更新日:2015年10月22日.全記事数:3,094件

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バクタは怖い薬?


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バクタを長期服用しても大丈夫か?

バクタ顆粒が小児の尿路感染症の予防に、少量長期で処方されていることがある。
週1、週2、週3などの投与法もあるようだ。

尿路感染症を発症すると、30~50%は再発すると考えられている。
尿路感染を起こしている原因として、膀胱尿管逆流症というのがある。

細菌(ほとんどが大腸菌)はおしっこの出口から膀胱に入ってきますがここで侵入が止まれば、膀胱炎になることはあっても熱は出ません。ところが膀胱尿管逆流症のあるお子さんは、おしっこをするたびに膀胱の出口からおしっこが出るだけでなく、尿管の方にもおしっこが逆戻りするために、細菌が腎臓まで送り込まれてしまいます。腎臓は体の中でもっとも血液の豊富な臓器であり、ここに細菌が取り込まれると39~40℃という高熱を出しやすいのです。これを腎盂腎炎と呼びます。もちろん逆流がなくても腎盂腎炎は起きることがありますが膀胱尿管逆流症のあるお子さんでは、その頻度が高いのです。1歳以下の赤ちゃんで腎盂腎炎を起こした場合、きちんと調べると半数以上に膀胱尿管逆流症が見つかります。膀胱尿管逆流症|主な病気・症状|小児泌尿器科|東京女子医大泌尿器科

で、腎盂腎炎を繰り返すと腎臓に瘢痕が出来て腎機能低下、腎不全という流れになるのでバクタの予防的投与が必要となるらしい。

でまあ、子供にバクタを長期間服用させることになるわけですが、世のお母さん方はバクタを長期間服用させて大丈夫なのかと心配になるわけです。

以前は副作用が怖いというイメージのあったバクタ。エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどの長期処方とは違った副作用がありそうな印象。
少量だから大丈夫、と言えるのか。
バクタの副作用について調べてみる。

バクタの添付文書をみると、警告に

血液障害,ショック等の重篤な副作用が起こることがあるので,他剤が無効又は使用できない場合にのみ投与を考慮すること。

いきなり赤字での警告文。これは処方を躊躇します。

妊婦や新生児にも禁忌となってるし。

胎児や新生児で禁忌なのは、高ビリルビン血症になりやすいから。新生児は赤血球の寿命が短くビリルビンが作られやすい。
バクタは蛋白結合率が高いので、アルブミンと結合していたビリルビンが遊離して、ますます高ビリルビン血症になりやすくなる。
でも、1歳過ぎれば大丈夫。1歳未満でもバクタが処方されることはある。

でも、顆粒球減少や血小板減少などの血液障害は起こりやすいので、子供で頻繁に採血するわけにもいかないから、出血、あざ、高熱とか初期症状には注意するよう母親に伝えたほうがいいかな。

腎排泄だからバクタが良いんだろうけど、副作用面からしたら第一世代セフェムとかのほうが安心して使えそうな気がする。
将来起こり得る腎不全のリスクと、バクタの副作用を天秤にかけたらバクタ使ったほうがいいという判断なのだろう。

バクタで腎機能低下?

バクタの添付文書の、臨床検査結果に及ぼす影響として、
「クレアチニン値の測定(ヤッフェ反応等)では、見かけ上の高値を呈することがあるので注意する。」

というのがある。

トリメトプリムは腎細胞からクレアチニンが分泌されるのを阻害する効果があります。
そのため、ST合剤を使うと血清クレアチニン値が上昇することがあります。
これは腎機能の低下を意味していませんので、
そのまま経過を観察してSTを使い続けてもかまいません。

通常、クレアチニンはベースラインより
10%くらいまでの上昇を示すことが多く、
当然STをやめればクレアチニン値は下がります。
本当の意味での腎毒性は、ST合剤で起きることは極めて稀です。
覚えておいて損はありませんよ。

それとは別に、ST合剤を用いると高カリウム血症を起こすことがあります。
これはトリメトプリムが遠位腎細管からのカリウムの排泄を
妨げるからだとされています。
高カリウムを来す他の薬剤、例えばACE阻害薬などと一緒に使うときは要注意ですね。腎障害時のST合剤の投与量 – 日々の考えをまとめたい

感染の予防的にバクタが長期投与されている患者は多くみかける。

バクタってそんな良い薬なのかなあ。

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