2018年3月20日火曜更新.3,305記事.5,272,740文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

サリドマイドは安全な薬?

スポンサーリンク

グルタミン酸を原料としたクセにならない催眠剤

日本で販売されたサリドマイドの商品名「イソミン」。

当時の新聞広告には、グルタミン酸を原料としたクセにならない催眠剤、という見出しで載っていました。

サリドマイドの話:六号通り診療所所長のブログ:So-netブログ

「サリドマイド(thalidomide)」は、
グルタミン酸というアミノ酸の誘導体です。
一般名はN-phalidoglutamide と言います。
グルタミン酸は多くのアミノ酸の代謝の過程で生じ、
また神経伝達物質の1つでもあります。
バルビタールという麻酔剤に構造が似ているところから、
当初抗痙攣剤として開発が進められ、
それから鎮静作用があり、
自然の眠りに近い催眠作用があることが分かったため、
睡眠剤として1957年にドイツの製薬企業から発売されました。

動物実験では目立った副作用はありませんでしたし、
効果もマイルドで安定していました。
元々がアミノ酸の誘導体です。
その構造からも、安全性の高いことは、
当時は科学的事実と考えられました。

確かに。

グルタミン酸誘導体とか聞くと、安全そうな気もする。

胎児に危険かどうかなんて、飲んでみなきゃわかんないってことだな。

サリドマイドと多発性骨髄腫

催奇形性で有名になったサリドマイドですが、今でも多発性骨髄腫の治療に使われています。

発売当初は、副作用も少なく安全な薬と宣伝されたことから妊婦のつわりや不眠症の改善のために多用されました。

妊婦に使わなければ比較的安全な薬とも言えましょう。

しかし、被害にあった人たちの心情からすると、また市場で使われ始めるというのは、怖い気持ちもあるでしょう。

サリドマイドの動物実験で催奇形性は無かった

サリドマイドが発売された頃の安全基準では、実験動物としてマウスしか使われていなかったという話です。

しかし、サリドマイドはマウス、ラットなどのげっ歯類では奇形が起きないけれど、ウサギやニワトリでは胎児の奇形が起こります。

ウサギやニワトリでは奇形が起きないけれど、サルやヒトでは奇形が起こる、なんてこともありえます。

動物実験はしょせん動物実験。

新薬を妊婦に使うときは慎重な姿勢が必要です。

アザラシ肢症

サリドマイドによる奇形は、四肢が短くなりアザラシの手足のようになるアザラシ肢症が特徴的です。

その他、耳や目の奇形や欠如、内臓の配置異常など広範囲の奇形を引き起こします。

一般に無耳症は受胎後早い時期に発生し、上肢欠損はこれより少し遅れ、下肢欠損はさらに遅い時期に発生することが知られています。


スポンサーリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう
follow us in feedly

最新の記事

人気の記事

最近のコメント

検索

スポンサーリンク

リンク

くすりの相談室
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ