2018年10月15日更新.3,348記事.5,690,241文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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抗ヒスタミン薬を飲んだら眠くなくても運転しちゃダメ?

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眠気とインペアード・パフォーマンスの違いは?

最近しきりにサノフィ・アベンティスがインペアード・パフォーマンスという言葉を多用してきます。
アレグラの宣伝で。

インペアード・パフォーマンスとは、知らず知らずのうちに集中力や判断力、作業能率が低下する、つまり気づきにくい能力ダウンのことです。

このような状態になると、車の運転や仕事、勉強、スポーツなど、生活全般の様々な場面で不都合が生じる可能性があります。

アレルギーの薬の副作用で、眠気というのはよく知られています。

眠気は本人が自覚できますが、インペアード・パフォーマンスは本人が自覚しにくいものです。

つまり、アレルギーの薬を飲めば、眠くなくても、集中力や判断力が低下するので、車の運転は危険だと。

インペアード・パフォーマンスを防ぐために、アレグラを使いましょう、ということです。

抗ヒスタミン薬を飲んだら車の運転しちゃダメ?

抗ヒスタミン薬の添付文書には大抵、
「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。」
と書かれています。
「車の運転はするな」と注意しろ、と。

この記載が無い薬が2品。
アレグラとクラリチン。

その2品以外に、「自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること」という、運転するな、よりも少しやわらかいニュアンスの薬が3品。
エバステルとアレジオンとタリオン。

添付文書の記載医薬品名
記載なしアレグラ、クラリチン
注意させるエバステル、アレジオン、タリオン
従事させない上記以外のすべての抗ヒ薬

ザイザルも眠気は少なさそうな話でしたが、「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。」という定番の文句が入ってます。

インペアードパフォーマンスによって、運転や危険な業務での事故が起こる可能性が高まる以外に、労働生産性の低下、学習能力の低下、老人の転倒などが引き起こされます。
試験前日や当日ではとくに注意させる必要があります。

アレジオンを飲んだら運転しちゃダメ?

上記のように、医療用のエバステルアレジオンタリオンの添付文書には、
「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。」
と記載されており、「従事させないように」とは書かれていない。
つまり、運転禁止ではなく、運転注意。

しかし、OTCのアレジオンやエバステルALの添付文書には、
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください(眠気等があらわれることがあります。)」
と記載さており、運転禁止。

解せない。しかし、ルールはルール。販売時には運転禁止と指導しましょう。

脳内受容体占拠率の比較

脳内ヒスタミンH1受容体占拠率で分類すると、

 医薬品名
非鎮静性アレグラ120mg、アレジオン20mg、エバステル10mg、ジルテック10mg、アレロック5mg、タリオン10mg
軽度鎮静性アゼプチン1mg、ゼスラン3mg、ジルテック20mg
鎮静性ポララミン2mg、セルテクト30mg、ザジテン1mg

といった具合なようです。

抗アレルギー薬による眠気の副作用は、必ずといっていいほど患者さんに注意する。
眠気が無くても、認知機能障害(インペアード・パフォーマンス)を引き起こすことがある。

クロルフェニラミンマレイン酸塩2mg(ポララミン)の内服ではウイスキー3杯分摂取に相当する認知機能障害がみられるそうです。
セレスタミン錠1錠中にもクロルフェニラミンマレイン酸塩2mgが含まれている。
フスコデ配合錠3錠中にはクロルフェニラミンマレイン酸塩4.5mgが含まれている。
ペレックス1g中にもクロルフェニラミンマレイン酸塩3mgが含まれている。

自分はお酒が飲めないので、ウイスキー3杯分というと相当ですが。
仕事中にフスコデを飲んだこともありますが、自覚してないけど、相当な認知機能障害があったのかな。危険だな。

なめちゃいけないインペアードパフォーマンス

インペアードパフォーマンスとは、作業能率が低下した状態を意味します。

アルコールを摂取した時と同じように、精神運動や認知機能が低下することから、車の運転や通常の業務、学習に対して、大きな障害となるわけです。

ウイスキー3杯分(約90mL)と第一世代抗H1薬のクロルフェニラミン2mg(最小1回用量)が同等のインペアードパフォーマンスを惹起するとされています。

したがって、例えば花粉が舞う時期に行われる大学入試に第一世代の抗H1薬を服用して臨むのは、大きなハンディを背負うことになります。

そして、自動車や特に大型車の運転、公共交通機関の運転など、第一世代の抗H1薬の使用が問題となる場合があります。

眠気の自覚症状がなくても運転をしてはいけない

多くの抗ヒスタミン薬には眠気の副作用がある。

このような薬を飲んで眠気を自覚している場合は、患者も運転を控えるなどの行動をとると思うが、特に問題になるのは眠気の自覚症状がない場合である。

近年になって、眠気の自覚症状がない場合でも、集中力・判断力・作業能率が低下する場合(インペアード・パフォーマンス)があることがわかってきた。

患者に自覚がない場合、自覚がないまま運転などを行い、大事故につながる危険性があるため、当該患者には十分に説明する必要がある。

抗ヒスタミン薬による眠気誘発のメカニズム

アレルギー性鼻炎に使用する薬のなかで、副作用として眠気が問題になるのは、主に抗ヒスタミン薬である。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが鼻粘膜の知覚神経などを刺激するのを抑え、くしゃみなどの諸症状を改善するが、一部中枢へ移行することが知られている。

ヒスタミンは中枢では覚醒や興奮などをもたらすが、抗ヒスタミン薬は中枢のヒスタミン受容体を抑えることで鎮静作用を現すため、眠気などの副作用が発現する。

中枢へ移行しにくいアレグラ、クラリチンなどの抗ヒスタミン薬が眠気を起こしにくい。

ヒスタミンが覚醒や興奮をもたらすのであれば、中枢に選択性の高いヒスタミン受容体刺激薬とかあれば、眠気覚ましに使えないかなとか思ったり。

抗ヒスタミン薬

【第二世代抗ヒスタミン薬】
・第一世代のH1受容体拮抗薬と比較して、中枢抑制作用や抗コリン作用に伴う眠気は弱い。
・現在は第二世代のH1受容体拮抗薬(なかでも非鎮静性のもの)が多く用いられている。

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