更新日:2016年12月21日.全記事数:3,136件.

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デパケンでカルニチン欠乏症?


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カルニチンの役割は?

エルカルチンというカルニチン欠乏症に使う薬がある。
成分はレボカルニチン。カルニチンです。

カルニチン欠乏の原因としては、先天性代謝異常症によるものや、肝硬変など後天的医学的条件によるもの、さらには長期間の透析や薬剤の投与などの医療行為によるものがあります。

カルニチン欠乏症というのは、その名の通りカルニチンが欠乏した状態。
カルニチンってサプリメントで売られていますが。
脂肪を燃えやすくしてくれる成分としてダイエット目的で使われたり、その際にエネルギーが発生することで慢性疲労に使われたりする。

それ以外にも色々な働きがあります。
カルニチンはミトコンドリアの働きに影響を及ぼすらしい。
ミトコンドリアへの脂肪酸の運搬の役割を担うのがカルニチン。
カルニチン欠乏状態だと脂肪酸β酸化ができず、糖新生が行えないため、低血糖を来たします。

体内のアンモニアを尿素に分解する尿素サイクル。
これもミトコンドリア内で行われるので、カルニチン欠乏状態だと高アンモニア血症になる。

デパケンでカルニチン欠乏?

話をもどして、エルカルチンの添付文書に、

バルプロ酸投与による二次性カルニチン欠乏症患者において、レボカルニチン50mg/kg/日 経口投与により、高蛋白摂取時の血漿中アンモニア濃度の上昇抑制が認められた。

とある。
デパケンでカルニチン欠乏症が起こるらしい。

デパケンの副作用には、カルニチン減少、そしてそれによる高アンモニア血症が記載されている。
そして、デパケンの禁忌には、「尿素サイクル異常症の患者[重篤な高アンモニア血症があらわれることがある。]」とある。

バルプロ酸が尿素サイクルに必要な酵素、カルバミルリン酸合成酵素Ⅰの活性を阻害するという話。

高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあるので、定期的にアンモニア値を測定するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

とあるので、意識障害まで出たらデパケンは服用中止ですが、どうしてもデパケンを止められないような難治性のてんかん患者ではエルカルチンを併用することもあるらしい。

バルプロ酸による高アンモニウム血症の機序

人は、ミトコンドリア内のカルバモイルリン酸シンターゼⅠ(CPS-Ⅰ)によって、生体にとって有毒であるアンモニアを尿素に変えて無毒化する。

カルニチンは、生物がエネルギーを取り出すために利用する脂肪酸を燃焼の場であるミトコンドリア内部に運搬する役割を担う。

バルプロ酸による高アンモニア血症の機序は、
①バルプロ酸ナトリウム代謝の過程でプロピオン酸、バルプロイル-CoAが増加し、尿素サイクルにおいて重要な酵素CPS-Ⅰの活性が阻害される
②カルニチン低下によって脂肪酸のミトコンドリア内への取り込みが低下し、β酸化が抑制されCPS-Ⅰの必須活性化因子であるN-アセチルグルタミン酸の産生が低下することでCPS-Ⅰの活性が低下する
という理由で、アンモニアが上昇することが考えられている。

参考書籍:調剤と情報2015.11

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