更新日:2015年10月22日.全記事数:3,136件.

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アテレックは腎臓にやさしい?


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アテレック/シナロングは腎臓にやさしい

通常のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は、腎輸入細動脈は拡張させるが腎輸出細動脈は拡張させないため、全身血圧が十分に低下しない場合、糸球体高血圧が是正されず糸球体硬化を防ぐことができないと言われている。

しかし、Ca拮抗薬の中には、腎輸入細動脈を拡張させ、なおかつ腎輸出細動脈も拡張させる、いわばACE阻害薬/ARBに似たような作用機序を持つものがある。
L/N型Ca拮抗薬であるシルニジピンがそれにあたる。

アムロジピンとシルニジピンの違い

Ca拮抗薬が作用する電位依存性Caチャネルには複数のサブタイプがあるが、アムロジピンがL型Caチャネルに作用するのに対し、シルニジピンはL型とN型のCaチャネルに作用するという違いがある。

L型Caチャネルは輸入細動脈に存在するので、アムロジピンでL型Caチャネルを阻害すると、輸入細動脈が拡張して糸球体内圧が上昇し、糸球体のろ過、負荷増大につながりかねない。

一方、N型Caチャネルは輸出細動脈に存在する。

シルニジピンはL型とN型のCaチャネルを阻害するため、輸入細動脈とともに輸出細動脈も拡張させて糸球体内圧を下げ、糸球体の負荷軽減につながる。

参考書籍:日経DI2012.2

輸入細動脈と輸出細動脈

腎臓には、糸球体に血液が流れ込む輸入細動脈の血管抵抗を調節する機能が備わっており、全身の血圧が変動しても糸球体内の血圧やろ過量は一定に保たれている。

ところが高血圧によって糸球体の内圧が上昇すると、糸球体を守るために輸入細動脈を収縮させて糸球体への血流を減少させる。

また、血圧上昇によりレニン-アンジオテンシン系が活性化すると輸出細動脈が収縮し、糸球体の過剰ろ過によって蛋白尿が発現したり、腎硬化症を来して腎障害が進行する。

腎障害と降圧剤

そのため、腎障害合併患者に対する降圧治療では現在、ACE阻害剤とARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)が日常診療で広く使用されている。

RA系を遮断して輸出細動脈を拡張し、糸球体内圧を低下させる作用があるため。

Ca拮抗薬は輸入細動脈を拡張する作用を持つため、糸球体への血流量が増えて糸球体内圧を上昇させ、腎障害を悪化させることも。

Ca拮抗薬は、腎障害がある場合には第一選択薬としては適さない。

腎障害にCa拮抗薬はだめ

Ca拮抗薬のL型チャネルに対する作用が輸入細動脈を拡張する作用をもつ。
そのため、糸球体への血流量が増えて糸球体内圧を上昇させ、腎障害を悪化させる可能性があることから、カルシウム拮抗薬は腎障害がある場合には第一選択薬として適さないとされている。
ただし、T型チャネル抑制作用を有するエホニジピンやベニジピンは、輸入細動脈と輸出細動脈を拡張し糸球体内圧を上昇させないことから、腎保護作用が期待できるとされている。
このように、カルシウム拮抗薬はチャネルのタイプへの作用の違いで使い分けられるようになってきている。

Ca拮抗薬の抗酸化作用

Ca拮抗薬には、カルシウム拮抗作用以外にも、ジヒドロピリジン環が酸化されピリジン環になるときに生じる水素がラジカル消去作用をもつことから、抗酸化作用が期待できるとされている。

ランデルは腎臓にやさしい?

Ca拮抗薬の中には、輸入細動脈、輸出細動脈の両方を拡張させて糸球体内圧を低下させる薬がある。

Ca拮抗薬が作用する電位依存性Caチャネルには、L型、T型、N型、P/Q型、R型があり、皮質表層ネフロンや傍髄質ネフロンの輸入細動脈にはL型とT型、輸出細動脈にはT型、N型が存在する。

ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬はこのうちL型チャネルのみを抑制するが、ランデル(エホニジピン)はT型を、アテレック、シナロング(シルニジピン)はN型チャネルを抑制し、輸入細動脈、輸出細動脈の両方を拡張させる。

特にランデルは、アテレック/シナロング以上に糸球体内圧を下げると考えられ、臨床試験において、腎機能の改善が確認されている。

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