更新日:2015年10月22日.全記事数:3,190件.

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中性脂肪は無視してもいい?


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中性脂肪は動脈硬化の間接的要因?

中性脂肪の正常値は150mg/dL未満で、それ以上になると高トリグリセリド血症となる。

生活習慣病における中性脂肪の扱いは複雑で、一時期は完全に無視されるに至ったこともありました。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)やHDLコレステロール(善玉コレステロール)が重要とされ、中性脂肪は軽視されました。

人間の体内の中性脂肪が1000 mg/dL を超えると、急性膵炎のリスクが上昇すると考えられており、それさえ抑えればよいと考えられました。

動脈硬化が進むと血管壁にプラークといわれる異常な組織が形成されます。

プラークの形成は、血液中の余分なコレステロールが血管内皮細胞の隙間を抜けて血管の壁に入り込むことから始まります。

つまり、コレステロールが動脈硬化が進行する原因です。

中性脂肪は、それ自体は動脈硬化の原因にはなりません。

しかし、中性脂肪が多いと、HDL(善玉)コレステロールが減ってLDL(悪玉)コレステロールが増えやすくなるので、間接的に動脈硬化の原因となります。

中性脂肪が高いと何が怖いのか

過剰に中性脂肪が増えると、次のようなことが起こります。

・善玉コレステロールが減少する
血管内で回収できなかったコレステロールが増加し、血管の内壁にたまる。

・悪性度が高まった超悪玉コレステロール(小型LDL)が増える
小型LDLは血管内に入り込みやすく酸化されやすいため、動脈硬化を強力に進める。

・血液の粘度が高まる
血管が詰まりやすく、血管壁に無理な力が加わって、血管が破れやすくなる。

・炎症が促進される
血液中の脂質バランスが崩れると、血管内壁の細胞が傷ついて炎症を起こし、白血球の仲間のマクロファージと呼ばれる細胞がコレステロールを取り込んで、プラーク(動脈硬化巣)を形成する。
中性脂肪はこの炎症反応を強める。

中性脂肪

中性脂肪はトリグリセリドともいいます。
構造的には、グリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合したものです。

主に体内に貯蔵されて、必要に応じてエネルギー源として消費されます。
中性脂肪は食事やアルコールの影響を受けやすく、比較的変動の大きい検査値です。

中性脂肪は食事によって摂取されたり、肝臓でつくられたりして、必要に応じて体内のエネルギー源として使われます。
しかし、中性脂肪が必要以上に体内に入ると、皮下脂肪や肝臓、血液に蓄積され、肥満や脂肪肝、動脈硬化などへとつながっていきます。

中性脂肪とフィブラート

中性脂肪を低下させる標的は、核内受容体の一つであるぺルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(PPARα)です。
フィブラート系の薬は、PPARαを活性化して、リポタンパク質リパーゼの活性を冗進させて血清トリグリセリド値を低下させるのが主作用と考えられています。
さらに、肝トリグリセリドリパーゼの活性化によるIDL(中比重リポタンパク質)からLDL(低比重リポタンパク質)への産生が促進され、トリグリセリドやVLDL(超低比重リポタンパク質)が減少します。
また、アポタンパクA-ⅠとアポタンパクA-Ⅱの発現が増加し、HDLコレステロールが増加します。
また、フィブラート系の薬は、アセチルCoAからメバロン酸にいたるコレステロール生合成過程を抑制し、血中コレステロールを低下させます。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

コレステロール

コレステロールは、ステロイド骨格をもつ脂質であり、ホルモン合成や細胞の脂質膜の原料となります。

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