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ジゴキシンとグルコバイが併用注意の理由は?
公開. 投稿者:心不全/肺高血圧症.この記事は約1分28秒で読めます.
1,390 ビュー. カテゴリ:ジゴキシンとグルコバイの相互作用
ジゴキシンとグルコバイの併用は添付文書上、併用注意となっている。
グルコバイの処方は、ベイスンやセイブルと比べると処方頻度は少なく、問題となることは少なさそうではあるが、それゆえに気づかないことがあるので注意が必要である。
ジゴキシンとグルコバイを併用すると、ジゴキシンの血中濃度が低下します。
この相互作用の機序は完全には解明されていませんが、グルコバイが消化管運動を亢進させるため、消化管におけるジゴキシンの吸収が阻害されるという説が有力です。
しかし、アカルボース(グルコバイ)は併用注意ですが、ボグリボース(ベイスン)は併用注意ではありません。
ボグリボースはアカルボースと異なりαアミラーゼの阻害作用を持たず、消化管運動の亢進作用も弱いからです。
ジゴキシンとアカルボースの相互作用の発現機序は明らかになっていないが、アカルボースが消化管運動に何らかの影響を与え、その結果ジゴキシンの腸管からの吸収が低下するのではないかと考えられている。
αGIのミグリトールでも、ジゴキシンは併用注意の薬剤で、添付文書に「ジゴキシンの血漿中濃度が低下することがある」との記載がある。
一方で、こうした相互作用はボクリボースではほとんど認められない。
この理由も不明だが、アカルボースがαグルコシダーゼだけでなくαアミラーゼをも阻害するのに対し、ボグリポースではαグルコシダーゼしか阻害しないことに関係しているのではないかと推測されている。
ジゴキシンとアカルボースを併用している場合には、その相互作用を考慮して、アカルボースの投与を中止するか、ジゴキシンの体内動態に影響を与えないボグリボースに変更するといった対応が考えられる。
ただ一般に医師は、患者の病状が安定しているのであればそのことを重視し、処方内容の変更を極力避けようとする傾向がある。
実際、アカルボースを追加併用した場合の血中ジゴキシン濃度の変化は、患者によって差がある上、ジゴキシンの投与量を調節するという対処法も検討可能である。
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