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寝返りでめまいが治る?
公開. 投稿者:めまい/難聴/嘔吐.この記事は約3分18秒で読めます.
1,855 ビュー. カテゴリ:末梢性めまいと中枢性めまい
めまいは、耳からくるめまい「末梢性めまい」と頭(脳)からくるめまい「中枢性めまい」と大きく二つに別かれます。
末梢性めまいの原因は、メニエール病、突発性難聴、内耳炎、頭位変換性めまいなど。
中枢性めまいの原因は、聴神経腫瘍、小脳の障害、頭部外傷、脳出血、脳梗塞など。
それらの見分け方。
「末梢性めまい」では、しばしば、左右いずれか病巣側内耳から対側方向に流れるような眼振(水平回旋混合性眼振)が多く認められます。「良性発作性頭位性めまい症」では、首を回す動作でぐるぐる回るような眼振(回旋性眼振)が観察されます。
一方、左を注視させると左方向に、また右を注視させると右方向に眼振が認められる(注視眼振)場合や、上下方向にみられ眼振(垂直性眼振)が認められる場合は「中枢性めまい」が疑われます。
メニエール病では、発作時には病巣側内耳に向かう眼振が、そして慢性期になると反対方向の健常側内耳に向かう眼振が観察されることから、症状の経過を的確に把握することにとても役立ちます。
身体の平衡を保持するには、目や耳、筋肉・皮膚・関節から得た位置などの情報が脳に送られ、脳がその情報を整理・統合しなくてはならない。
このネットワークのどこかに障害があり、異常な情報が脳に送られる、または情報を処理する脳幹や小脳が正常に機能しなくなることなどによって、めまいが生じる。
障害のある部位によって、末梢性めまい(内耳や内耳と脳をつなぐ前庭神経に障害がある)と中枢性めまい(脳に障害がある)に大別できる。
疫学的には末梢性めまいが80%、中枢性めまいが15%と、内耳に原因があるケースが圧倒的に多い。
末梢性めまいには「良性発作性頭位めまい症」や「メニエール病」などがあり、中でも良性発作性頭位めまい症の頻度が高いといわれる。
中枢性めまいには脳出血や脳梗塞などがある。
そのほか、血圧異常や心疾患、心因的な要因などでもめまいは生じる。
めまいを改善する体操
めまいといえば、メニエール病を思い起こす方が多いと思いますが、耳から来るめまいで一番多いのが良性発作性頭位めまい症といわれています。内耳の三半規管の異常でおきると考えられている疾患です。
その名のとおり、半規管は3個あり、互いに直角の関係にあります。半規管の中には管があり、その中には液が入っています。頭が動くとその液も動きます。その液 の流れを半規管内の細胞(クプラにあります)が感じることにより人間は頭がどう動いているかを無意識のうちに認識しています。
ところが、その半規管に結石(浮遊耳石)が出来ることにより、その流れに異常が生じます。そのため半規管から脳へ伝えられる信号も異常なものとなります。このとき人はめまいを感じます。
末梢性めまいでもっとも頻度の高い良性発作性頭位めまい症は、洗濯物を干したり、取り込もうとした時や寝返りを打った時、あるいは靴ひもを結ぼうとした時など、ある特定の頭位を取ると回転性あるいは動揺性のめまいが出現し、同時に特徴的な眼球の揺れ(眼振)が認められます。
こうした症状は、半規管内に迷入した耳石小片(炭酸カルシウムの粒) が、体位の変換に伴って半規管の管腔内を移動することが原因と考えられています。
予後は比較的良好ですが、これまではほかのめまい疾患と同じように鎮暈剤による対症療法が行われてきました。
しかし近年、半規管の中に迷入した耳石小片が一箇所に集まって大きな塊にならないように頭部を動かす体操(寝返り体操)をすることによって、めまいが起こらなくなることが知られています。
具体的には仰向けに寝て、寝返り動作を朝起きる前と夜寝る前の1日2回行います。
1回につき10往復繰り返しますが、最初はめまい症状がかえって強く出ることもあるので、症状が強い時は鎮暈剤を服用しながら続けます。
自宅でもできる簡便な方法ですが、忙しい日常臨床では時間を割いて指導することが困難なためか、未だ広く普及していません。
めまい
めまいとは、自分ないし周囲が運動していないにもかかわらず、運動しているように感じる錯覚ないしは異常感覚で、空間での身体に関する見当識(空間識)が障害された状態と定義される。
回転性めまい、自分の体が浮いたような感じがする浮動感、眼の前が真っ暗になる眼前暗黒感や立ちくらみなどがある。
生命に対する危険性を有する中枢性めまいと、三半規管など末梢前庭系の障害による末梢性めまい、それに頚性めまい、血圧異常、心因性めまいなどの非前庭性めまいの大きく3つに分けられ、これを鑑別することが重要である。
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