更新日:2016年8月10日.全記事数:3,191件.

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ホルモン剤を飲み忘れたら?


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不正出血

月経以外の子宮内膜からの出血を不正出血というが、このうち、癌や炎症などの器質的疾患や妊娠を伴わず、ホルモン分泌異常に起因するものは機能性子宮出血と呼ばれている。
子宮内膜の増殖や剥脱は、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)に支配されている。
正常の月経周期では、子宮内膜は卵胞で合成されたエストロゲンによって増殖し、排卵後に黄体から分泌されるプロゲステロン(およびエストロゲン)によって、さらに厚みを増す。
その後、これらホルモンの正常な消退によって子宮内膜の剥脱が起き、月経が生じる。

機能性子宮出血

機能性子宮出血は、このエストロゲンとプロゲステロンの分泌のバランスが崩れ、子宮内膜に部分的な破綻が生じることによって起きる。
機能性子宮出血は、その出血時期と病態から、⑴持続するプロゲステロンの分泌に比べてエストロゲン産生か低下した場合に起きる「卵胞期出血」、⑵排卵直後の一時的なエストロゲン分泌低下期に出現する「排卵期出血」、⑶黄体機能不全によって起きるプロゲステロン産生低下が原因の「月経前出血」、などに分類される。

ホルモン療法

治療では、ホルモンバランスの異常を是正するために、患者の病態に合わせて各種のホルモン関連製剤が使用される。

卵胞期出血では、エストロゲンを補充する目的でエストロゲン製剤が使用される。
月経前出血では、産生か低下したプロゲステロンを補充するためにプロゲストーゲン製剤が使用されるほか、黄体機能を賦活してプロゲステロンの分泌を増やす目的で排卵促進剤が使用されることもある。
排卵期出血の場合は、一過性で出血も少ないため、患者が納得すれば治療が行われないことも多いが、短期間のエストロゲン製剤投与が行われる場合がある。

プラノバールは、エストロゲンとプロゲストーゲンの合剤である。
2種類のホルモンを同時に補充することで、排卵後の分泌期の状態(エストロゲンとプロゲステロンの両方の分泌量が多い)を模倣し、子宮内膜を安定化させ出血を抑える。
全てのタイプの機能性子宮出血に有効だが、特に出血量が多い場合に使用される。
服用開始後2~3日で止血するが、通常は7~10日間ほど服用を続ける。
服用終了数日後に出血があるが、4~6日程度で自然に止血する。

このように、機能性子宮出血の治療では、ホルモンの血中濃度を一定期問持続することが目的となるため、ホルモン関連製剤は毎日決まった時問に服用を続ける必要がある。
飲み忘れた場合の対応は、薬刑の血中動態や医師の判断により異なるが、「くすりのしおり」には「気が付いたときに1回分飲む。ただし、次に飲む時間が近い場合は飲まないでおき、次に飮む時間から飲む」とある。
なお、服用忘れにより服用間隔が延長されることで、血中ホルモン濃度が低下し、一度止まっていた出血が再発する可能性がある。
患者には、その可能性を伝えるとともに、再出血した場合には医師に相談するように指導する。

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇

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