更新日:2017年1月21日.全記事数:3,130件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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アセトアミノフェンとピルの相互作用


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低用量ピルとアセトアミノフェン

ヤーズ配合錠などの低用量ピルの併用注意にアセトアミノフェンがある。

アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害し、代謝を阻害することで、低用量ピルの効果が減弱することが考えられる。

エチニルエストラジオールとアセトアミノフェンの代謝

経口投与したアセトアミノフェンは、そのほとんどが主代謝産物であるグルクロン酸抱合体および硫酸抱合体として排泄される。
エチニルエストラジオールは、肝ミクロソームの代謝酵素によって不活性代謝物に変換された後、硫酸抱合あるいはグルクロン酸抱合され、排泄される。
両者を同時投与すると、アセトアミノフェンがエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害し、硫酸抱合を介する排泄を遅らせる。

女性ホルモンと頭痛

女性ホルモンが関連する頭痛は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の血中濃度が低下する時や、ピルの飲み始めの時に、発症または増悪することが知られている。
低用量ピルで頭痛が発症した患者にアセトアミノフェンが投与された場合、エチニルエストラジオールの血中濃度が変動することで、さらに頭痛が悪化することが考えられる。

アセトアミノフェンの効果減弱

エチニルエストラジオールには、肝臓でのアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進し、排泄を促して血中濃度半減期を2.4時間から1.7時間に短縮する作用もある。
この結果、アセトアミノフェンの鎮痛作用が弱まることも考えられる。
ピルを飲んでいる患者には、ロキソニンやイブなどを勧めた方がいい。

硫酸抱合とグルクロン酸抱合

硫酸抱合は、主に肝細胞・消化管上皮細胞の細胞質のスルホトランスフェラーゼ(SULT)によって、3´-ホスホアデノシン-5´-ホスホ硫酸(PAPS:補酵素)から硫酸(スルホニル基:-SO3-)を薬剤に付加する反応である。

また、硫酸抱合はグルクロン酸抱合と競合する。
例えば、低濃度(0.5mM以下)のアセトアミノフェンは主に肝SULT1A1によって硫酸抱合を受けるが、高濃度(5mM以上)では硫酸抱合が飽和し、主にUGT1A1によってグルクロン酸抱合を受ける。

相互作用では、アセトアミノフェンやビタミンCが内在性の硫酸貯蔵量を低下させてPAPS量を減少させる結果、EE2の硫酸抱合が阻害を受けて(副)作用が増強する可能性が報告されている。
EE2のグルクロン酸抱合体も代償的に増加するが、EE2の血中濃度は上昇するので、EE2は主に硫酸抱合体となって排泄されると考えられる。

お茶と硫酸抱合

果実ジュースやお茶にもSULT1A1(肝)や1A3(小腸)の阻害効果があり、特にお茶のSULT1A3阻害は強力であると報告されている。

まず、どの薬剤も水か白湯で飲むよう指導するほか、禁忌以外の併用例では、抱合阻害を受ける薬剤の副作用症状に注意しつつ経過を観察する。
UGT1A1を阻害するトラニラスト、硫酸抱合を阻害するアセトアミノフェンとビタミンCに注意を要するが、これらを含有する一般用医薬品の摂取状況も必ず把握しておく。

参考書籍:日経DI2011.6

生理時にNSAIDsで出血?

生理時の出血が多い時に、アスピリンなどの抗血小板作用を持つNSAIDsを使うと、出血量がより多くなるんじゃないかという心配。
しかし、痛み止めとして使われるアスピリンの量では抗血栓作用は大きなものではない。
イブプロフェンにも抗血小板作用はあるが、アスピリンと比べ効果も弱いし、持続時間も短いので、問題とはならない。
心配ならロキソニン使うのが一番いいかも。

NSAIDsと止血剤の併用はOK?

生理痛で出血が多いときに、痛み止めとしてNSAIDs、止血剤としてトランサミン、という処方はよくみられます。
もちろん問題なく、併用禁忌でもなければ併用注意でもないけれど、抗血小板薬と止血剤の効果がお互い影響を及ぼすのかどうか考察。

NSAIDsはプロスタグランジンの合成を阻害することにより、鎮痛、抗炎症作用をもつ。
トランサミンは抗プラスミン作用により、炎症を起こすヒスタミンや、痛みを起こすプロスタグランジン、ブラジキニンの産生を抑制する。
NSAIDsにもトランサミンにも抗炎症作用がある。
そのため、のどの痛みなど炎症性の疾患、症状に併用して使われることもある。

NSAIDsはシクロオキシゲナーゼを阻害し、トロンボキサンA2の血小板形成を抑制するため血小板機能が障害され、出血傾向が現れることがある。
トランサミンは、プラスミンという血液を溶かす物質の働きをおさえることで、止血作用を発揮します。
アスピリンなどのNSAIDsは抗血小板作用をもつので、血液凝固に関わる凝固系に働く。
トランサミンは抗プラスミン作用をもつので、血栓溶解に関わる線溶系に働く。

NSAIDsが抗プラスミン薬の効果を直接減弱することはない。

生理が痛いのはなぜ?

月経は、排卵後に黄体から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの働きで子宮内膜が厚みを帯び、それが剥がれ落ちることをいう。

その際、子宮収縮が過度に生じて起きる腹部の痛みが月経痛だ。

また、身体の冷えや下腹部の圧迫などで血行が悪かったり、ストレスの多い不規則な生活によって、痛みが生じるともいわれている。
特に10~20代前半や出産経験のない女性は、子宮の収縮・拡張がスムーズに起こりにくいため、月経痛に悩まされることが多い。

子宮の収縮には、痛みに関係するプロスタグランジン(PG)が関与しており、PGの合成を阻害することで痛みを和らげることができる。

月経痛は耐えるべきもの?

以前は、月経痛は耐えるべきものであり、鎮痛剤を安易に用いることは癖になったり、増量したり、効きにくくなったりするため、よくないとされていましたが、現在は、月経の起こる目的、仕組み、快適に過ごす生活上の工夫などを学び、薬剤により痛みのない月経を体験することは月経の困難さに対する自信をもつことになる良い方法だといわれています。

すなわち、月経がいつ来るのかを予測し、痛みがくる前から、自分に合う薬剤を内服することがより効果的だと思われます。

また、月1回だけ市販の鎮痛剤を使うことには、別に問題はないと思われます。

一般的によく用いられる漢方薬の桂枝茯苓丸には、痛みの原因となるPG合成の阻害や、子宮平滑筋を弛緩させる作用をもつ牡丹皮、芍薬の生薬が含まれており、鎮痛効果が期待できます。

また、牡丹皮はPGF2αやPGE2などのシクロオキシゲナーゼ系の代謝産物を抑制することで月経困難症改善作用も報告されています。

西洋薬との併用においては、その西洋薬の投与量を減らし、さらに中止できる可能性もあり、また、副作用の軽減にも有効と思われます。

また、適度な運動を行い、子宮の上部を温めるのも月経痛には効果があります。

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