更新日:2016年12月21日.全記事数:3,118件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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スピリーバで死亡率上昇?


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自覚症状の無いCOPD患者

自覚症状の無いCOPD患者にスピリーバなど吸入抗コリン薬が処方されていたりする。
高血圧など他の多くの疾患も同様、自覚症状の無い病気というのはコンプライアンスは悪くなりがちなわけで。

COPDの患者でも、呼吸困難とか咳があれば、せっせと吸入に励むのでしょうけど、若くて自覚症状に乏しい患者はコンプライアンスが悪い。
COPDの発症のピークは50~60代ですが、それは自覚症状が出る年齢で、40歳くらいで自覚症状がなくてもCOPDの初期で治療を開始したほうがいいという見方なのか。
飲み薬ならまだいいのかも知れませんが、吸入だからか、余計に面倒くさがる患者が多い。

「使う必要あんの?」みたいに聞かれることもしばしば。

自覚症状がなくても、スピリーバを使って呼吸機能が改善されれば、生命予後の改善効果が見込まれる、と思っていました。

がしかし、スピリーバを使用するとプラセボに比べて死亡率が52%高まるという論文がある。

2011年6月,British Medical Journalに,スピリーバ・レスピマットにより死亡率が52%増加したという衝撃の報告がなされた.【文献】COPDにおけるチオトロピウム(スピリーバ®)レスピマット吸入と死亡リスク,TIOSPIR trial EARLの医学ノート

β刺激薬や抗コリン薬などの脈拍を増やす傾向のある薬は、死亡率に悪影響があるのかも知れない。

レスピマットは危険だけど、ハンディヘラーは大丈夫、とか、レスピマットも問題ないとかまだ論争の真っただ中のようですが、最近はスピリーバ以外のCOPD治療薬が続々と出ているので、それらのデバイスについても気になるところ。

しかしいずれにせよ、死亡率を低下させるということは無さそうなので、自覚症状の無いCOPD患者に吸入薬のコンプライアンスを高めるような服薬指導の必要性は無さそう。
というか自覚症状の無いCOPD患者に、抗コリン吸入薬を処方する必要性も無いということか。

レスピマットが処方されている患者に寿命が縮まる可能性とか説明したら、コンプライアンスは下がるだろうなあ。

スピリーバの自覚症状以外に対する効果

しかし、普段息切れなどの自覚症状を感じないCOPD患者が、救急で何回も運ばれてくるというケースにも遭遇した。
そういう人は「自覚症状が無い」と言っているが、症状を感じていない、呼吸困難感に慣れてしまっているというだけで、悪化するときは急激にダウンする。

・65歳、拡張剤後FEV1予測値50%程度平均のCOPD患者では、早期に、tiotropium導入することは、その後の自覚症状以外のCOPD臨床所見改善につながる
・症状改善効果でtiotropiumの効果を判定するのは誤りCOPDに対するスピリーバ治療の早期導入は、その後のCOPD病態の進行へ影響を与える 内科開業医のお勉強日記

自覚症状がなくても、検査結果で呼吸機能が悪化しているようであれば、吸入剤を使う意味もある、のかな。

2020年にCOPDは死因の第3位に?

死亡原因となる疾患というと、癌、脳卒中、心筋梗塞を思い浮かべる。

COPDの患者は今後ますます増えてくるようです。

COPDのわが国の推定有病者数は500万人以上にものぼり、2020年には世界における死亡原因の第3位になると予想されています。高血圧や糖尿病のようにCOPDは身近な病気にもかかわらず、その診断率は5%にとどまっており、大半の患者さんは見過ごされています。COPD – Welcome to 佐野内科ハートクリニック

喫煙者も減ってきているので、今後下降気味になるのかと思いきや、中国の大気汚染とかの影響もあるのかな。

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