更新日:2015年10月22日.全記事数:3,094件

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

ブロプレスが前立腺がんに効く?


スポンサードリンク

ARBが前立腺癌に効く?

ブロプレス(カンデサルタンシレキセチル)が前立腺がんに効くのではないかという話があります。
ARBが色んな疾患に効くような話が出てきても、不正論文があってからは眉唾に感じますけど。

再燃前立腺がんにアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)が処方されることがあります。
ARBには、前立腺がんのマーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を低下あるいは安定化させるとの報告があります。
機序については、ARBが上皮増殖因子(EGF)の受容体結合によりシグナル伝達系を阻害する作用が血管内皮細胞で証明されています。この作用が前立腺がん細胞でも起きることで、PSAを低下させると考えられています。また効果については、再燃前立腺がん患者(22例)にブロプレス経口投与した結果、約40%(9例)の患者において、PSA低下あるいは安定化が認められ、効果発現は、14.7週間と長い期間を要するとの報告があります。
日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?

去勢抵抗性前立腺癌では既存の抗アンドロゲン薬が効かなくなって、中止するとPSAの低下や改善がみられることもある。
中止期間にARBを使ってみるのもいいかも。

前立腺とアンジオテンテンの関係

“前立腺や精巣、精巣上皮などでは、アンジオテンシンⅡ(AⅡ)が局所的に産生されている。
前立腺癌細胞、特に去勢抵抗性前立腺癌細胞で多く発現しているAⅡタイプ1(AT1)受容体にAⅡが結合すると、細胞増殖が促進される。

AT1受容体は前立腺間質細胞にも発現しており、AⅡ刺激によって細胞増殖が促進されるとともに、炎症性サイトカインあるいは増殖因子のインターロイキン(IL)6、IL1α、IL8、単球走化性因子(MCP1)などが分泌される。
これらのサイトカインはいずれも、去勢抵抗性前立腺癌を増悪させる要因となることが分かっている。

ブロプレスは、前立腺がん細胞、特に去勢抵抗性前立腺癌に多く発現するAT1受容体を遮断して、IL6などの炎症性サイトカインの産生を抑制する。
その結果、抗炎症作用や血管新生抑制作用が主に働いて、抗腫瘍作用につながると推測されている。”

炎症性サイトカインと前立腺癌

“IL6は、去勢抵抗性前立腺癌細胞の重要な増殖因子の一つと考えられている。
IL6が多いと癌細胞のアポトーシスが起こりにくくなってしまう。

IL1αは、他の多くの癌で血管新生や浸潤に促進的に働くことが知られている。

IL8は、男性ホルモン非存在下であってもホルモン依存性前立腺癌の増殖を促進する。

MCP1は、胃がんで血管内皮成長因子(VEGF)の分泌と相関することが知られており、AⅡが前立腺癌間質細胞を刺激することにより、VEGFなどの血管新生因子の分泌を介して、血管新生を促進すると推測されている。”

自分もいつかは前立腺癌になるのだろうなあ。

参考資料:日経DI2014.9

スポンサードリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
座右の銘:継続は力なり、失敗は成功の母
follow us in feedly

リンク

薬剤師に役立つリンク集
医薬品医療機器総合機構(新薬・公知申請)
添付文書(PMDA)(添付文書)
社会保険診療報酬支払基金(診療報酬関係通知)
Minds医療情報サービス(ガイドライン)
ミクスOnline(ニュース)

人気の記事

最新の記事

検索

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサードリンク