更新日:2017年8月7日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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車を運転してはいけない抗生物質?


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運転注意の薬と運転不可の薬

眠気やめまいなどの副作用のため、運転に注意すべき薬がある。

そのニュアンスには2通りあり、
「自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。」
「自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」
十分注意すれば運転可能なものと、運転してはいけないというレベルのもの。

抗菌薬で意識を失う?

神経系に働くような薬であれば、運転に注意すべきことは容易に想像がつく。

しかし、抗生物質など神経への作用を連想しないような薬だと運転への注意がおろそかになってしまう。

抗生物質、その他病原微生物に対する薬で運転注意の記載があるものは、

医薬品名添付文書の文言
ジスロマック「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」
ミノマイシン「めまい感があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。」
アベロックス「失神,意識消失,めまい等があらわれることがあるので,自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること.投与にあたっては,これらの副作用が発現する場合があることを患者等に十分に説明すること.」
クラビット「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」
ジェニナック「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」
ゾビラックス「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては従事させないよう注意すること」
タリビッド「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」
バルトレックス「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては従事させないよう注意すること」
バリキサ「本剤及び本剤の活性代謝物であるガンシクロビルの投与により痙攣、鎮静、めまい、運動失調、錯乱が報告されているので、本剤投与中の患者には自動車の運転、危険を伴う機械の操作等に従事させないこと。」
ファムビル「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」
ラミシール「眠気、めまい・ふらつき等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。」

ミノマイシン、アベロックス、バリキサは「運転しちゃダメ」という強めの記載である。
「薬の服用中は、運転しないでください」
バリキサの処方頻度は少ないし、アベロックスも長期には処方されないけど、ミノマイシンの長期処方は見られる。
長期に運転不可となると、生活に支障をきたす患者さんも少なくない。
どうしよう。

でも、睡眠薬や安定剤による「眠気」という徐々に襲ってくるような副作用と違って、意識障害やめまいというのは突然クラクラという感じなので、危険な作業に従事しているときのリスクとしては高いものがある。

アベロックス服用中は車の運転しちゃダメ?

アベロックスの添付文書には、

失神,意識消失,めまい等があらわれることがあるので,自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること.投与にあたっては,これらの副作用が発現する場合があることを患者等に十分に説明すること.

と書かれています。

車の運転中に意識消失したら怖いですね。

意識消失のメカニズムは現時点では不明です。
意識消失発作の原因のひとつとして、QT延長が関連しているとの報告があります。

アベロックス以外のニューキノロンでは、車の運転に関する注意は喚起されていません。

しかし、ほとんどのニューキノロンの添付文書に、副作用として失神、意識消失(喪失)、意識障害に関する記載がされているので、アベロックスと同様の注意が必要です。
車の運転をしない高齢者なら大丈夫か、と思いますが、突然失神して転倒して骨折して寝たきりになったら、とか思うと使いにくい。

アベロックスの処方は10日間まで?

アベロックスは処方日数制限や高齢者に対する副作用などで使いづらい。

アベロックスの添付文書には、

本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。更に,本剤の投与期間は,原則として皮膚科領域感染症,咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎及び慢性呼吸器病変の二次感染に対しては7日間以内,肺炎及び副鼻腔炎に対しては10日間以内とすること。

と、書かれています。

皮膚科からの処方だと、7日まで。
他だと病名がはっきりしないけど、10日まで。

レセプトは月単位でみられるから、1か月に2回アベロックスが処方されて日数オーバーしてたら切られそうです。

アベロックスは膀胱炎に効かない?

アベロックスは尿中移行率が低いため、尿路感染症の適応はありません。

ミノマイシンでめまい?

ミノマイシンの副作用に、「精神神経系(0.1~5%未満)めまい感、頭痛」とある。

抗生物質の中でも、アミノ配糖体系抗生物質には耳毒性があることが知られており、内耳障害を引き起こす。音の感知については、まず高音域から聴力低下が始まり、次第に低音域へと進行し、最終的には聴力を喪失する。低下した聴力は、投薬を中止しても回復しない。また、耳石器へも毒性を発揮し平衡感覚を狂わせる。最悪の場合、耳石器の機能が完全に失われる。こちらも投薬を中止しても回復しない。このような抗生物質として、カナマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシンが知られる。
他の抗生物質でも、例えばテトラサイクリン系抗生物質のミノマイシンは耳石器への毒性が知られており、めまいなどを引き起こすことがある。ただ、ミノマイシンの場合は投薬を中止すれば回復する。耳 – Wikipedia

ミノマイシンでめまいを起こすことがある。
そのため、「めまい感があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。」とうい注意書きもある。
車の運転をしてはいけない。

ケテックで意識を失う?

ケテックは2012年3月末日をもって経過措置期間満了いたしました。

ケテックを服用した70歳代の男性が、車の運転中に15秒程度意識を失うということがありました。
耳鳴りの前駆症状があったため、意識消失の直前にブレーキをかけたため、幸い交通事故には至らなかったといいます。
発生機序はわかっていません。
怖いですね。

抗アレルギー薬のように、眠くなるという程度なら自己責任で運転しても構わないのかも知れませんが、意識を失うということだと、「運転してはいけません」と強く言う必要がありますね。

耳鳴りや他の前駆症状が出るのであれば、服薬指導時に注意することができます。

ケトライド系抗菌薬の特徴は?

14員環の8位をケトン基に置換した構造であり、現在臨床応用されているものはテリスロマイシンの1剤である。
ケトン基の導入および側鎖構造の修飾により酸への安定性が高まり、また細菌リボゾームへの結合が増強されている。
テリスロマイシンのもっとも重要な特徴は、細菌リボゾームRNAのドメインⅤに加えてドメインⅡにも結合することであり、これによりマクロライド耐性肺炎球菌に対しても強い抗菌活性を示す。
その他、マクロライド耐性を誘導しにくい、インフルエンザ桿菌・モラキセラといったグラム陰性呼吸器病原体に対しても抗菌活性があるなどの特徴がある。
特に、マクロライド耐性肺炎球菌からその他の連鎖球菌、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラまで強い抗菌活性を示すことが特徴であり、呼吸器・耳鼻科領域、歯科・口腔外科領域感染症の治療において重要である。
服薬に際しては意識消失等の副作用に注意し、車の運転や高所作業など転落の危険がある業務には従事させないよう指導する。

グラム陽性・陰性菌、マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジアなどに強い抗菌力。

ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)及びマクロライド耐性肺炎球菌にも効果。

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