更新日:2016年12月21日.全記事数:3,117件.

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パーキンソン病からうつ病になる?


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パーキンソン病と抑鬱状態

パーキンソン病患者さんの約半数に、抑うつ状態がみられるという報告があります。

一般に慢性疾患をもつ患者さんには抑うつ気分を訴える方が多くみられます。

そのような場合は、意欲低下、興味減退、食欲低下、睡眠障害など、うつに伴う症状もしっかりと確認し、うつ状態であることを確認してから対処療法を行います。

うつ病の治療と同じで抗うつ薬を用いて対処しますが、注意することがいくつかあります。

まず、抗うつ薬の多くは便秘を引き起こしますので、原疾患の治療薬である抗パーキンソン病薬の吸収に変化が起きないように注意して投与することです。

便秘によって腸管内に薬が滞る時間が長くなると、過剰量になるからです。

また、機序は明らかではありませんが、三環系抗うつ薬はパーキンソン病の悪化を起こすことがあるので使用しないほうがよいとされています。

どの抗うつ薬の有用性が高いかについては今のところまとまった知見は見当たりませんが、近年このようなケースに用いられる抗うつ薬で、最も使用頻度が高いのはSSRIとなっています。

パーキンソン病と睡眠障害

パーキンソン病に伴ってみられる睡眠障害には、入眠障害と熟眠障害があります。

その原因は明らかではありませんが、運動障害や抑うつが影響しているためという考えが主流です。

睡眠導入剤のなかには筋弛緩作用の強い薬剤があり、それによってパーキンソン病の症状の無動症が睡眠中にさらに助長され、寝返りなどの体位変換ができず、十分な深い睡眠がとれなくなるという問題が起きてくることがあるからです。

また、短時間作用型の睡眠導入薬なら安心かと思っても、中途覚醒という問題が起こります。

中途覚醒時に以上行動やせん妄までには至らなくても、大声を出すといったことがみられることがあります(多くは悪夢にうなされるような状況と似ています)。

睡眠障害といってもさまざまな要素が組み合わさっていますので、個々の症例での睡眠障害状況をしっかりと把握した上で、抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠導入薬などを、その睡眠障害に合わせて選択するようにします。

パーキンソン病の治療

パーキンソン病の治療では、主にLドーパとドパミンアゴニストの2種の薬剤が使われる。

日本神経学会が発行する「パーキンソン病治療ガイドライン2011」では、未治療のパーキンソン病患者に対して、患者の年齢が比較的若く、認知機能障害や精神症状がない場合は、ドパミンアゴニストで治療を開始するとされている。

ドパミンアゴニストには心臓弁膜症や繊維症の報告が多いため、非麦角系が優先して使用される。

参考書籍:日経DI2012.11

パーキンソン病と振戦

線条体神経は、随意に(意思によって)運動器官を動かす起点となる神経です。

健常状態ではコリン作動性神経による「興奮」とドーパミン神経による「抑制」の調節によってコントロールされています。

しかし、パーキンソン病により近接する黒質部分でのドーパミンが減少すると、線条体に信号を送るドーパミン神経からの「抑制」刺激が減じます。

それにより、相対的にコリン作動性神経からの「興奮」刺激が優位になり、運動刺激が伝わってしまいます。

これが不随意な運動としての振戦のメカニズムであるとされています。

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