更新日:2016年12月21日.全記事数:3,190件.

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ARBは腎臓にやさしい?


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ARBの腎保護作用

腎臓の重要な機能である血液ろ過は糸球体で営まれていますが、その前後の輸入・輸出細動脈が糸球体内圧をコントロールしています。
アンジオテンシンⅡ(AⅡ)やノルエピネフリンは輸入・輸出細動脈ともに収縮させて、糸球体内圧を上昇させます。
CKDや糖尿病では、輸入細動脈の拡張が起こって、全身血圧が糸球体内に伝達される結果、糸球体内圧が上昇し、糸球体の過剰ろ過が起こり、蛋白などが漏出します。

ACE阻害薬やARBはAⅡの作用を抑制することによって、輸出細動脈を拡張して、糸球体内圧を低下させます。
また全身血圧を低下させることによっても糸球体内圧が低下し、結果として糸球体過剰ろ過が是正され、腎保護作用を示します。

Q:CKD(慢性腎臓病)におけるRAS(レニンアンジオテンシン系)抑制の意義は?

A:高血圧は,CKDの進展および心血管疾患発症の危険因子である。RAS抑制薬(ACE阻害薬,ARB)によりRASを抑制すると,降圧効果だけでなく,糸球体内圧の低下作用とそれに引き続く尿タンパク減少効果,糸球体硬化病変の進展抑制など腎保護作用を示し,CKD進展を抑制するとともに,心血管疾患の合併を予防する。ただし,タンパク尿を伴わないCKDに対するRAS抑制薬の腎保護作用は確立していない。投与時は,血清クレアチニン値や血清カリウム値の急激な上昇に注意する。質疑応答 2010年7月

ARBは腎臓にやさしい?

ACE阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)には、腎臓の輸入細動脈に比べ、輸出細動脈を強く拡張する作用があります。
これにより、糸球体内圧が低下し、長期的には糸球体の損傷を抑制します。
レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬が「腎保護作用」を持つといわれるのは、このためです。

一方、糸球体内圧が低下すると、糸球体濾過圧や腎血流量も低下します。
そのため、RA系阻害薬の投与開始直後は、一時的にSCrの上昇やGFRの低下が見られます。
ただし、高齢者に多い腎動脈狭窄症では、アンジオテンシンⅡは輸出細動脈を収縮させてGFRを維持する方向に働いています。
RA系阻害薬でこの作用を抑えてしまうと、腎虚血を招く恐れがあるので、高齢者にRA系阻害薬を用いる場合は、少量から開始することが推奨されます。

参考書籍:日経DI2014.2

ラジレスで腎機能悪化?

レニン・アンジオテンシン系(RA系)を阻害する薬剤では全身血圧の低下及び腎の糸球体濾過圧が低下するため、腎機能が悪化するおそれがある。
アリスキレンフマル酸塩もRA系を抑制するため、同様の機序で腎機能障害を発現することが推測される。

RA系阻害薬は、以前は進行した腎機能障害患者には禁忌とされてきたが、今では腎機能保護作用が腎機能低下例で顕著であるとされている。
また、RA系阻害薬は心血管病の発症を抑制するが、その効果は特にCKD(慢性腎臓病)患者で大きいことが報告されている。
したがって心腎同時保護の観点からは、血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上の場合であっても血清Cr値やK値に注意しながら少量から投与し、漸増する事が推奨されている。
このような考えから、RA系阻害薬が、一定以上の腎障害時にも投与される機会が多くなってきている。
一方、両側性の腎血管性高血圧症や、腎動脈狭窄がある症例では、血中或いは腎アンジオテンシンⅡが存在するために、輸出細動脈が収縮することにより糸球体濾過圧が保持されている。
このような場合にはRA系阻害薬を投与すると、輸出細動脈が弛緩して糸球体濾過圧が低下し、腎血流量の減少を招いてしまう。その為に、腎機能を更に悪化させる可能性がある。

アリスキレンフマル酸塩は、直接的レニン阻害薬である。
アンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンⅠへの変換を遮断し、PRA(血漿レニン活性)、アンジオテンシンⅠ及びアンジオテンシンⅡの濃度を低下させ、持続的な降圧効果を発揮する作用がある。
結果としてアンジオテンシンⅡの濃度を低下させることから、ACE阻害薬と同様に、腎障害を更に悪化させる可能性がある。

参考書籍;日本医薬品情報2012.10

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