更新日:2016年12月23日.全記事数:3,079件

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クロムでダイエットできる?


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クロムで低血糖?

クロムやセレン、亜鉛などが糖尿病予防に効果的と謳われ、サプリメントとして販売されている。

クロムと聞くと六価クロムを思い浮かべ、金属のめっき、発現性、毒性をイメージしますが、サプリメントに含まれるクロムは三価クロムであり、ミネラルとしても体に必要な元素です。

インスリンが体内でレセプターと結合するのを助ける働きをしている耐糖因子を構成する材料となる3価のクロムが体内で不足すると、糖代謝の異常が起こり糖尿病の発症に至る可能性があることが明らかにされている。この方面の研究によって、人間にとって必須の栄養素であることがわかってきた。クロム – Wikipedia

糖尿病に効果的、ということは低血糖を引き起こすリスクも兼ね備えているわけです。

セレンや亜鉛は細胞の中に糖を取り込ませる作用、インスリンのような作用を持つミネラルなのだそうだ。

糖尿病に効く、糖の利用を促進する、新陳代謝を加速する、脂肪燃焼効果、ダイエットに効果的、といった「やせるかも知れないイメージ」を植え付けて、消費者心理を煽るような販売手法は、いかがなものかと思う。

アメリカでは、2008年に政府機関が、ある特定のダイエタリーサプリメントにセレンやクロムが高濃度に含まれていて、健康被害が報告されていると注意喚起しました。この製品の利用者に、脱毛、筋肉のけいれん、下痢、関節痛などの症状が出ましたが、検査の結果、最も多いもので1回摂取量中に40,800マイクログラムのセレンが検出され、クロムは3,426マイクログラムが検出されました。セレンやクロムを含むサプリメントの過剰摂取にご注意|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局

セレンやクロムが通常の食生活で不足することは無いので、サプリメントとして補給する必要性は乏しい。
確かに通常の食生活を送れていない人は多いが、優先順位としては食生活の改善。
ダイエット目的で補給するサプリメントではない。

エネーボなどの栄養剤に、セレンやクロムが添加されているが、もしこれらの栄養素で体重が減少するのだとしたら、経腸栄養剤を飲むような患者にとっては逆効果ということになる。

必須ミネラルと呼ばれる、カルシウム(Ca)、リン(P)、カリウム(K)、硫黄(S)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、セレン(Se)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ヨウ素(I)の16種類のミネラルは、欠乏症を起こすため人体に必須と言われる。
カルシウム(Ca)、リン(P)、カリウム(K)、硫黄(S)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)の7種類が主要ミネラルで、他9種類が微量ミネラルと呼ばれる。
微量ミネラルは微量に摂取すれば足りるミネラルであり、通常の食生活で十分摂取できるものです。
が、エネーボなどの栄養剤を飲んでいる患者は通常の食生活のできない患者である可能性が高く、これらの栄養素を含む栄養剤が好ましいだろう。

クロムで糖尿病予防?

クロムがインスリン分泌や血中グルコース濃度に影響を与え、糖尿病の予防に効果があることが言われているが、最近のメタアナリシスにおいても、そのことについての証明はなされていない。

クロムサプリメントの摂取によって、インスリンやスルホニル尿素(SU)薬、ビグアナイド薬(メトホルミン)の必要量を低下させる可能性は示されているものの、クロムの糖尿病患者を対象としたデータは決定的なものになっていないようである。

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