管内皮細胞表面に存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)の活性化を介して、血中トリグリセリドの脂肪細胞内への取り込みを促進する作用がある。

糖尿病やインスリン抵抗性があるとインスリンの作用不足によりLPL活性が低下し、高トリグリセリド血症を呈する一方、インスリン抵抗性を改善すると、このような代謝異常は是正される。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―、参考書籍:日経DIクイズベストセレクション STANDARD篇、日経DI2013.6

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