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モニラックで高アンモニア血症予防?
公開. 更新. 投稿者:肝炎/肝硬変. 閲覧数:665回
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モニラックシロップの効果
モニラックシロップというラクツロース、人工甘味料的な薬があります。
その効能効果は、
・高アンモニア血症に伴う下記症候の改善
精神神経障害、手指振戦、脳波異常
・産婦人科術後の排ガス・排便の促進
・小児における便秘の改善
となっている。
甘いものを食べたり飲んだりすると下痢をする。
なので、便秘によく使われる。浸透圧性の下剤というわけだ。
このラクツロースはラクトース(乳糖)と名前が似ていますが、構造的にも似ている。
ガラクトースとグルコース(ブドウ糖)がくっついてラクトースになっています。
ガラクトースとフルクトース(果糖)がくっついてラクツロースになっている。
ちなみに砂糖(スクロース)はグルコースとフルクトースがくっついて構成されている。
乳酸菌とアンモニア
「高アンモニア血症に伴う下記症候の改善」という適応症があるのは、以下のような作用機序による。
ラクツロース(モニラック)は、分解・吸収されることなく下部消化管まで達し、ここで乳酸菌により分解され、乳酸菌の栄養分となる。
乳酸菌は乳酸、酢酸などの酸を産生し、腸管内のpHを下げる。
低pH環境下では、アンモニア産生菌の発育が阻害される上、腸管からのアンモニア吸収が阻害されることも知られている。
じゃあ、ビオフェルミンやラックビーのような乳酸菌製剤を投与したほうがダイレクトに効くんじゃないかとも思いますが、それら乳酸菌製剤に「高アンモニア血症」という適応症は無い。適応が無くても処方されることはありますが。
乳酸菌そのものよりも、乳酸菌のエサ(ラクツロース、オリゴ糖)のほうが重要なのかも知れない。
排便が滞れば、腸内環境は悪化し、アンモニアも発生しやすい状況になるので、瀉下作用も重要なのだろう。
参考書籍:日経DIクイズベストセレクションSTANDARD篇
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服薬指導のツボ⑥

今日も服薬指導が億劫です
「副作用の無い薬などありません」こんな禅問答で返しても意味は無いが、添付文書に羅列してある副作用を読み上げても怖がらせるだけ。
逆にノンコンプライアンスに陥らせることによって、「国の医療費節約に貢献したぜオレ」と社会貢献に一役買ったのだと自分を正当化して誤魔化す方法で自信喪失を回避するという妙な思考回路で心のザワつきを抑える。


↑こういうこと聞かれるよねー
薬剤師の情報収集法
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