更新日:2017年6月13日.全記事数:3,130件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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痛み止めで胃に穴があく?


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痛み止めで胃潰瘍?

痛み止めというとNSAIDsですが、この薬はプロスタグランジンという物質の合成を阻害することで働きます。
このプロスタグランジンが胃の粘膜を保護する働きも担っているために痛み止めを飲むと胃を荒らすことになります。

胃潰瘍の原因のほとんどはピロリ菌ですが、2番目に多いのがこのNAIDs潰瘍。
アメリカではNSAIDsによる消化管障害で、年間に10万人以上が入院し、1万6千500人が死亡しているらしいです。

1ヶ月続けて飲むと10%くらいの人に胃に穴が開くらしいです。
頭痛や生理痛でそんなに長く飲むことはないと思いますが、関節リウマチや変形性関節症、腰痛などでは長く飲んでいる人が多いです。

1番多いNSAIDsの長期服用は血栓予防のための低用量アスピリンです。

痛み止めが処方されている人に「胃に穴が開くことがあります」とストレートに伝えてしまうと、ノンコンプライアンスに陥る可能性が高いのでオブラートに包んで伝える必要がある。「胃を荒らすことがあります」程度かな。

NSAIDsと胃薬

NSAIDsが処方されるとき胃薬もいっしょに処方されることが多いです。

ムコスタやセルベックスなどの胃粘膜保護薬が処方されることが多いと思いますが、ガスターなどのH2ブロッカー、AM散SM散などの消化酵素剤なんかも使われるようです。

タケプロンには「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」の適応があります。

ステロイドで胃潰瘍?

NSAIDs潰瘍と同様にステロイドでも胃潰瘍が引き起こされる。

ステロイド薬はホスホリパーゼA2活性を阻害し細胞膜から細胞質へのアラキドン酸の遊離を抑制し、その後のPGの産生低下により胃粘膜防御因子の抑制をする。

ほかに、胃酸およびペプシン分泌亢進と胃液分泌の亢進、胃粘液分泌の減少、粘液抵抗性の減弱、抗肉芽形成による潰瘍修復の遅延、消化管粘膜の再生機転の抑制などが組み合わさって発症していると考えられている。

ステロイド薬による潰瘍予防に関しては十分な検討はされていないが、NSAIDs潰瘍予防と同様にミソプロストロールを中心としたPG製剤とPPI、高用量H2ブロッカーの投与が望ましいと考えられる。

寝る前にNSAIDs?

痛み止めを飲んですぐに横になると、胃に薬が停滞するので胃を荒らす原因になります。

しかし、具合の悪いときは横になりたいものです。
私も頭痛で痛み止め飲むときには、すぐに横になってしまいます。
胃の弱い人は、しばらく起きてたほうがいい。

就寝中の痛みにNSAIDsを就寝前投与、あるいは夜間頻尿に対する処方でNSAIDsを就寝前投与なんてのもあるそうな。
できれば食後に飲んでほしいところですが、寝る前の食事はどうかとも思いますし、牛乳とかで代用しようにも夜間頻尿という処方目的だと、水分も摂らせたくはない。

NSAIDs潰瘍は見つかりにくい?

NSAIDsについては、かつて関節リウマチ患者に頻用されていた当時、消化性潰瘍(NSAIDs潰瘍)が頻発して問題になった経緯がある。

この場合、NSAIDsにより心窩部痛がマスクされることから、発見が遅れがちになることなどが問題視された。

消化性潰瘍患者は痛み止め飲んではダメ?

潰瘍を起こす原因には、ピロリ菌のほか、痛み止めや解熱剤として使われている消炎鎮痛剤があります。

痛み止めは炎症が起こった所で大量に作られるプロスタグランジンという物質ができないようにして痛みを抑えます。

一方、プロスタグランジンは胃粘膜で常に作られ、粘液やアルカリ性物質の分泌を増やし、粘膜の血流を良くするなど胃粘膜を守る役割を果たしています。

痛み止めによってこの胃を守る仕組みが、うまく働かなくなり、潰瘍を起こすと考えられています。

関節リウマチの方が痛み止めを3ヶ月以上服用した場合、約16%の方が胃潰瘍に、約2%の方が十二指腸潰瘍となり、潰瘍による出血も5倍から6倍と高くなることが示されています。

ですから、潰瘍の患者さんで痛み止めを服用している場合には、直ちに服用を中止してください。

また、痛み止めのアスピリンの少量の服用は、血液が固まって血管が詰まるのを防ぐ作用があるため、脳梗塞や心筋梗塞の予防に使われていますが、少量でも潰瘍を起こすことが知られています。

胃潰瘍に使える痛み止めは?

ロキソニンなど、NSAIDsの添付文書には、禁忌事項に「消化性潰瘍のある患者」が一律に記載されている。

プロスタグランジン生合成阻害を機序とする薬剤であり、胃粘膜防御能の低下を引き起こすことから、禁忌の理由は明白である。

では、消化性潰瘍のある患者の痛みや発熱に対応するにはどうしたらよいのか。

一過性の症状であれば、薬を使用しなくとも、体を冷やしたり、湿布などの外用剤を使用したりすることで済むこともあるだろう。

しかし、関節リウマチのような慢性の炎症、痛みに対して、NSAIDsを全く使用しないというわけにはいかない。

痛みがひどく、ベッドから起き上がることもできない患者に対して、「胃が悪いから痛み止めは飲まないように」とは、とても言えない。

NSAIDsの服用期間が長くなれば、胃粘膜障害が引き起こされるリスクも大きくなる。

NSAIDsの必要性の高い患者ほど、消化性潰瘍を合併する率が高くなり、禁忌事項に抵触するということにもなる。

NSAIDsは消化性潰瘍の患者に禁忌です。
ソランタールも消化性潰瘍に禁忌となっています。
アセトアミノフェンも禁忌です。
何も使えませんね。
痛みは我慢してください。

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