更新日:2017年1月21日.全記事数:3,190件.

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ランタスのジェネリック?


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インスリン製剤のジェネリック

インスリン製剤にジェネリックは存在しない。
と思っていましたが、サノフィのランタスと同じ成分のインスリングラルギンBS注というのをリリーが販売する模様。
これはいかに。

インスリングラルギンBS注カート「リリー」および同注ミリオペン®「リリー」(以下、本剤とする)は、日本で初めてバイオ後続品として承認されたインスリン製剤です。本剤は、ランタス®(一般名:インスリングラルギン(遺伝子組換え))と同じアミノ酸配列を有する持効型溶解インスリンアナログ製剤であり、食間および夜間の持続的な血糖コントロールを目的としています。プレスリリース 日本イーライリリー株式会社

インスリングラルギンBS注「リリー」はバイオ後続品なのだそうだ。
ジェネリックってこと?

バイオシミラーとジェネリックの違いは?

バイオシミラーとジェネリック医薬品はどう違うのか。

バイオシミラーがジェネリック医薬品(後発医薬品)と大きく異なる点は、分子量が大きく構造が複雑であることからバイオシミラーでは先行バイオ医薬品との同一性を示すことが困難なことです。そのため、品質、安全性、有効性において、先行バイオ医薬品との同等性/同質性を検証することが求められます。従って、承認申請において、ジェネリック医薬品では「生物学的同等性」が示されればよいのに対し、バイオシミラーは新薬に準ずる申請資料の提出が要求されます。バイオシミラーでは免疫原性等に注意する必要があるため、製造販売後に安全性に関する調査を行う必要があります。また、バイオシミラーの薬価は、先行バイオ医薬品の70%が基本となりますが、臨床試験を実施した実績等を踏まえて10%までの上乗せが認められる可能性があります。バイオシミラーとジェネリック医薬品の違い/日本化薬MINK Web

バイオ後続品とは、国内で既に承認されたバイオテクノロジー応用医薬品(先行バイオ医薬品)と同等・同質の品質、安全性、有効性を有することが、先行バイオ医薬品との比較で示された医薬品と定義されている。
これまでソマトロピン、エポエチン、インフリキシマブなどのバイオ後続品が発売されてきたが、いずれも医療機関で注射する製剤であったり、使用する患者数が少ないなどの理由で、薬局で扱うことはまれだった。
グラルギンリリーは、ランタスからの切り替えなどで、多くの薬局にとって初めて交付するバイオ後続品になると考えられる。

化学合成医薬品の後発医薬品は、添加物や結晶形などの違いはあるものの、有効成分の分子構造は先発医薬品と完全に同一。
対してバイオ医薬品は、その製造過程が複雑で、遺伝子を大腸菌や酵母に導入して大量に培養し、精製抽出する工程を要する。
それらの工程が先行バイオ医薬品と同一になることはまずなく、不純物の種類や量、蛋白質の立体構造や糖鎖の付き方などが異なる可能性がある。
そのため、後発品とは異なり、承認申請時に臨床試験による生物学的同等性を示すデータが求められる。

バイオシミラーとジェネリックの違いについてはわかりましたが、薬局として気になるのは、ランタスの処方からインスリングラルギン「リリー」に変更調剤できるのか?という点。

サノフィのインスリン・ランタスのジェネリック名はグラルギンだと言うと、まるでグラルギンはランタスのジェネリックバージョン(後発薬)のようですが、もちろんそうではありません。この2つは同じインスリンの商品名「ランタス」と有効成分名「グラルギン」です。別の会社が特許の切れたその有効成分(ジェネリック)を使ったジェネリックバージョンが世に言うジェネリック医薬品ですが、バイオ医薬品ではバイオシミラー(バイオ後発品)と呼ばれます。現在、イーライリリーがLY2963016というコード名で第3相試験をしているのは「グラルギン」で、ランタスそのものではありません。また、イーライリリーは独自の持効型インスリンLY2605541も最終の第3相試験に入っています。持効型ではノボ ノルディスクもレベミルとトレシーバの2本立てでランタスの牙城に迫っています。私たちにとっては価格が下がらなければあまり意味のないことですが……。なぜインスリンの後発薬がないのか? [糖尿病] All About

薬局での変更調剤はでき無さそう。
アメリカでもバイオシミラーの変更調剤は州によって認められているところと認められていないところで分かれているようだ。

インスリングラルギン「リリー」の添付文書の一般名も、「インスリン グラルギン(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続1]注射液」とランタスと同一ではなく、「後続1」と書かれているので、変更はできないのだろうと思っているが、実際のところ定かではない。

先行バイオ医薬品(ランタス) からバ イオ後続品( グラルギンリリー) への薬局 での変更調剤は不可であるとの解釈が、現場の一部にあるという。
医学雑誌にも、 そのように記載された総説がある。
バイオ後続品では、製造販売後の安全性プロファイル調査が義務付けられており、その指針では「当該調査期間においては、有害事象のトレーサビリティーを確保することが重要であり、先行バイオ医薬品や同種・同効医薬品とバイオ後続品とを、一連の治療期間内に代替または混用することは基本的に避ける必要がある」とされている。
これが、変更調剤が認められない根拠と捉えられているようだ。

しかし、厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課によると、「一律にバイオ後続品への変更調剤を不可としているのではない」と話している。
つまり、上記調査の対象患者において、ランタスとグラルギンリリーを交互に使用するなど、調査に支障が出るような使用方法は避けてほしいという意味であり、それを除けば薬局での変更調剤は可能ということだ。

薬価の違いは、
インスリン グラルギンBS注カート「リリー」 300単位1筒 1,031円(ランタス注カート 300単位  1,834円)
インスリン グラルギンBS注ミリオペン「リリー」 300単位1キット 1,696円(ランタス注ソロスター 300単位  2,525円)
とのことで、患者メリットはありそう。

臨床試験を行わなきゃいけないバイオシミラーでも、結構安くなるのね。
インスリン製剤は、ノボ、サノフィ、リリーで市場を争っていますが、製品による利益以上に、競争相手に対する打撃が大きそう。

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