2018年11月15日更新.3,352記事.5,759,544文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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血圧が高いほうが調子が良い?

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血圧が高いほうが調子がいい?

「血圧が高いほうが調子が良いんだ」と仰る患者さんがいます。

それに対して、「血圧が高いと脳梗塞や心筋梗塞のリスクがうんぬん…」とか説明しても響かない。
調子が良いという患者さんの実感に勝るものは無い。

「ホンマでっかTV」で、朝塩をなめるとテンションが上がる、という話をしていた。
血圧を上げて、脳に血液が巡るようにしたほうが、頭が冴えるのだろう。
覚醒剤みたいなもの、とまではいきませんが、続けていれば健康を害する恐れはある。

血圧を下げれば、めまい、ふらつき、起立性低血圧で目覚めが悪いかも知れません。
降圧剤を飲んで、体調が優れないという患者もいるかも。

医療の目指すところは「寿命を延ばす」ということで、患者さんが「充実した人生を送る」ということではない。

「少しでも長生きをしたい」のか「早死にしても良いから、調子の良い今日を過ごしたい」と思うのか、患者さんに委ねる。

高齢者の血圧は下げなくてもいい?

高齢者の降圧目標値については議論の分かれるところです。
70歳以上では、血圧が高めのほうが生命予後が良い傾向にあります。

Jカーブ現象

冠動脈疾患(虚血性心疾患)と診断された方では拡張期血圧の過度の低下により逆に心筋梗塞や脳卒中などの心血管事故や死亡率が増加することが示されており(Jカーブ現象)、高齢者の場合、臓器障害を既にもっている方が多く、過度の降圧で虚血が起きやすいので注意が必要です。
そのため、以前のガイドラインでは高齢者の降圧目標値が若年者の降圧目標値よりも高めに設定されていました。
60歳代では140/90mmHg未満、70歳代では150~160/90mmHg未満、80歳代では160~170/90mmHg未満という風に。
しかし、現在のガイドラインでは高齢者の降圧目標値は70歳以上でも140/90mmHgと厳しく設定されています。
これは、以前の年齢別の血圧設定がエビデンスに基づくものではなかったことと、1999年のWHOの勧告で高齢者の降圧目標値も140/90未満とされていることから、世界標準にあわせた設定にされています。

血圧100mmHg以下は病気?

全身動脈圧の低下を低血圧という。

明確な定義はないが、一般に収縮期血圧100mmHg以下の場合をいうことが多く拡張期血圧は考慮しない。
低血圧の基準を満たしても愁訴や症状のない場合は体質性(本態性)低血圧と定義され、治療の必要性はない。

朝起きられないのは低血圧のせい?

低血圧とは一般的に収縮期血圧が100mgHg以下の場合を言いますが、正式な診断基準ではありません。
高血圧と違って、低血圧に診断基準はありません。

血圧は夜眠っているとき低くなり、日中は高くなりますが、低血圧の人はこの血圧の上昇がうまくいかないため、朝起きるのがつらかったり、だるかったりします。夕方から夜にかけては人より元気になったりする人もいます。
そのために怠けていると思われる人も多いようです。

原因としては、精神的ストレスが自律神経に影響して、血圧のコントロールがうまくいかなくなって起き上がっても血圧が上昇しないということが考えられる。
高血圧と違って、命に関わる病気ではないので軽視される。

本態性低血圧

原因が明らかでない低血圧。

特に原因は同定できないが一部に遺伝が関与している可能性がある。
低血圧以外に頭痛、肩こり、めまいなどさまざまな症状を呈することがある。

二次性低血圧

何らかの原因があり血圧低下が起こっている場合(心筋梗塞、心不全、解離性大動脈瘤、出血、下痢・嘔吐による脱水、腸閉塞、急性中毒、副腎皮質機能不全、甲状腺機能低下などがある。

原疾患の治療が必要となる。

脳貧血と貧血は違う?

貧血は、血液中の赤血球が少なくなる病気です。

脳貧血は起立性低血圧の俗称です。

立っていると、地球の重力の作用で、血液は下半身のほうへ引っ張られ、上半身を流れる血液は減少するはずですが、自律神経が下半身の血管を収縮させ、上半身に十分な量の血液が流れるように調節しています。

この調節機構に障害が生じると、めまい、立ちくらみなどの脳貧血がおこります。

貧血でもめまいは起こりますが、脳貧血とは違います。

立ちくらみ

急に立ち上がるとめまいがする。
立ちくらみと言います。

なぜ立ち上がるとめまいがするのか。
急に立ち上がることで約500mLの循環血液が腹腔や下肢に移動するとされている。

通常は、下肢の血管を収縮したり、心臓収縮力を増強し、心拍数を上げるといった代償機構が働く。
それが働かないと血圧が低下しめまいが起こることになる。

降圧剤やパーロデル、フェノチアジン系抗精神病薬、三環系抗うつ剤などは、この代償機構をブロックするため、起立性低血圧を起こしやすい。

降圧剤で立ちくらみ

高血圧は自覚症状がほとんどありませんので、たとえ軽い症状でも、服薬をやめてしまう人、あるいは治療を中断してしまう人がいます。
そこでまず、高血圧治療の意義、すなわち脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の予防に極めて重要であることを説明します。

また、利尿薬を含めてほとんどの降圧薬は血管拡張作用を有するので、降圧治療を始めると立ちくらみを起こす可能性が高くなります。
そのことを知らされていない患者さんは、立ちくらみが頻繁に起こると服薬を中止してしまう方がほとんどです。

そこで、「降圧薬は血管を開いて血圧を下げるので、立ち上がった時に足の方に血液がたまりやすくなり、立ちくらみが起こることがあります。或る意味で、それは薬が効いている証拠でもあります。

できるだけ、ゆっくり立ち上がることを習慣にしてください。特に、食後、入浴時、朝方、酔っている時、夜トイレに行く時は、気をつけてください。立ちくらみが起こったら、しゃがみこむか、横になれば症状は良くなるはずです。ゆっくり立ち上がっても症状が起こるようなら、医師と相談してください。」と説明します。

また、高齢者では、食後に血圧が下がり眠くなることがあります。
そのような場合は、食後に座って血圧を測ってもらい、収縮期血圧が110mmHg以下の場合は、下げすぎの可能性もありますので、主治医に相談するようにしましょう。

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