更新日:2015年10月22日.全記事数:3,117件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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陽性症状と陰性症状の違いは?


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陽性症状

陽性症状の「陽性」とは、健康時には「ない」はずのものが「ある」「加わった」ということを意味しています。

陽性症状
・幻覚
幻聴(幻声)、幻視
・妄想
被害妄想、迫害妄想、被毒妄想、誇大妄想
・自我障害
考想察知、思考伝播、思考化声、思考吹入、作為体験(憑依)

脳内には、「中脳辺縁系」「中脳皮質系」「黒質線条体系」「漏斗下垂体系」という4つのドーパミン経路があります。

陽性症状は、そのなかの「中脳辺縁系」において、「ドーパミンの過剰」が起きたために生じているといわれています。

ドーパミンは本来、運動調節、ホルモン分泌量調節、快の感情、意欲、学習などに関係する神経伝達物質で、人間が生活を送る上では欠かせないものです。

ところが統合失調症の患者さんの中脳辺縁系では、ドーパミンが過剰に放出され、信号伝導の異常が生じた結果、「幻覚」「妄想」「自我障害」といった陽性症状が引き起こされるのです。

では、過剰に放出されたドーパミンが陽性症状の原因ならば、それが適切になるようにドーパミンの放出量を減らせばよいのでは、と思われるかもしれません。

そのとおりなのですが、残念なことに、なぜドーパミンの放出量が増えるのかがわかっていないため、減らす方法についてもいまだに解明されていないのです。

そのため、抗精神病薬は対症療法として、ドーパミン受容体に蓋をして、過剰になったドーパミンのはたらきを弱めることを意図したデザインになっています。

陰性症状と認知機能障害

陰性症状という言葉の「陰性」とは、健康時には「ある」はずのものが「ない」、ということを意味しています。

陰性症状
・意欲障害
能動性の低下、興味喪失
・感情障害
感情鈍麻、感情不調和、両価性
・社会性障害
閉じこもり(自閉)、疎通性の低下

認知機能障害
外部からの刺激を情報としてとらえる際に、情報の取り込み、記録、再生におけるすべての情報処理プロセスで問題が生じる。症状としては注意、記憶、学習、執行などの脳高次機能の低下として現れる。

陰性症状と認知機能障害は「中脳皮質系」の「ドーパミンの減少」により引き起こされているといわれています。

ただ、陽性症状と同じように、なぜそうしたことが起こるのかはまだ解明されていません。

統合失調症をもつ人の4つのドーパミン経路で起きていること

・中脳辺縁系
状態:ドーパミンが過剰になっている
→症状:陽性症状

・中脳皮質系
状態:ドーパミンの減少が起きている
→症状:陰性症状・認知機能障害

・黒質線条体系
状態:ドーパミン量に変化なし
抗精神病薬でドーパミン受容体を遮断すると→錐体外路症状が起きる

・漏斗下垂体系
状態:ドーパミン量に変化なし
抗精神病薬でドーパミン受容体を遮断すると→高プロラクチン血症になる

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