更新日:2017年5月23日.全記事数:3,190件.

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温シップで患部は温まるのか?


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温シップも患部を冷やす

温シップは患部を温めて治し、冷シップは患部を冷やして治すようなイメージですね。
温めるというと温泉のイメージ、冷やすというとアイシングのイメージから、温めるシップは慢性の痛みに、冷やすシップは急性の痛みに効くと言われている。
本当でしょうか?

実際は温シップも冷シップも気化熱で体温を奪うので、患部を冷やすようです。

ではなぜ温シップを貼ると温かい感じがするのか?
貼った部分が温シップの成分カプサイシンによって炎症を起こしているため、温かいと錯覚しているに過ぎないようです。

貼って気持ちいいと感じるほうを使えばいいと思います。

温シップ(トウガラシエキス、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド含有)
→MS温シップ、ラクティオンパップ、フェルナビオンパップ、フルルバン

冷シップ(メントール含有)
→MS冷シップ

急性痛は冷やす、慢性痛は温める?

急性の痛みで熱感や腫脹がある場合は冷やす、慢性の痛みで熱感などなければ温める、慢性の痛みでも急性増悪で熱感や腫脹がある場合には冷やす。
これは炎症がある場合(熱感や腫脹がある場合)には温めてしまうと血流が増加して炎症が強くなり痛みが悪化するとされるからです。

慢性的な痛みは患部を温める方がよくなることが多い。
しかし、慢性の痛みの場合にも冷やした方が良くなるという人もそれなりにいるので、原則は原則として患者さんごとに話を聞きながら対応するのが良い。

温シップと冷シップの違いは?

多くの鎮痛用パップ剤には、皮膚刺激成分が添加されている。
この皮膚刺激成分として、皮膚に温感を与えるトウガラシエキスやノニル酸ワニリルアミドを含有するものが「温感パップ剤」と呼ばれ、これらを含有せず、メントールやカンフルなどの清涼成分を含むものを「冷感パップ剤」と呼ぶ。

冷感パップ剤は、炎症による局所の発熱を抑えるとともに、炎症部位の拡大を防ぐ目的で使用される。
メントールが知覚神経の末梢に作用し軽度の知覚麻痺を起こすため、鎮痛作用も期待できる。
このため、炎症性疼痛疾患の急性期に使用される。

一方、温感パップ剤は、慢性腰痛症や急性腰痛の発症数日後以降に使用される。
温感パップ剤に含有されるトウガラシエキスは、その辛み成分であるカプサイシンが局所の血管を拡張させる。
患部の血流増加により、損傷した組織の修復を早めたり、腰部筋の血流障害による腰痛を改善することが期待できる。
ノニル酸ワニリルアミドはカプサイシンの誘導体であり同様の機序で血行を改善する。
ただし温感パップ剤は皮膚刺激が強く、発赤・発疹などの副作用が出現しやすい。
また入浴時に貼付していた部位が強く痛む場合があるので、入浴30分~1時問前に、剥がすように患者に指導する。

ただ、パップ剤の皮膚刺激成分による効果は副次的なものにすぎない。
実際、温感か冷感かの使い分けは完全には確立しておらず、「患者が使用して気持ちのよい方を選ぶ」という医師も多いようである。

温シップよりも冷シップのほうが効く?

MS温シップとMS冷シップの違いは、温感と冷感の違い、だけだと思っていましたが、成分を比較してみると。

MS冷シップ「タイホウ」膏体100g(700cm2)中
サリチル酸メチル 2.0g
dl-カンフル 0.5g
l-メントール 0.3g

MS温シップ「タイホウ」膏体100g(700cm2)中
サリチル酸メチル 1.0g
dl-カンフル 0.5g
トウガラシエキス 0.165g

鎮痛成分であるサリチル酸メチルの量が、温シップよりも冷シップのほうが倍量含まれている。
皮膚外用薬においては、濃ければ効く、ということでも無さそうですが、この違いの理由は何なのだろう。

MS温シップ以外の温シップは?

温シップといえば、MS温シップ。
薬品名に温シップと入っていれば、わかりやすい。

しかし、これ以外にも温シップはあるわけで。

一般名処方でも、 【般】ケトプロフェンテープ20mg(7×10cm 非温感) とか書かれてくるわけで、温感か非温感かという区別はわかりやすくしてもらいたいわけで。
ジェネリック選択の段階で、温感か非温感かの違いがはっきりわかるように、商品名への表示の義務付けを課してもらいたいものです。

セルタッチのGE
フェルナビオンパップ(トウガラシエキス配合)
フェルナビオンテープ(ノニル酸ワニリルアミド配合)

イドメシンのGE
ラクティオンパップ(トウガラシエキス配合)

ゼポラスのGE
フルルバンパップ(ノニル酸ワニリルアミド配合)

ロキソニンのGE
ロキソプロフェンNaテープ「三友」(ノニル酸ワニリルアミド配合)
ロキソプロフェンナトリウムテープ 「タイホウ」(ノニル酸ワニリルアミド配合)

モーラスの温感タイプってのは、まだ無いのか。
しかし、フルルバンパップ、ラクティオンパップ、フェルナビオンパップ、ロキソプロフェンNaテープ「三友」などは温感成分だけでなく、冷感成分のメントールも入っていますが、どういう使用感なんだろう。
個人的には、余計な副作用を起こしかねない温感タイプのシップは嫌いなのですが。

冷湿布でアイシング?

急性腰痛では、安静にして炎症部位を冷やします。

冷やすことで毛細血管を収縮させ、炎症の拡大を抑えます。

氷のうを使ったアイシングによって皮膚の温度を十分に下げます。

冷湿布では不十分。
冷湿布は、メントールなどの清涼成分によって冷感が得られているにすぎず、皮膚表面温度が下がってもせいぜい2~3℃程度。

アイシングほどの冷却効果はない。

参考書籍:日経DIクイズ

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