更新日:2016年8月26日.全記事数:3,190件.

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尿漏れの薬で口が渇く?


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尿漏れ防止薬と口の渇き

抗コリン薬で口が渇くというのは有名。

尿漏れ防止薬として使われる抗コリン薬で口渇はやっかいだけど、口も膀胱もムスカリン受容体のM3受容体で作用するので、受容体選択性を高めても口渇の副作用は軽くならない。

頻尿のために使った抗コリン薬で口が渇いて、飲物を頻回に飲んで、逆に頻尿が悪化、なんてことになったら元も子もないので、口渇のひどい患者は中止するハメになる。

▼抗コリン薬-2
※ベシケア、デトルシトール、ウリトス、ステーブラ、トビエース

発売が新しい新規抗コリン薬で、旧世代のポラキスやバップフォーに変わり処方される機会が増えています。抗コリン作用にもとづく本質的な効果は同じなのですが、膀胱にだけ選択的に効く点が違います。言いかえれば、膀胱以外での作用が弱く、不快な口内乾燥や便秘、眠気や認知障害などの副作用がでにくいのです。そして、保険適応症は世界共通の症状症候群として統一され、「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿おび切迫性尿失禁」になります。

なかでもベシケアは膀胱に対する選択性が非常に高く、治療効果にも優れます。次のデトルシトールは海外でも広く処方されている安全性の高い薬剤で、副作用が少なく、高齢の人にも使いやすいです。ウリトスとステーブラには、水なしで飲める口腔内崩壊錠(OD錠)があります。最後のトビエースは、活性代謝物(5-HMT)に分解されてから効果を発揮するプロドラッグタイプの新薬です。トビエースとデトルシトールの活性代謝物は同じものなのですが、トビエースの高用量製剤では同等以上の有効性が示されています。病気別の薬フォルダー/頻尿・尿失禁-1

古いポラキスやバップフォーは膀胱選択性が低くて、新しい薬は膀胱選択性が高い。

受容体レベルの話じゃないんだろうけど、理由はよくわからない。

ステーブラの口渇は慣れる?

ベシケアとステーブラ
両薬剤の有効性と副作用の発現率については、イミダフェナシンとソリフェナシンの無作為割付並行群間比較試験が参考になる。
両薬剤の服用開始時、4週後、8週後、12週後における有効性や副作用の発現状況を評価したところ、有効性に関しては両薬剤とも同等だった。

一方、副作用の口腔乾燥については、症状の継続期間において、両薬剤に違いがあった。
ソリフェナシン群では、4週でベースラインから有意な悪化を認めた上、その状態は12週まで持続していた。
これに対し、イミダフェナシン群においては、4週でベースラインから有意な悪化を認めたものの、8週、12週と時間が経過すると、口腔乾燥は急速に改善する傾向が示された。
これらの結果から、ソリフェナシンは口腔乾燥がイミダフェナシンより長期間持続する可能性が高いことが分かった。

抗ヒスタミン薬で口渇?

体内にはアセチルコリン受容体といって、ヒスタミン受容体と良く似た形(鍵穴)の受容体があります。

そのためヒスタミンはヒスタミン受容体と間違えて、アセチルコリン受容体にも結合してしまいます。

アセチルコリン受容体は、名前の通りアセチルコリンが結合する受容体で、「唾液分泌を促進せよ」という指令を送っています。

この受容体に抗ヒスタミン薬が結合すると、肝心のアセチルコリンが結合できなくなり、唾液分泌が抑制され、その結果口の中が渇いてしまうのです。

過活動膀胱治療薬の種類は?

頻尿・尿失禁治療薬(抗コリン薬)。

抗コリン薬は口渇、便秘、目のかすみなどの副作用があらわれることがあることを説明する。

過活動膀胱に対して、抗コリン薬より副作用が少ないβ3受容体作動薬の開発・承認申請が進行している。

尿意切迫、切迫性尿失禁、頻尿を主な症状とする過活動膀胱には、トルテロジン(デトルシトール)、ソリフェナジン(ベシケア)、イミダフェナシン(ステーブラ、ウリトス)などの選択性ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)または抗コリン作用とカルシウム拮抗作用がある、プロピベリン(バップフォー)がファーストチョイスとして用いられる。

高齢者では抗コリン薬により、口渇、便秘、認知機能低下などの副作用が出現しやすい。

イミダフェナシンは抗コリン薬の副作用である口渇が比較的少ない特徴を持つ。

男性では、単剤ではなく、選択的α1阻害薬との併用が一般的である。

抗コリン薬はムスカリン受容体拮抗作用により効果を発現する。

ムスカリン受容体にはM1、M2、M3、M4、M5受容体の5種類のサブタイプが存在する。

このうち、主に膀胱の収縮に関与しているのは、膀胱括約筋に存在するM3受容体と副交感神経後膜に存在し膀胱の神経終末からのアセチルコリン遊離に関与しているM1受容体である。

膀胱平滑筋のM3受容体は、アセチルコリンに刺激されることで膀胱収縮を誘発する。

イミダフェナシン(ウリトス、ステーブラ)、コハク酸ソリフェナシン(ベシケア)、プロピベリン塩酸塩(バップフォー)、オキシブチニン塩酸塩(ポラキス)にM3受容体選択性が認められている。

酒石酸トルテロジン(デトルシトール)は、M3受容体への親和性よりもM1、M2、M5受容体への親和性のほうが強い。

膀胱収縮だけでなく唾液成分や腸管収縮などの作用にもM3受容体は関与しており、M3受容体への作用が口渇や便秘といった副作用の発現に影響を与えている。

過活動膀胱に適応のある薬は?

すべての薬剤が頻尿、尿失禁の治療に用いられるが、過活動膀胱に適応となっているのはイミダフェナシン、トルテロジン、ソリフェナシンの3成分である。

用法はトルテロジン、ソリフェナシン、プロピベリンは1日1回の服用であるが、イミダフェナシンは1日2回、オキシブチニンは1日3回の服用である。

なお、トルテロジンは徐放性製剤である。

プロピベリンおよびオキシブチニンの臨床成績は、投与前後での神経因性膀胱および不安定膀胱の患者における自覚症状の「改善」および「著明改善」の割合により評価されている。

いずれの薬もプラセボに対して頻尿、尿失禁が有意に改善したが、オキシブチニンの尿意切迫感改善はプラセボと差が認められていない。

ムスカリン受容体の種類は?

膀胱排尿筋を支配する副交感神経末端からアセチルコリンが放出され、膀胱排尿筋のムスカリン(M)様アセチルコリン受容体に結合すると膀胱排尿筋の収縮が起こる。

M受容体はM1~M5のサブタイプが知られており、膀胱排尿筋の収縮に関与するのは主にM3受容体であるが、M2受容体も交感神経β3受容体を介した膀胱の弛緩を抑制することで、間接的に膀胱の収縮を促進していると考えられている。

また、M3受容体は膀胱以外に虹彩、毛様体、涙腺、唾液腺、消化管などにも分布しているため、視聴覚障害、口内乾燥や便秘などの副作用が問題となる。

排尿障害に用いられる抗コリン薬は、全てM受容体を遮断することで有効性を示す薬剤であり、M受容体遮断薬とも呼ばれる。

M受容体遮断薬にはM3受容体選択性が高いものと低いものがあるが、選択性の向上と副作用軽減の機序的な関連性は十分に明らかではない。

膀胱頸部や膀胱近くの尿道の平滑筋は内尿道括約筋と呼ばれ、交感神経が興奮するとα1A受容体を介して収縮する。

同様に、男性の前立腺平滑筋もα1A受容体を介して収縮する。

また、外尿道括約筋や骨盤底筋は、体性神経の支配が優位であり、ニコチン様アセチルコリン受容体を介して収縮するため、M受容体遮断薬の影響を受けない。

参考書籍:日経DI2014.5

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コメント

  1. お尋ね致します。

    現在、過活動膀胱にてベシケアを時により5~10mg服用しておりますが、尿意切迫と尿漏れの症状がイマイチ改善されません。

    薬効として比較した場合、トビエース8mgとベシケアでは、
    どちらが強く効くのでしょうか?。

    匿名:2017/9/13

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