更新日:2017年7月4日.全記事数:3,169件.

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点滴前にレスタミン?


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抗癌剤のインフュージョンリアクション予防にレスタミン

抗癌剤の点滴を受けている患者に、レスタミンコーワ錠が処方されているのを見かける。
1回分のみ。1回5錠という処方。
次回の来院時に持参するよう指示される。

タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、アービタックス(セツキシマブ)などの抗癌剤を使う前に処方されるようだ。
抗癌剤に対するアレルギー反応、蕁麻疹、かゆみなどの予防のために使われる。

レミケード(インフリキシマブ)やアクテムラ(トシリズマブ)などの抗リウマチ薬の点滴前にも処方される。

カロナールやステロイドが処方されることもある。

点滴後に症状は持続しないものなのでしょうか。

 リツキシマブとセツキシマブでは,前投薬によるインフュージョンリアクション予防が必須である。

 リツキシマブでは,投与30分前に抗ヒスタミン薬と解熱鎮痛薬の投与を行う。初回投与は25mg/hrから開始し,1時間後に100mg/hrへ,さらに1時間後に200mg/hrへ注入速度を上げることができる。インフュージョンリアクションは投与開始30分~2時間以内に発生することが多い。初回投与時にインフュージョンリアクションが認められなかった場合,あるいは軽微であった場合,2回目以降は100mg/hrで開始することが可能である。

 セツキシマブでは,投与30~60分前に抗ヒスタミン薬の投与を行う。また副腎皮質ステロイド剤の投与により,インフュージョンリアクションの発生頻度が減少することが報告されている。初回は2時間かけて投与し,2回目以降は1時間かけて投与する。インフュージョンリアクションは初回投与中または投与終了後1時間以内に発生することが多いが,投与終了数時間後または2回目以降にも発生することがあるので注意を要する。

 トラスツズマブとベバシズマブでは,前投薬によるインフュージョンリアクション予防の意義は不明である。初回は90分かけて投与し,2回目以降は60分で投与が可能である(ベバシズマブは3回目以降,30分で投与が可能)。副作用対応マニュアル|インフュージョンリアクション:Cancer Therapy.jp:コンセンサス癌治療

このインフュージョンリアクションと、アレルギー、アナフィラキシーとの違いがよくわかりませんが、アナフィラキシーは1回目の投与では起こらないのに対し、インフュージョンリアクションの場合は1回目から起こる可能性があるらしい。
インフュージョンリアクションは免疫的な反応とは異なるようだ。

パクリタキセル(タキソール)やドセタキセル(タキソテール)などのタキサン系、
シスプラチン、ミリプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン(エルプラット)などのプラチナ系(白金製剤)、
リツキシマブ(リツキサン)、ベバシズマブ(アバスチン)、セツキシマブ(アービタックス)、トシリズマブ(アクテムラ)、インフリキシマブ(レミケード)、トラスツズマブ(ハーセプチン)などのモノクローナル抗体で発生頻度が高い。

インフュージョンリアクションの発生頻度は初回投与において、リツキシマブは約90%、トラスツズマブは約40%、ベバシズマブは3%、セツキシマブは8~13%となっているので、リツキサンのリスクが際立っている。薬剤によってかなり差があるようだ。

インフュージョンリアクションとは?

インフュージョンリアクションとはハーセプチンやリツキサンなどの分子標的治療薬投与時に起きる、注射に伴う症状で、薬剤投与中または投与開始後24時間以内に多く表れる有害反応です。
通常の過敏症やショックとはメカニズムが異なると考えられていますが、原因は現在のところ明白ではありません。
一般の点滴静注に伴う過敏症、ショックとは異なる特有の症状がみられることから、一般的な過敏症と区別し日本語に訳さず、infusion reactionと記載されます。

インフュージョンリアクションの発現時期は?

軽度~中等度の場合、多くは点滴開始2時間以内にあらわれます。
重篤な場合もほとんどは点滴開始後早期に発現しています。
一方で、例数は少ないものの点滴終了後数時間経過した後、発現した症例もあります。

インフュージョンリアクションの症状は?

症状はさまざまですが、過敏症に特徴的な蕁麻疹はありません。
軽度~中等度:発熱、寒気、嘔気、疼痛、頭痛、咳、めまい、発疹、無力症など
重度:アナフィラキシー症状、重度の肺障害などの副作用(呼吸不全、呼吸困難)、低血圧、喘息、喘鳴、気管支痙攣、血管浮腫、肺炎、非心原性浮腫、胸水、頻脈、低酸素血症、成人呼吸窮迫症候群

急性投与時反応においてよく経験するものは、発熱、胸痛、低血圧/高血圧、呼吸困難であり、これらは投与速度の調節とアセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、ステロイド、これに加えるとしたらエピネフリンの投与で軽快する。
これに対し、遅発性投与時反応でよく経験するのは関節痛、筋肉痛、蕁麻疹、発熱、倦怠感であり、これもアセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、ステロイドで軽快するとされている。
そこで、投与時反応発生時の対応としては点滴速度を緩めるもしくは中止し、皮疹などの症状に対しては抗アレルギー作用を期待しジフェンヒドラミンを投与、発熱に対してはアセトアミノフェンの投与、喘鳴に対してはヒドロコルチゾンの静脈注射をすることなどが推奨され、重篤なアナフィラキシーショック時には静脈路の確保、酸素投与を行い、まずエピネフリン(0.1%:0.1 ~ 0.5ml)を皮下注射し、その後にメチルプレドニゾロンの静脈注射をする。

インフュージョンリアクションの治療法は?

異常が認められた場合は直ちに治療を中断し適切な処置を行います。
軽度~中等度:解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤などを投与し、症状が消失した場合は、点滴速度を遅くし再投与可能。
重度:直ちに投与を中止し、酸素吸入、β-刺激剤、副腎皮質ホルモン投与など適切な処置を行います。
重度のインフュージョンリアクションが起きた患者への再投与については安全性を支持するデータはありません。
再投与時、約1割の症例に再発現が認められています。

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