2018年9月18日更新.3,327記事.5,528,363文字.

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片頭痛には前兆がある?

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片頭痛で稲妻が走る?

視界に水晶のような輝きを放つ半透明のギザギザ模様が現れ、ゆっくりと回転しながら次第に大きさを増して視野全体を覆い、目がくらんだ直後のように周囲が暗くなって何も見えなくなる。

片頭痛患者の10~20%が自覚する前兆は、こうした「閃輝暗点」と呼ばれる視覚異常が特徴であり、通常は5~60分ほど続く。

閃輝暗点からほどなく激しい頭痛が襲い、悪心・嘔吐や光・音・臭過敏などを伴うこともある。
片頭痛は片側性、拍動性(ドクンドクン、ズキンズキンと脈打つように痛む)であることが多いが、両側性頭痛、非拍動性頭痛、肩こりを伴う頭痛であることも少なくない。

歩行や階段昇降などの日常動作、特に頭を動かすと痛みが増すことから、発作時には暗い部屋で静かになりたいと切に望む患者が多い。

加えて、片頭痛患者の約7割は発作から20分以降、髪や顔に触れるとピリピリしたり痛んだりするためにブラシや櫛が使えない、洗髪や洗顔、髭剃りができない、メガネやイヤリングを不快に感じる、痛みを感じる側頭部を下にして寝られないといった症状を伴うことが知られている。

このように本来であれば苦痛を感じない刺激に痛みや違和感を覚える症状をアロディニア(異痛症)と呼ぶ。

参考書籍:クレデンシャル2012.6

頭痛薬は早めに飲んだほうがいい?

頭痛薬は早く飲んだほうが良い。

鎮痛薬は、PG合成阻害により発痛物質であるブラジキニンの産生を抑えるが、痛みが強くなった時点でブラジキニンは既に合成されているため、効果発現が遅くなり効きが悪く感じる。

痛くなりそうと感じたら、すぐに服用する。

頭痛薬を飲むタイミング

片頭痛は、嘔吐したり寝込むほどのつらい頭痛であり、痛みから早く逃れたいため、早めに鎮痛薬を内服する傾向がある。

そのため、薬物乱用頭痛になりやすい。

前兆期に飲んでも無効

片頭痛の発作時には、収縮した脳硬膜血管が急激に拡張し、血管壁の三叉神経線維が感作される。

その結果、三叉神経の痛み閾値が下がって、血管の拍動に合わせて痛みを感じ始める。

このタイミングでトリプタン製剤を飲めば、頭痛発作を頓挫でき、数日~数週間は再発作を抑制できる。

しかし、服用のタイミングが遅れると、中枢性に三叉神経が感作されて前頭部や前腕部など頭部以外の部位に痛みが広がる。

この痛みは「アロディニア」(皮膚異痛症)と呼ばれ、「髪や顔面に触るとビリビリする」「手を水に漬けるとピリピリ痛む」などと訴える人が多い。

ここまで痛みが広がるとトリプタン製剤はほとんど効かず、頭痛発作の再発も抑えられない。

だが、やっかいなことに少しは効くため、患者は飲み忘れに気付かず、効きが悪いと訴えることもあるという。

逆に、閃輝暗点(強い光を見た後の残像のような黒い点や、ドーナツ状に輝く閃光などが視野の真ん中に突然現れる視覚異常)などの「前兆」(頭痛発作の直前に生じる特徴的な症状)や、疲労感や肩こりなどが片頭痛の「予兆」(発作の数時間から2日前より生じる特徴的な症状)として現れる人では、発作の前に飲んでしまい効果が得られないこともある。

前兆

片頭痛は、「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」に大別される。

閃輝暗点や運動麻痺など、大脳、小脳、脳幹に特有の局在性神経徴候が先立って現れるのが前者であり、それがないのが後者である。

片頭痛の発症は若年女性に多く、30~40歳代の女性では約20%が罹患しているとされるが、男性や高齢者にも発現する。

片頭痛の前兆の本態は、「皮質拡延性抑制(CSD)」と呼ばれる興奮と抑制の波が、大脳半球皮質の後頭葉の一番後ろから、脳の前方に向かって押し寄せる神経生理学的現象だと考えられている。

CSDの波を追って、脳血流の減少が波紋状に広がっていく。

CSDの随伴症状として1~数時間後から、いったん減少した脳血流量が徐々に増加する。

その結果、三叉神経の感覚線維は痛覚閾値が低くなり、拡張した硬膜血管の拍動で刺激され、強い疼痛が誘発される。

痛みを我慢しすぎるとアロディニア

アロディニアとは異痛症とも呼ばれ、通常痛みを感じない程度の刺激でも痛みを感じる現象です。

髪の毛をなでてもピリピリとする、手足がピリピリするという症状がみられます。

アロディニアが起こると薬を服用しても十分に鎮痛効果が得られなくなります。

片頭痛では早めに薬を飲むことが大切です。

トリプタンは強い薬

トリプタンは、拡張した頭蓋内の血管を収縮させることで効果を示す薬剤ですので、頭痛が始まった直後に服用する必要があります。

つまり、患者自身が発作の気配を感じる予兆期、前兆期、頭痛を我慢し難くなった時期、アロディニアを自覚するようになった時期に服用しても効果は望めない。

このため、トリプタンを処方された患者には、前兆期を過ぎ、頭痛が始まった直後が投薬のストライクゾーンであることを十分に理解してもらう必要がある。

薬剤師が患者さんにトリプタンは強い薬だという印象を与えてしまうと、患者さんはなるべく頭痛を我慢し、いよいよ我慢し切れなくなってから服薬しようと思います。

そうなると、適切な服薬のタイミング逃してしまいますので、注意が必要です。

参考書籍:クレデンシャル2012.6

トリプタンを飲むタイミングは

トリプタンは、セロトニン受容体に選択的に作用し、頭痛時に拡張している血管を縮小させるよう働く薬剤です。

閃輝暗点(ギザギザの光が目の前に見えて目の前が真っ暗になる)や視力障害などがみられる片頭痛の前兆期に服用しているようおであれば、服用のタイミングを少し後にするよう指導してください。

ただ、患者さんによっては、頭痛が始まった状態について、「何となくもやもやして痛いのかどうかわからない」と表現することがあります。

そんなときには、「頭をかるく左右に振ってみて、鈍い痛みがあったら片頭痛が始まっているので、飲んでください」とアドバイスするとよいと思います。

一方、トリプタンを飲むタイミングが遅くなると、頭痛に伴って吐き気や消化管の機能低下がみられるようになり、薬剤の血中濃度が上がらず、効きが悪くなる可能性があります。

また、片頭痛の患者は「この痛みを何とかしてほしい」といゆ思いから、トリプタンに対して強く期待する傾向があり、「自分が思っていたような治療効果が得られない、イコール効いていない」と考えがちです。

こうした患者さんに対し、「服用後2時間くらいで日常の動作が行えるようになれば、トリプタンはある程度効いていると判断してください」とお伝えする。

参考書籍:日経DI2012.5

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