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クラビット点眼液0.5%じゃ効かない?
公開. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約3分37秒で読めます.
10,459 ビュー. カテゴリ:クラビット1.5%
高濃度製剤が発売された背景には、近年の体内動態(PK)/抗菌活性(PD)理論の知見が蓄積されたことがある。
抗菌薬の有効性は、薬剤のPK/PDパラメーターと相関することが分かっている。
PK/PDパラメーターには、①血中濃度が最小発育阻止濃度(MIC)を超えている時間(time above MIC:TAM)、②最高血中濃度(Cmax)とMICの比、③血中薬物濃度時間曲線下面積(AUC)とMICの比-の3つがある。
レボフロキサシンなどのニューキノロン系薬の殺菌作用は濃度依存的に認められ、②のCmax/MICと③のAUC/MICの値が大きいほど効果が高くなる。
Cmax/MICやAUC/MICの値を大きくするには、1回当たりの用量を増やせばよい。
また、有効性の観点のみならず、耐性菌出現抑制の視点からも、高用量・短期間投与が奨励されるようになっている。
内服薬であれば、1回当たりの用量を増やすことは難しくないが、点眼液はヒトの眼に1滴以上は入らない。
そのため、点眼液で1回当たりの薬剤量を増やすためには、高濃度製剤にする必要があるのである。
参考書籍:日経DI2012.5
クラビット点眼液1.5%新発売
参天 高濃度ニューキノロン系抗菌点眼剤「クラビット点眼液1.5%」を新発売 国内ニュース ニュース ミクスOnline
参天製薬は6月2日、高濃度ニューキノロン系抗菌点眼剤「クラビット点眼液1.5%」(一般名:レボフロキサシン水和物)を同日に新発売したと発表した。2000年4月から販売している「クラビット点眼液0.5%」の主成分の濃度を増加させたもの。高濃度製剤は0.5%製剤に比べて高い眼組織移行を示し、主症状の早期消失が期待できるとしている。重篤な副作用は眼局所・全身とも認められていない。薬価は0.5%製剤と同額の1mL138.10円。
参天は0.5%製剤の今後の取り扱いについて、「医療現場の状況をみてから判断する」との基本的な姿勢を示した上で、高濃度製剤はPK-PD理論に基づいて開発されたものであることからも、「高濃度製剤への切替えをすすめる方針ではあるが、(0.5%製剤の販売中止などによる)高濃度製剤への強制切替えは現時点では難しいと考えている」とコメントしている。
これは果たしてどういう意味があるのだろう。
ジェネリック対策なのか?
別に1.5%と3倍の容量になったからといって、1日3回が1日1回で良いようになったというわけでもない。
添付文書を見ると、有効率は100%。
中途半端に菌を生かしておくより、耐性菌を生み出さないためにも高濃度製剤が必要、なんですかね。
とにかく0.5%がデッドストックになるよ。
抗菌点眼薬
多くの種類がある。
効果の持続と安定性の面からニューキノロン系、アミノグリコシド系薬が第一選択であるが、分泌物の培養、感受性などにより、その他の抗菌薬を使い分ける。
アデノウイルスによる流行性角結膜炎では、混合感染防止のために抗菌薬を用いる。
淋菌性結膜炎、クラミジア感染症では必要に応じて内服治療も行う。 比較的新しい抗菌薬としてトスフロキサシン点眼液が登場し、初めて小児の用法・用量が明示された。
現在頻用されているのはニューキノロン系点眼薬である。
なかでもレボフロキサシン(クラビット)が最も多く処方されているが、耐性菌の出現に伴い、トスフロキサシン(トスフロ/オゼックス)やガチフロキサシン(ガチフロ)、モキシフロキサシン(ベガモックス)など第四世代のニューキノロン系抗菌点眼薬へ移行しつつある。
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