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タミフルとリレンザの違いは?
公開. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約3分6秒で読めます.
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どちらもインフルエンザの治療薬でノイラミニダーゼ阻害薬という分類の薬です。
タミフルは飲み薬で、リレンザは吸入薬。
吸入剤は使用できる年齢に制限があります。吸い込む力の弱い乳幼児は使えません。5歳くらいから吸入はできます。
リレンザは使い方が面倒なので、以前はタミフルのほうがよく処方されていました。
しかし、副作用の問題でめっきりタミフルの処方は減ってしまいました。10代の患者には処方できません。
妊婦にもリレンザが好まれて処方されています。
異常行動とは別にタミフルの副作用として、消化器系の症状(吐き気、下痢)が小児では多いので注意が必要です。
5歳未満だとタミフルドライシロップの処方になるでしょう。
飲み薬のほうが簡単なので、発売当初はタミフルの処方ばかりでしたが、最近はタミフルの乱用によってタミフル耐性インフルエンザウイルスが増えてきたので、リレンザの処方も多くなっています。
ノイラミニダーゼ阻害薬の使い分け
●重症患者では10代の患者でも、オセルタミビルで治療すべきである。
日本では異常行動の懸念から、10代の治療はもっぱらザナミビルがチョイスとなっているが、オセルタミビルは重症例治療の実績があることと、肺炎を併発した患者では、ザナミビル吸入に確実性がないからである。
ザナミビルは肺に直接入るので肺炎により有効であるというのは誤りである。
●重症例ではオセルタミビルの増量や、5日以上の長期の投与も考慮すべきである。
細菌感染の合併も報告されているので、抗菌薬の併用も必要となる。
●入院例で経口オセルタミビルや吸入ザナミビルの投与が困難であれば、静注ペラミビルで治療する。
ただし、ペラミビルはオセルタミビルとの交差耐性がある。
●予防投与はやむを得ない場合に限り実施し、早期治療を原則とする。
予防投与のつもりでも、気付かないうちに発症してsub-treatment(低用量治療)になる可能性と、耐性ウイルスが出やすいからである。
日本感染症学会は、抗インフルエンザ薬の使い分けなどを示した「抗インフルエンザ薬の使用適応について(改訂版)」を、ウェブサイトで公表している。
入院管理が必要とされる患者では、全ての場合、まずは経口薬のオセルタミビルの使用を考慮する。重症で生命の危険がある患者で、経口投与が困難だったり、確実な投与が必要な場合には、注射薬のペラミビルを使用する。
吸入は困難な患者が多いと考えられるため、吸入薬であるザナミビル、ラニナミビルの投与は避ける。
生命の危険は迫っていないが入院管理が必要と判断され、肺炎を合併している患者では、オセルタミビルが使用される。
経静脈補液を行う場合などにはペラミビルを使用することもある。
肺炎を合併している患者では、吸入薬の効果が限定されることから、ザナミビル、ラニナミビルは適応から除外されている。
入院管理が必要と判断され、肺炎を合併していない患者では、肺炎を合併していないことから、吸入が可能な患者にはザナミビル、ラニナミビルの投与も考慮する。
一方、外来治療が相当と判断される患者では、経口薬のオセルタミビルのほか、吸入薬のザナミビル、ラニナミビルの使用を考慮する。
ラニナミビルは、単回投与で治療が完結することから、確実なコンプライアンスが得られるメリットがある。
場合によっては、投薬時に目の前で吸入してもらってもよい。
提言では、内服や吸入が困難な患者や、その他の事情で静注治療が必要だと判断された場合には、外来治療でも、注射薬のペラミビルの使用を考慮できるとしている。
ラピアクタ
開発中のインフルエンザ治療薬「ペラミビル」が、1回の投与で、タミフルを5日間服用したのと同等の効果があることが報告されました。
ペラミビルは2010年秋にも塩野義製薬が日本国内での販売を計画している新しい抗インフルエンザ薬です。
ペラミビルは、現在インフルエンザ治療薬として使われているタミフルやリレンザと同じノイタミニダーゼ阻害薬と呼ばれるタイプの薬で、新型インフルエンザにも効果があるとみられています。
内服薬のタミフル、吸入薬のリレンザに対し、注射薬である点が特徴で、薬を飲めない重症者や感染から時間が経過した患者に効果が期待されています。
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