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牛車腎気丸が末梢神経障害に効く?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬. 閲覧数:794回
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牛車腎気丸がしびれに効く?
高血糖が続いて、ブドウ糖の代謝時に生じるソルビトールという物質が神経細胞内の中にできると、細胞膜を通過しないため、細胞内の浸透圧が異常に高くなって細胞膜が破壊され、神経細胞が正常に機能しなくなるため、末梢神経組織に障害が起こります。
したがって、糖尿病性神経障害の発症にはこのソルビトールの蓄積が重要な役割を果たしていると考えられています。
そこで、このソルビトールが生成されないように、仲介役の還元酵素の作用を断ち切ってしまおうというのがアルドース還元酵素阻害薬(ARI)です。
ARIはソルビトールの蓄積を減らし、末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ、痛み)を改善するとされています。
このARIとしてはエパルレスタット(キネダック)が繁用されていますが、効果は末梢性神経障害の適応症があるメコバラミン(メチコバール)をほぼ同等とも報告されています。
また、不整脈治療剤(心室性・頻脈性)として使用されていた塩酸メキシレチン(メキシチール)も、2000年7月に「糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善」の効能が追加されています。
ソルビトール生成経路を阻害する作用があると報告されている漢方薬には、牛車腎気丸、八味地黄丸、桂枝加朮附湯などがあります。
牛車腎気丸の特徴は?
比較的体力の低下した人あるいは老人に適している。
足腰が弱り、冷え、痛み、しびれ、脱力感などの症状があり、小便が近い(特に夜間)などの症状がある場合。
上腹部に比べて下腹部が軟弱無力のもの(臍下不仁)。
口の渇きがあって食欲のある場合に用いる。
八味地黄丸の証で、尿利減少、浮腫(主に下半身)が著しい場合に用いる。
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