更新日:2016年12月21日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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インスリン製剤は100 単位/mL?


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ランタスXR注ソロスター

ランタスXRというランタスの徐放性製剤的な薬が出た。

ランタスXR注ソロスター(インスリングラルギン遺伝子組換え、サノフィ):「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果とする新剤形医薬品。再審査期間は4年。15年2月現在で米国のみで承認されている。

持効型溶解インスリンアナログ製剤。既存のランタス注100単位/mLに対して、製剤中の濃度を300単位/mLに3倍にした薬剤。臨床上の位置づけは、▽ランタス注と比較して低血糖の発現が少なく、投与時間をより柔軟に設定できる▽より少ない注射液量で同じ単位が投与可能なため、Basalインスリンを高用量必要とする患者に適している――としている。
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既存のランタスが100単位/mLなのに対して、ランタスXRは300単位/mL。
だから?どうなるの?
濃いってだけじゃないの?
1単位から調節できるの?

濃度が濃くなるってことは、空打ちもったいない心理がさらに増しそう。
ランタス注ソロスターの空打ちは1回2単位なのに対し、ランタスXR注ソロスターの空打ちは1回3単位となっている。
ランタス注ソロスターは1単位が0.01mLですが、ランタスXR注ソロスターは1単位が0.0033mL。
空打ちの量的にはランタス注ソロスターが0.02mLなのに対し、ランタスXR注ソロスターは0.01mLとなっている。
そうすると、ランタス注ソロスターの空打ちも1単位で十分なんじゃないかと思ってしまう。

ランタス注のみならず、現在市場にあるインスリン製剤は全て100 単位/mLです。

市販インスリン製剤のインスリン濃度は、1922 年に10 単位/mL、1923 年に20 単位/mL、1924年に40 単位/mL、1925 年に80 単位/mL の製剤が各国で作られ、その後40 単位/mL と80 単位/mLの2 種類の製剤が長く併存して発売されていた。
しかし以前から、2 種類の濃度の製剤では投薬ミスの可能性が多くなることや、非10進法では計算が煩わしいことが指摘されており、IDF(International Diabetes Federation、国際糖尿病連合)が100 単位/mL 製剤へ統一するという結論を出したことで世界的に移行した。
日本でも2003 年3月に「40 単位/mL」製剤が経過措置品目として官報に告示され、2003 年6月に40 単位/mL 製剤の出荷中止、2004 年4月からは薬価削除となり、100 単位/mL 製剤のみに統一された。インスリン製剤の基礎知識

調剤ミス防止のために「100 単位/mL」に統一しましたが、ここにきてサノフィが脱線した感じなのでしょうか。
調剤ミスの温床となりそうですが、バイアル製剤でなくキット製剤のみの販売であれば問題ないのかも知れない。

画期的な新剤形であればいいですが、インスリングラルギンBS注「リリー」に対するジェネリック対策もとい、バイオシミラー対策であることは明白。

ノボラピッドのフレックスペンとフレックスタッチもちょこちょこピッキング間違い起こしています。
間違えたとしても健康被害は起こらないでしょうけど、インスリン製剤のようなハイリスク薬はなるたけ調剤ミス起こらないように配慮してほしいな。

ランタスXRとインスリングラルギンBS

ランタスXRは、インスリン濃度が300単位/mLの製剤で、ランタスの濃度(100単位/mL) を3倍に濃縮した製剤。
濃縮によって従来のランタスと異なるPK/PDを有するインスリンに生まれ変わった。
ランタスXRとランタスのPK/PDを比較したものでは、ランタスXRの方が血中濃度のピークは低く、血糖降下作用はより長時間持続することが分かる。
日本人2型糖尿病患者を対象とした第3相試験では、全日および夜間における低血糖の患者当たりの年間発現件数が、ランタスXRはランタスよりも有意に少ないことが示された。
薬効成分はランタスと同じグラルギンであり、それを濃縮した製剤にすぎないランタスXRは、なぜ作用持続時間が長いのか。
そのカギは、グラルギンのインスリン分子としての特性にある。
グラルギンは皮下に注射されると速やかに凝集・沈殿し、その後徐々に溶解して皮下から血中に移行する。

注射液量が3分の1になれば、その表面積は約2分の1になる。
注射液と皮下組織の境界の面積が減少すれば、それだけ血中への移行も緩徐になる。
ランタスXRの開発は当初、作用持続時問の延長を狙ったものではなく、1回の注射液量が多い患者に対応するためだった。
検討の過程でランタスよりも作用持続時間が長いことが分かり、新しい持効型インスリン製剤として開発されたという経緯がある。

使い捨てペン型注射器に充填された製剤1本当たりの薬価は、ランタスが2525円(300単位) 、ランタスXRが3102円(450単位) 、グラルギンリリーが1696円(300単位) となっている。
1単位当たりに換算するとランタスが8.42 円、ランタスXR が6.89 円、グラルギンリリーが5.65 円となるため、ランタスからランタスXRにすれば、グラルギンリリーとの薬価差は縮小する。
ランタスXRには、性能強化によるブランドカ維持36(時間)に加え、バイオ後続品対策の側面もある。

ランタスXRの特性として同一患者における血糖の日間変動が小さいことにも注目されている。
ランタスでは、血糖の日間変動が大きい患者がいる。
その場合、低血糖を防ぐため若干高めのコントロールにせざるを得ない。
治験で厳密に検討されてはいないが、ランタスXRではランタスよりも日間変動が小さい印象がある。
低血糖リスクの減少や、より低めの血糖コントロールの実現に寄与しそうだ。

参考資料:日経DI2015.11

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