更新日:2016年12月10日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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乳糖で賦形しちゃいけない薬がある?


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乳糖の配合変化

「乳糖を混ぜちゃいけない薬ってありますか?」と聞かれて困る私です。

散剤の調剤時に、量が少ない時は、乳糖で賦形する。

定番の行動になっていますが、乳糖で賦形できない薬というのも存在するので注意する。

ネオフィリン(アミノフィリン)末、イスコチン(イソニアジド)末は乳糖賦形ができません。
これは、両剤とも乳糖との混合により配合変化を起こし、含量低下が起こるためです。よって、両剤を賦形する場合には、でんぷんを使用します。

なお、乳糖不耐症の場合には下痢を起こすために乳糖は用いませんし、糖尿病の場合にも留意すべきでしょう。乳糖で賦形できない薬剤って何? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?

先日、結核予防にイスコチン末の処方が出て、乳糖賦形しそうになって「やべ」みたいになった。

ネオフィリンもあまり処方されない薬なので、気付かずに乳糖で賦形しないように、注意。

乳糖で賦形できないということは、乳糖を含有する散剤との混和もできないということ。
アミノフィリン、イソニアジドは他の薬との混和で配合変化を起こし得るので、単独で調剤することが望ましいだろう。

イソニアジドと乳糖を混ぜてはダメ?

イソニアジドと乳糖を混合すると力価が低下するため、イスコチン錠粉砕時はデンプンで賦形をする。

賦形の目的

散剤調剤時に賦形剤を加えることで、秤量誤差や分包誤差を少なくすることが可能となる。
また、賦形剤を加えることによって濃度が低くなり、分包紙内に残って服用できない薬剤の影響が少なくなる。
散剤調剤時に用いる賦形剤は通常、乳糖またはデンプン、あるいは乳糖とデンプンの混合物である。
乳糖は、広い粒度分布を持ち、混合性、流動性などに優れている。
しかし、患児によっては、賦形剤に通常用いる成分を服用できない場合があったり、粉砕する薬剤によっては、薬剤と賦形剤とを混合することで変色や力価の低下が起こる場合があるため(例:イソニアジドと乳糖を混合すると力価が低下するため、イスコチン粉砕時はデンプンで賦形をする)、注意が必要である。

賦形剤の量

賦形剤の量を増やすと誤差を小さくできるが、小児では1回に服用できる量に限度があるため、賦形剤の量が多過ぎると全量を服薬できなくなるという問題が起こる。
そのため、散剤の自動分包機の精度を確認し、1回服用量を0.2~1gの間にするように賦形剤を加える方法が取られることが多い。
また、賦形剤の量により、調剤された散剤のかさや外観に違いが生じる。
患児本人や家族の混乱を防ぐため、調剤内規で調剤方法を統一することが大切である。私の薬局では1回服用量が0.3gに満たない場合は、1回当たり0.3gの乳糖を賦形している。
イトリゾールやタケプロンの脱カプセルなど、カプセル剤の内容物が顆粒の場合は、賦形剤と粒子径が異なり均一に混合できないため、賦形剤は添加しない。

顆粒と円盤

転逃性のある顆粒(イトリゾールやタケプロンの脱カプセルなど)は、円盤型の分包機では、顆粒が転がってしまい分包誤差を生じやすいため、往復型の分包機で分包を行うなどの工夫が必要である。

牛乳アレルギー患者に乳糖を使用してもいいか?

牛乳アレルギーは食物アレルギーの一種で、牛乳などに含まれる「カゼイン、乳清タンパク(α、β-ラクトグロブリンなど)」をアレルゲンとします。

局方乳糖では、純度試験により「混在の可能性が予想される蛋白質など」についても試験しており、その製造工程等から考えて、蛋白質の残留は考えにくいので、問題ないものと考えられます。

また、乳糖は加工食品中に甘味剤として添加されており、相当広範囲に使用されていることから疫学的に見ても、問題ないものと考えられます。

牛乳アレルギーは牛乳蛋白(カゼイン、β-ラクトグロブリン、α-グロブリン等)をアレルゲンとする食物アレルギーで、消化器症状(下痢、血便、嘔吐等)、皮膚症状(蕁麻疹,かゆみ等)、呼吸器症状(くしゃみ,鼻水,呼吸困難等)など多彩な症状を示します。
乳糖分解酵素ラクターゼの活性が低下・欠損した乳糖不耐症とは異なる。

しかし、牛乳アレルギー患者においては乳糖不耐症の頻度が高く、また乳糖不耐症の患者においては牛乳蛋白に対するアレルギーが存在したとする報告や、乳糖に牛乳蛋白が混入している可能性があるとする報告があるので、牛乳アレルギー患者に乳糖を使用する場合は慎重にする。

賦形剤として多用されている乳糖自体には本来アレルゲン性は認められないが、精製過程で微量の牛乳由来蛋白質が混入することがあり、重症の牛乳アレルギーの場合は使用を控えるべきである。
非常に感受性の高い牛乳アレルギーの患者は、乳糖によって症状を誘発することがあるので注意が必要である。

乳糖を含まない薬を選ぶのは困難だが、「牛乳アレルギーである」という患者に対しては、どの程度のレベルの牛乳アレルギーであるか聴取し、不必要な乳糖の賦形は避けた方が良い。

参考書籍:調剤と情報2007.5

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